チームビルディングワークショップを開催したらメンバーから好評だった
TuneCore Japanでバックエンドエンジニアをしているmasafumiです。
この会社に参画してから2年が経ちました。2024年から3年目に入ります。
今回、開発チームのコミュニケーション促進を目的としてチームビルディングワークショップをやりたい!と思い、そのワークショップの企画·準備·実施·事後まとめまで行ったので、その内容を共有します。
想定する読者
チームのコミュニケーションに課題を感じている人
チームビルディングにワークショップを取り入れてみようと思っている人
開催に至った経緯
現在私が所属している開発チームは11名ほど。さらにその中で少数のチームに分かれて、私の所属する小チームでは5人ほどで動いています。
そこに、PdMが加わり、7名ほどでスプリントを回しスクラム開発を行っています。
今回、小チームに新しく開発メンバーが1名ジョインしてきたので、良いタイミングだと思い、本ワークショップを開催しました。
そもそものきっかけは、とある2冊の本を読んだことです。
きっかけは2冊の本
会社に、「スクラム実践入門」という本が置いてあり、ふと気になって手に取って読んでみました。その中で問題提起された点、
スプリントレビューがただの報告会になってないか?
朝会で問題はちゃんと共有されているか?
という点に、内心ドキッとしたのです。
また、Kindle Unlimitedで「世界の一流は『雑談』で何を話しているのか」という本を読んだことも理由にあります。
どちらも共通して主張していたのはやはり「コミュニケーションの重要性」でした。
チームの状況
私のチームでは、あまりフランクに雑談などをするメンバーは少なく、それによってチームの生産性に影響が出ているのではないか?タスクが停滞してしまうことがあったりするのではないか?と、個人的には、チームのコミュニケーションに少し課題感を感じていました。
そんな時に、上記の本を読んだこと、そして「新メンバーが入ってきた」という良いタイミングで、社内でもこういうワークショップを特別開いたことが今までなかったので、「じゃあ自分でやってみよう!」と決心し、開催しました。
「空席」だと思った
不思議とやる気に満ち溢れていたのは、そこが「空席」だと思ったからです。
ほとんど誰も、ワークショップのようなイベントを開催していなかったこと。チームのコミュニケーションに課題を感じていて、どうにかしたいと思っていたこと。これをやれるのは自分しかいない!と思ったこと。
誰もやらないなら自分でやろう、と思った瞬間から、開催に向けてのモチベーションが高まっていきました。
※ 「空席」を探すことの意義については、以下の記事でも言及しているのでぜひ読んでみてください。
準備
開催日時の周知
まず行ったのは開催日の周知です。
1週間後ぐらいを目安に、参加してもらいたいメンバー全員の予定を確認してから、空いている時間に予定を入れました。おそらくこれ以上日が空いてしまうと、主催者・参加者共にモチベーションが下がってしまうので、1週間以内ぐらいが最も良いかと思います。
「やろうやろう」で口だけで終わらないように、締め切りDrivenで、真っ先に予定を入れ、絶対にやらなければいけない状況に自分を追い込みました。
また、開催時間は、初回であることと、参加者のハードルも下げるため、サクッと終わらせられるよう、1時間で設定しました。
参加者には、「〇〇日にワークショップやらせてください!目的は〇〇です。どんな風に進めるかは考え中ですが、ざっくりこんなイメージです」ぐらいの粒度で周知しました。
目的・方向性を決める
次に行ったのは、ワークショップを行う目的とその中身の方向性を決めることです。
1時間という短い時間で、参加者全員が同じ方向を向いて参加できるように、ワークショップの効果をより引き上げるために、「なぜやるのか?」という点を考えることが最も重要だと思います。
今回のワークショップの目的は、以下のように設定しました。
雑談へのハードルを下げる
会話のネタにする
「雑談することは互いの信頼関係を築いてチーム力を上げるため」という共通認識を持つ
そのために、ワークショップの内容としては、より参加者全員がリラックスして、本来の自分の姿を出せるよう、内容も少しプライベート寄りなものにしようと思いました。
以上の目的と方向性から、1時間のワークショップの中での時間の過ごし方、アジェンダを決めます。
アイスブレイク(5min)
アジェンダ、会議の目的、「雑談」についてLT (10min)
「self-description」の説明 (5min)
記入タイム (5min)
トークタイム (30min)
雑談についてのLT資料作り (Gamma)
ワークショップの中で、よりコミュニケーション、特に雑談の重要性を伝えたいと思ったので、5分ぐらいのLTで資料を作って説明を行うことを決めました。
そのLT資料のスライドを作るのに、AI自動スライド生成ツールの「Gamma」というツールを使ったのですが、これがとてつもなく便利で感動しました。
スライドを自動生成するまでの流れは簡単で、
全部で何枚のスライドにするか決める
各スライドで書きたいことを決める
あとは自動生成
とするだけで一気にスライドが作成されます。
私の場合は、まず先にスライドの全体感としてどんなことを伝えたいかを考え、それをもとに6つのポイント=スライドにまとめようと決めました。
以下はスライドを作成する前に考えた走り書きメモです。
- 僕はもっと雑談が必要だと思います
- 「雑談」の定義 = 互いに自己開示をして、その人の「人となり」の情報の交換をすること。
- 「雑談」と聞くと、「雑」= 「色々なものが混じって統一性がない」と連想するので、「取るに足らない話」とか「どうでもいい話」と連想してしまうだろう。
- → あえて、雑談は**「情報交換するもの」「信頼関係を築くツール」**と捉えてみると、イメージが変わるのでは。
- なぜ雑談が必要なのか?
