河合将文

ジェネシア・ベンチャーズのパートナー兼CSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)。…

河合将文

ジェネシア・ベンチャーズのパートナー兼CSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)。農林中央金庫で約10年オルタナティブ投資を担当。KPMG FASでのM&Aアドバイザリー経験を経て、日本政策投資銀行に入行。DBJキャピタルでは、取締役投資部長としてベンチャー投資業務を統括。

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  • ESG for Startups

    VCの投資対象としてのESG領域に関する最新情報や事業モデルのご紹介、VCが取り組むスタートアップのESG経営支援、規制動向等を踏まえた実務対応のアップデート、ESGを起点とした連携事例などを幅広く発信していきます。

最近の記事

水素・アンモニア領域のスタートアップ

皆さん、こんにちは!創業前後のスタートアップへ投資を行うジェネシア・ベンチャーズで、パートナー兼CSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)を務めている河合です。 スタートアップ関連のESG情報を発信していく連載企画『ESG for Startups』の第7回目となる本稿では、カーボンニュートラルの実現に向けて、電力部門および非電力部門の両方から脚光を浴びる「水素・アンモニア産業」の発展に貢献する世界のスタートアップ企業をご紹介します。また、その前提として、水素やアンモニ

    • カーボンオフセット事業の発展経路

      皆さん、こんにちは!創業前後のスタートアップへ投資を行うジェネシア・ベンチャーズで、パートナー兼CSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)を務めている河合です。 スタートアップ関連のESG情報を発信していく連載企画『ESG for Startups』の第6回目となる本稿では、脱炭素社会の実現に向けた一つの手段として注目されるカーボンオフセットについて、同領域における新規事業の可能性や時間軸について整理してみました。(筆者のTwitterアカウントのフォローもぜひお願い

      • AI倫理とガバナンス

        皆さん、こんにちは!創業前後のスタートアップへ投資を行うジェネシア・ベンチャーズで、パートナー兼CSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)を務めている河合です。 スタートアップ関連のESG情報を発信していく連載企画『ESG for Startups』の第5回目となる本稿では、ESG経営で重視される倫理ガバナンスの構築について、テクノロジーの視点を含むテーマとして「AI倫理」を取り上げてみたいと思います。(筆者のTwitterアカウントのフォローもぜひお願いします!)

        • 世界のESGスタートアップ30選(後編)

          皆さん、こんにちは!創業前後のスタートアップへ投資を行うジェネシア・ベンチャーズにて、パートナー兼CSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)を務めている河合です。 スタートアップ関連のESG情報を発信していく連載企画『ESG for Startups』の第4回目となる本稿は、前回・前々回に続き、世界のESGスタートアップを30社ご紹介します。既に公開済みの前編・中編も合わせてご覧頂けますと幸いです。(筆者のTwitterアカウントのフォローもぜひお願いします!) 『E

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        • ESG for Startups
          6本

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          世界のESGスタートアップ30選(中編)

          皆さん、こんにちは!創業前後のスタートアップへ投資を行うジェネシア・ベンチャーズにて、パートナー兼チーフESGオフィサーを務める河合です。 スタートアップに関連するESG情報を発信していく連載企画「ESG for Startups」の第3回目となる本稿では、前回に続いて、世界のESG関連スタートアップ30社をご紹介したいと思います。 なお、今回の中編を含め、前編・中編・後編の3回に分けてお届けしていますので、既に公開済みの前編も合わせてご覧頂けますと幸いです。(筆者のTwi

          世界のESGスタートアップ30選(中編)

          世界のESGスタートアップ30選(前編)

          皆さん、こんにちは!創業前後のスタートアップに投資を行うジェネシア・ベンチャーズで、パートナー兼チーフESGオフィサーを務める河合です。 スタートアップ関連のESG情報を発信していく連載企画『ESG for Startups』の第2回目となる本稿では、世界のESGスタートアップ30社をご紹介したいと思います。ESGのテーマは幅広いため、今回ご紹介するスタートアップの事業内容も、ハードウェア、バイオ、データ分析、ブロックチェーン活用、消費者向けサービスなど、非常に多岐にわたる

          世界のESGスタートアップ30選(前編)

          PRI署名及びESG投資方針の策定について

          1. はじめに昨今、気候変動リスクに対する危機感の高まりや脱炭素社会の実現に向けた動きが加速しており、グローバル資本市場においてもESG投資が一層大きな潮流となっています。国際的な政治経済の枠組みの変化に加えて、現在進行形で私達の生活に大きな影響を及ぼしているコロナ禍の問題もまた、私達を取り巻く環境や社会との共存の重要性を強く意識させることになりました。このような産業構造や企業経営の前提に大きな影響を及ぼす変化の中で、いまやESGを考慮することは全ての企業経営者および投資家に

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          事業のネタ帳 #8 バーチャル・コマース

          皆さん、こんにちは!創業前後のスタートアップへ投資を行うジェネシア・ベンチャーズの河合です。 弊社キャピタリストが持ち回りで連載している「事業のネタ帳」の第8回目となる本稿では、リモート環境が定着している生活者に生じた価値観の変化や、デジタルとリアルのコントラストが強調されていく社会の中で、バーチャル世界が持つ意義等を掘り下げながら、新たな商取引のカタチとしての『バーチャル・コマース』について考えてみたいと思います。 『事業のネタ帳』連載一覧 [再掲] #1 AI-po

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          人的資本の重要性と情報開示の動き

          1.企業価値における人的資本の重要性 企業の持続的な成長にとって、人材戦略や人事施策によって生み出される“人的資本”の重要性が高まっています。企業価値の主な決定要素は有形資産から無形資産に移行しており、その中でも特に人的資本は経営の根幹として位置づけられています。現在のような予測不能で不確実な市場環境においては、激しい変化に柔軟に適応できる「ヒト=人的資本」の力こそが中長期的な競争力の源泉になっているのです。 テクノロジーの急速な進歩や多様化する顧客ニーズへの対応といった様

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          ESG金融と非財務情報開示の動向

          今後の社会の方向性について考えるとき、SDGsやESGは最も重要なテーマの一つですが、今回はその中でもESG金融と非財務情報開示に焦点を絞って、現在の動向を簡単に整理してみました。ベンチャーキャピタリストとして、また以前は機関投資家やアセットマネージャーとして長くグローバル資本市場に関わってきた立場から、個人的にとても興味のある分野です。 気候変動リスクへの対応ESG金融や非財務情報開示の動向を具体的に見ていく前に、まずは前提となる気候変動リスクに関する国際的な枠組みや、カ

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          メタバースに想う『人とのつながり』

          1.メタバースとは最近、メタバースという言葉を耳にされた方も多いのではないでしょうか。メタバースとは、オンラインに構築された仮想空間サービスのことで、もともとはSF作家Neal Stephensonが1992年に発表した作品「Snow Crash」に登場する仮想空間サービスに付けられた名前です。現実世界とは異なるミラーワールドに生活圏を創造するという意味では、例えばNintendo Switchの「あつまれ どうぶつの森」などもメタバースの一つと言われます。実際に私自身の日常

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          環境の変化について

          2021年8月をもって約10年間勤めた日本政策投資銀行(DBJ)を退職し、9月より独立系シードVCのジェネシア・ベンチャーズに参画しました。今回が私にとって初めてのnote投稿になりますが、せっかくの機会なので、徒然なるままに現在の心境の記録を書き記しておきたいと思います。 転職の動機は単純明快で、DBJキャピタルで経験してきたVC業務を、これからのライフワークとして取り組みたいと考えたからです。その決断の背景には、前職では特定の部署に在籍し続けることが難しいという現実的な

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