CSファーストラウンド展望_琉球vs富山
Bリーグチャンピオンシップファーストラウンド。
琉球ゴールデンキングスvs富山グラウジーズの試合は
このあと13:05よりティップオフとなる。
今回の記事ではこの試合の注目ポイントについて書いていきたい。
ポイントその①琉球のファールの質
富山の被ファウル数はリーグ1位の22.0回である。
これに対し、琉球のファウル数はリーグ4位の20.8回である。
これは秋田の21.2回、北海道21.1回、渋谷21.1回に次ぐ数字である。
故に富山は秋田戦、北海道戦、渋谷戦のようなコンタクトの激しいディフェンスに苛まれることは想像に容易く、そして琉球側にファール数が多くなることが予想される。
しかし琉球はインサイドがマブンガ選手とスミス選手2人のみの富山に対し、外国籍選手3人+満原選手を擁するので使えるファールに余裕がある。
とはいえ富山に簡単にフリースローを与え続けるのは得策ではない。
このことから、琉球に問われるのはファールの質と私は考える。
そのファールは戦況を良くするファールなのか、戦況を悪くするファールなのか、ここは大事なポイントだろう。
逆に富山は琉球の守り方と審判の線引きへのアジャストが重要となる。
ちなみに富山の試合を吹いた中で最も勝率の高いレフェリーは
漆間 大吾 レフェリー(8勝0敗)
丸山 大 レフェリー(8勝1敗)
蒲健 一 レフェリー(6勝1敗)
となっている。
(富山がよくお世話になっている平出レフェリーは意外にも5勝3敗なので特別心配する必要はない)
ポイントその②富山のオフェンスの終わり方
ソロモンが離脱して以降の富山は、スミスの戻りが遅い点からマブンガをインサイドにはあまり置かず、セーフティに近い場所で固定する傾向がある。
二人がゴール下にいる状態でオフェンスが失敗し、速攻を出されれば失点確率はかなり高くなるからだ。
そのためマブンガのペネトレイトやポストアップは、日本人選手達が相手の速攻を止めるストップファールをできる余裕があるときのみに限られたオプションである。
富山は琉球のローテーションを乱すであったり、オフェンスリバウンドに絡むなどで相手の速攻のスタートを遅らせるオフェンスの終わり方をすることが重要となるだろう。
ポイントその③琉球のキープレイヤー
ここからは両チームのキープレイヤーを一人ずつ挙げたい。
まず琉球から。
実はこの試合の鍵を握るのはキム・ティリ選手だと私は思っている。
これには二つの理由がある。
一つ目はスミス選手との相性だ。
彼はスリーポイントシュートが得意である。
4月28日の千葉戦では2Qのわずか3分程度で3Pシュートを3本決める活躍を見せているし、RSで富山が負けたGAME2でも2Qのわずか6分間でシュートを5/5本決めて13得点の活躍をされ、点差を突き放されている。
琉球のインサイドがエバンス選手とキムティリ選手の組み合わせだった場合は彼にスミスがマッチアップすることになるはずだ。
その場合、彼を絡めたピック&ロールをされればスミス選手では対応が難しい。
スミス選手にとってはフィジカルで勝負してくれるクーリー選手よりも、
むしろキムティリ選手の方が相性的に厄介な存在と言えるだろう。
参考にRSで対戦した時のキムティリ選手とクーリー選手の+/-を貼っておく。参考にしてみてほしい。
キムティリ選手がコートに出ている時間の琉球の得失点は
GAME1 +4
GAME2 +11
キムティリ選手がベンチにいる時間の琉球の得失点は
GAME1 -22
GAME2 -2
クーリー選手がコートに出ている時間の琉球の得失点は
GAME1 -5
GAME2 -25
クーリー選手がベンチにいる時間の琉球の得失点は
GAME1 +14
GAME2 +7
(なお、この日の起用法を見ると琉球は気付いてなさそうな様子だった。)
二つ目は富山の2-3ゾーンとの相性だ。
富山の2-3ゾーンは3Pシュートとゴール下のシュートをケアし、
ハイポストのミドルシュート、ミドルポストのフローターという技術的に難しく2点にしかならないエリアを打たせて落とさせるシステムである。
このゾーンで富山は島根のデモンブルックス選手のような3Pシュートとドライブに秀でた点取り屋を無力化することに成功している。
しかし横浜のアウダ選手や新潟のウォッシュバーン選手など、点取り屋ではないがこのレンジのシュートを器用に決める選手にはかなりやられている。
そしてキムティリ選手もこのタイプだ。
スリーは前述の通りだが、彼はこのレンジのシュートも得意なのである。
しかし、富山がこの点を例のマブンガ選手がサイドからハイポストへとケアする変則シフトで克服してくるならば面白い。
そうなればあとは両者の精度比べとなるだろう。
↓富山の変則2-3
ポイントその④富山のキープレイヤー
今回の琉球戦では岡田侑大選手だと私は考えている。
これまでの試合からも分かる通り、富山グラウジーズはひとたびオフェンスが乗ってしまえばとんでもない攻撃力で相手から得点を奪っていく。
このため、如何に富山をノらせずに重たい展開を継続できるかがが富山攻略の鍵となる。
リーグ失点ランキング3位(75.2)の琉球ならば尚更である。
これまで富山が前半にそういう展開を強いられた試合はいくつもあったが、富山は毎回違う選手がこの流れを変える活躍をし、勝利を手繰り寄せた。
しかし、その中でノってしまったら最も対策のしようがない選手が岡田選手である。
アウトサイドで行う独特なリズムのドリブルからスリーポイントシュートまで打つことができる彼のオフェンスはヘルプDFが関与できるものではない。
対千葉ジェッツ戦で初勝利をもたらしたのは彼の理不尽な得点力であるし、
インサイド1で挑んだ先日の新潟戦でも、3Qにゾーンが上手くいかずに失点が止まらない中で14点1アシストを決めて強引に点差を突き放すシーンがあった。
彼がオンファイヤーして流れができると、富山の面々は自分達のオフェンス力を思い出したかのように一気に得点を重ねてリードを奪ってきた。
こうなった富山とオフェンスの精度比べをする状況になったら勝ち目はないだろう。(この状態の富山に唯一勝ったのは130-129で辛勝した千葉ジェッツのみである)
何かしらの対策を講じてくるであろう琉球のDFに対し、また彼のオンファイヤーがくるのか?
ここに注目したい。
岩沢のCS予想
(こういうのは大抵当たらないので書こうか迷ったものの、今回はどこが勝つかわからない面白い組み合わせなので一応書いておこうと思う。)
・CS1stラウンド
宇都宮1-2渋谷
琉球0-2富山
千葉2-1三河
大阪0-2川崎
・CS2ndラウンド
川崎2-0渋谷
千葉1-2富山(OTあり)
決勝は富山vs川崎と予想
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岩沢マサフミ
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