- そもそも「何のためのチームか」という点に立ち帰って考えてみると、「1人ではできないことをチームでやる」ためにチームであると思う。 = 「助け合い」が前提
- 周りのチームのみんなは助けてくれる、自分も喜んで周りを助ける、というのが前提。
- チーム内、チーム間の垣根をこえて
- 信頼
- 信用
- 尊敬
を得るようなコミュニケーションを取って、より創造的な価値を出していくことこそチームの使命。
- 何も、自分が知られたくないセンシティブなプライベート部分まで自己開示する必要はない。
- チームで成果を出していく上で、必要な会話
- 「朝遅く起きてしまいました」→ 「朝早めの会議は苦手です」や「昨日これを調べてて(自分の興味)」など
- 人間は「知らないこと」に恐怖を抱く (幽霊、宇宙人、etc)
- 相手のことが何もわからない → 何を考えているか分からない → 怖い
- コロナでオンラインが主流になってから、より意識的にコミュニケーションを取らないと、全然相手の情報が得られずコミュニケーションが停滞する。
- 「意味のない雑談」を肯定している訳ではない。「信頼関係を築くため」の雑談が必要。
- そのための今日のワークショップである。
- お互いに自己開示をして、今後雑談するときの会話のネタにする。雑談へのハードルを下げる。「雑談することは互いの信頼関係を築いてチーム力を上げるため」という共通認識を持つ。
スライド
1. 問いかけ「雑談してますか?」
2. 定義「雑談とは」
3. 理由1「なぜ雑談が必要なのか?」
4. 理由2
5. まとめ
このような構想を事前に考えて、あとはGammaで全体のベースラインを生成、細かいところを適宜微調整するだけで、「全体構想作り~スライド完成」まで2時間ほどでできました。
実際に作成したスライドは下記になります。機密事項は特に含んでいないので公開します。
https://gamma.app/docs/-8zk3z0ukaqd574h
当日のワークショップ資料作り (FigJam)
当日のワークショップでは、FigJamを使って参加者全員で共同編集できる環境で実施しようと思ったので、その資料を準備していきました。
「self-description」としては、メンバーの人間的な部分を皆で共有できるよう、以下のような項目を選んでみました。
朝のルーティーンはありますか?
休日は何をしていますか?
子供の頃の夢は何でしたか?
仕事は楽しいですか?どんな時楽しいですか?
チームでの自分の役割、責任、立ち位置は何だと思いますか?
アンケート作成
実際にやってみてどうだったか、参加者の感想やフィードバックも聞いて次回に活かしたかったので、アンケートを作成して、ワークショップ後に回答してもらう用のアンケートを作りました。
項目は以下です。
ワークショップの満足度
時間はちょうどよかったか
ワークショップをやる前とやった後で、チーム全体(個人)への親密度はどれぐらい上がりましたか?10点満点で教えてください。
他にこういうワークショップや議題をやると良いなどアイデアはありますか?
ワークショップ全体についてのフィードバックや感想がございましたらご記入ください。
当日の様子
全体通して和やかな雰囲気でした。各アジェンダの時間については、self-descriptionの記入まではむしろ時間が巻きぎみになるぐらいスムーズに進みましたが、各メンバーの記入内容に対して深掘りをしていくところでは、一人一人の記入内容に対してリアクションが起きたり、話が盛り上がったりしたため予想よりも時間がかかっていました。
なんとか1時間には収まりましたが、これは嬉しい誤算でした。
開催後のアンケート
参加者に回答していただいた内容を見るととても学びになる部分があったり、ポジティブなフィードバックをたくさん頂き、企画者としてもとても嬉しい内容が多くありました。
参加者のうち5名の方からのアンケート回答の内容として一部抜粋すると、以下のようなフィードバックがありました。
満足度 平均4.8点/5点満点
コミュニケーションタイプの紹介とかも面白そう
スキルマップや長所・短所を共有しあう会も面白そう
個人の話だとすでにだいぶコミュニケーションをとったことがあるメンバーが多いので、1回の会でいきなり親密度がぐっと上がることは無かったが、コミュニケーションをまだあまりとっていないメンバーであればあるほど有効だと感じた
1時間という時間がサクッと終わるぐらいの規模でちょうどよかった
全体の感想としても、「開催してくれてありがとうございました!」「自発的にやるのすごい!」「次も期待しています!」など嬉しい感想も頂き、とても嬉しかったです。
感想
以上が、ワークショップの企画、準備から、開催後のアンケートまとめまでの内容でした。
私個人としては、最初企画する段階では「うまく開催できるかな」「ぐだぐだになったりしないかな」と不安もあったのですが、いざ開催してみると、チームのメンバーの方から積極的にワークショップに参加してくれて、皆で良い会にしようという気持ちが感じられてとても嬉しかったです。
また単純に、企画、準備、開催、アンケートまで行なっていた作業が純粋に楽しく、こういう仕事も自分は向いているのかなと、自分の新たな面も発見できる良い機会でした。エンジニアとして技術のスキルアップをするのはもちろん楽しいのですが、メンバーがより力を発揮できるような環境づくり、それぞれが楽しいと思えるような環境を作ることに喜びを感じる人間でもあるなと感じました。
開催後のメンバーからの感想もポジティブなものが多く、その後のスプリントレビューでは、「チームビルディングワークショップがとてもよかった」と話題を上げられたり、チーム外への共有も行われました。
実際、今回私が開催したワークショップの反響で、別チームでもワークショップを開催する予定のようです。
総じて、「やってよかったな」と思う企画でありました。
今回第一回は物珍しさもあって成功した所もあると思います。次回以降は、フィードバックを活かしてさらに改善し、より新しく面白いワークショップを開催できればと思います。
採用もやっています!
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