環境の変化について

2021年8月をもって約10年間勤めた日本政策投資銀行(DBJ)を退職し、9月より独立系シードVCのジェネシア・ベンチャーズに参画しました。今回が私にとって初めてのnote投稿になりますが、せっかくの機会なので、徒然なるままに現在の心境の記録を書き記しておきたいと思います。

転職の動機は単純明快で、DBJキャピタルで経験してきたVC業務を、これからのライフワークとして取り組みたいと考えたからです。その決断の背景には、前職では特定の部署に在籍し続けることが難しいという現実的な制約もありましたが、それ以上に、起業家に伴走するVCという非常に使命とやりがいを感じる仕事に関して、より一層覚悟と真剣勝負が求められる環境に身を置くことで、自分自身を一段上のステージに引き上げるとともに、より深みのある起業家支援を実践したいと考えたからです。そして、そのような環境の中で一瞬一瞬を自分らしく生きることができれば、私自身の人生もより豊かなものになるのではないかと期待したからです。

ここで少し話は変わりますが、職場を含めた生活環境を変えることの意味について考えてみました。まず、自分なりに成し遂げたい理想や目標が明確にある中で、それを実現するためには何を変えるべきなのか。とにかく自分の直観に従って行動する、というのは分かり易くて結果的に正しい選択である可能性も高いのですが、多少理屈っぽく整理してみると、成果を生むためには行動を変える必要があり、行動を変えるためには環境(場)を変える必要がある。少なくとも環境(場)を変えることが、行動を変えるための大きな原動力になるのだと思います。その意味では、成果→行動→環境(場)というように逆算で考えることができます。

心理学にあるクルト・レヴィンの法則(場の理論)によれば、人の行動には、その人の特性と周囲の環境が関係しているという事になりますが、例えば政治家やタレントなどの二世が多い職業の専門性や特殊性を考えてみても、その人が置かれた生活環境が人の思考や行動に与える影響の大きさは容易に想像できます。環境(場)を変えることで自分の行動を強制的に変化させ、尊敬すべき人達と一緒に行動していく中で新たな関係性が築かれ、それに伴って思考様式も変わり、生み出される成果には大きな違いが生じてくるのだろうと思います。

日頃から“変化”について考えるようになったのは、VCという職業も大きく影響しているのではないかと感じます。ご支援させて頂いているベンチャー企業を取り巻く事業環境は絶えず変化し続けるため、そのような変化を敏感に感じ取り、時には大胆な意思決定を繰り返して変化に適応していく事が、会社の生死を分けることになりかねません。そのような荒波に飲み込まれまいと、臨機応変に難局を打開していく起業家の姿を見て、自分自身もそのような生物的な強さや逞しさを身に付けたいと感じています。

さきほど生物的な強さと言いましたが、生物学における“進化”とは“変化”そのものです。ある種の中で突然変異が生じ、それらの突然変異に対する環境側の自然選択が働いて、結果的に環境に適した種が生き残っていくという訳です。ちなみに、進化が発生しやすいのは、その生き物の周囲の環境が変化したときで、それまでは元の種が優勢だったとしても、気温の変化や住みかの移動等によって突然変異した子どもが生存する余地が生まれると、進化につながる可能性が高まります。

現在の私達が置かれた社会環境は、急速に変化し続けており、また過去の延長線上にはない非連続な変化が常態化しています。そのような状況だからこそ、自分自身の行動を変えていくこと、そのために周囲の環境(場)を適切に選択していくことが、これからの進化に繋がっていくのだと信じています。

以上、転職による職場環境と引っ越しによる住環境の大きな変化に直面した人間のポジショントークではありますが、今の自分を奮い立たせる言葉にしておきたいと思います。そう考えてみると、こうして初めてnoteに投稿するのも、明らかに今回の転職がきっかけではありますので、既に“場の力”を受けているのだな、と改めて気付きました笑。何はともあれ、失敗を恐れることなく挑戦し続けられる人間でありたいと思います。

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