週休3日制を導入してみた。〜第5回 本当の週休3日制の壁編〜
はじめに
商標登録サービス「 Toreru 」の代表の宮崎です。
「週休3日制を導入してみた。」6回シリーズの第5回目です。
前回は週休3日制を導入した結果をお伝えしました。売上は増加して、顧客満足度やオペレーションにも問題なく、従業員の幸福度も上がったように思いました。
この記事では、今思う本当の週休3日制の壁についてお伝えします。
今思う本当の週休3日制の壁
週休3日制を導入する上での壁はなんでしょうか?
当初は「5日の作業を4日でこなせるか」とか「売上が減る」ということを予想していましたが、本当の壁はこの2つだと思います。
ビジネスモデルの壁
週休3日制を導入する上で、一番大きい壁は「ビジネスモデルの壁」です。
ビジネスモデルによって、週休3日制の導入しやすさが大きく変わります。
週休3日制が導入しやすいビジネスモデルの特徴
差別化されており競争優位性がある
多くのファンがいる
販売先が分散されている
定額課金
資本集約型
週休3日制が導入しにくいビジネスモデルの特徴
差別化できずにコモディティ化している
ファンが少ない
販売先が分散されていない
労働集約型
ビジネスの差別化ができていない場合は、営業日を減らしたことで顧客離れが起こる可能性があります。また、販売先が分散されていない場合は、販売先が1社でもなくなると死活問題になるので、中々週休3日制に踏み切れないと思います。
労働集約型のビジネスモデルも週休3日制が導入しにくいですが、効率化の余地があったり、値上げができる場合は、導入のハードルは低くなります。
価値観の壁
もう一つの週休3日制を導入する上での壁は「価値観の壁」です。
もしビジネスモデル的に週休3日制を導入できそうであっても、週休3日制を導入しない選択肢もあります。
経営層や企業文化の考えとして、
従業員の幸せを大事にしている
幸せは時間の影響が大きい
という考えがあると週休3日制の導入に至りやすいと思います。
そもそも、従業員の幸せを大事にしていないと週休3日制のメリットを感じにくいのと、
従業員の幸せを大事にしていても、時間の価値をそこまで感じていない場合は、給料への反映や他の福利厚生を充実させる方向にいくと思います。
ビジネスモデルの壁を乗り越えるために
ビジネスモデルの壁と壁を乗り越えるためには、自社の強みを発揮した商品・サービスを作り、それを最も価値に感じているお客様に届けるということが必要です。(当たり前に思われるかもしれませんが・・・)
この改善は、週休3日制と関係なく会社全体の課題解決にもなります。
また、労働集約型からの脱却として、無形資産を活用することが考えられます。
例えば、下記のようなものに投資して徐々に資本集約型に移行していくことが有効です。
システム
ブランド
デザイン
コンテンツ
顧客リスト
価値観の壁を乗り越えるために
そもそも価値観は人それぞれですので、価値観の壁は乗り越える必要はないかもしれません。また、価値観を変えることは非常に難しい側面もあります。
特にプライベートの時間をどれだけ重要視するかは、世代間の差は結構ありそうです。
個人的な感覚ですと、若い世代ほどプライベートと仕事を両立したいニーズは高そうです。
ただし、価値観と関係なく、週休3日制が事業の面で良い影響があるとわかった場合は導入に至る可能性があります。
その場合は、生産性の向上のメリットよりも
離職率の低下
採用力の強化
が最も顕著に現れます。
そのため、週休3日制で多少生産性が下がるかもしれないが、採用面で良い影響があるので事業全体ではプラスになるというメリットを打ち出すことで、価値観の壁を乗り越えられる可能性があります。
まとめ
週休3日制はオペレーションや働き方の問題と思われるかもしれませんが、実際にはビジネスモデル、価値観の問題だと思いました。
これらを変えない限り、「働き方」という枠で考えていては導入は難しいように感じました。
いよいよ次回は、シリーズ最終回です!「週休3日制のまとめと、AI時代の働き方」についてをお伝えします!
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