見出し画像

[信州戦]富山はなぜ41点しか取れなかったのか? -第1節-

開幕節。富山vs信州。
結果は富山グラウジーズのホーム2連敗となった。
2連敗という結果もさることながら、GAME2では41得点に留まるという珍事件も起こった。

2020-21シーズンにB1最多平均得点を記録した富山グラウジーズがたったの41点しか挙げられなかったのは衝撃である。

今シーズンの富山のロスターは別に点が取れないメンバーではない。
ただし、あるいくつかの条件が揃うと昨シーズンのようにはいかなくなるという事がこの試合で分かった。

バスケットボールは繊細なスポーツだ。
とあるアクシデントが関係なさそうなことに影響を及ぼし、意外な不都合を生んだりする。

今回の記事では富山の41得点に繋がる数々の事象を一つずつ紐解いて解説していきたい。


富山はなぜ41点しか取れなかったのか?

名称未設定-2_アートボード 1

1、宇都のコンディショニング不良

事の発端はまずここだ。
そもそも私にはこの試合、グラウジーズの何人かの選手が心身ともに万全の状態でないように見えた。

そしてそのコンディショニング不良が最もプレーに影響していたのが宇都選手だ。
ここでは一旦コンディショニング不良に留めておく。
詳しくは記事の後半で触れていきたい。

今節の宇都選手はドライブにキレが無く、ミドルシュートも全てショートで安定しなかった。
持ち前のキレが無いのでDFにプレッシャーを掛けられてもカウンターで抜くことができず、ボール運びすら安定しない。

元々スリーが無い彼がこうなってしまうとハーフコートオフェンスでは事実上4対5になってしまう。

そうなると宇都選手は出しづらい。
ここで富山は貴重なハンドラー兼クリエイターを欠くことになる。

2、阿部も安定せず

2017-18シーズンならばこの時点でほぼ詰みになるくらいの大きなアクシデントだが、今シーズンは替わりのPGがいる。
クリエイター役は担えないがゲームメーカーは務められる阿部選手と上澤選手だ。

しかし阿部選手はプレシーズンの時もボール運びで手こずる場面が多く、この日もボール運びからエントリーまでの役割を中々果たせない。

彼も彼で身体的なコンディショニング面で今もなお苦労している様子だ。

3、PGは上澤とマブンガの2人体制に

そうなると残るは上澤選手になる。
(私は山口選手を起用しても良かったと思うが)
彼は比較的いつも通りであり、突破力という点ではまだ影響力を出せないがスリーがある分、それだけでスミス選手達のスペースは確保できる。

結果として阿部、宇都より比較的安定していた彼が20分のプレータイムを得ることとなる。

そうはいっても上澤はルーキーである。
ルーキーとしてはかなり仕事をこなしてくれているが、それでもスタートを務めたり、30分以上チームのゲームメイクを務めるというのは難しい。

そうなるとマブンガ選手にPGを任せるという選択肢になる。

そのため、GAME2ではマブンガが1番手のPG、2番手に上澤の事実上2人ローテーションで運用していくことになる。

GAME2の序盤はPGマブンガ体制で8-2とスタートダッシュに成功するが、後にこれが意外な不都合を生んでいき、悲劇へと繋がることになる。

4、"PGマブンガ"による不都合


①仕事量の偏り

開幕前の記事では今シーズンの富山の懸念点にクリエイター不足を挙げた。

ラモスは未合流。宇都は出せない。
となるとアウトサイドからのクリエイトのパターンはマブンガの1on1かP&Rに限定される。
が、そのマブンガはPGをしている。

そのため、
ボール運び → クリエイト → パスorフィニッシュ
までを彼が1人で担うことになる。

そういったプレーの偏りはマブンガの消耗だけでなく、他のメンバーが冷めていく悪影響もある。

少ない仕事量によるこういった冷えはシューターには禁物だ。
いざ大事な場面でワイドオープンのチャンスが巡ってきた時、このように冷めきっていたら入るものも入らない。

スリーが入るからと多くを免除されたシューターが大事な場面でスリーを決められない。
シューターにとって、これは心の持ちようが難しい状況だ。


②"
PGマブンガ"に足りない要素

ここから先は

3,743字 / 1画像

¥ 100

この記事が参加している募集

頂いたサポートは、執筆環境、グラウジーズ観戦費に当てさせていただきます。