いつか



家から近い裏通り
川に向かって歩いて行くと
ちょっとした路地

小さな頃の
小さな記憶
たぶんあれはまだ
ボクが小学生になったばかり

路地のどこかに住んでいる
三人姉妹

路地の近くでボクは
転んで泣いていた

話して来たのは上のお姉さん
薬を持って来てくれたその下のお姉さん
ずっと見ていたのは同級生だった

それから何度かお姉さんには
会う事もあったけど
話す事などほとんど無かった

同級生とは恥ずかしいから
話が出来ない
だけどお互いにいつも気にしていた

気が付けば
二人
お互いを見ていた

あれから何年もたった
その間にボクは引っ越した

そして戻って来た。
あの時の姉妹はもう居ない
そんなことは判っている

だけど会いたくて
たぶんいつかどこかで
会えると信じて
あの路地

そこで、話しかけた人は
あの時の同級生
久しぶりの再会
ドキッとする胸だけど
何も言えない

ボクも彼女も
お互いに覚えていた

「久しぶり」
そんな一言から始まった
ボクと彼女

よく考えたら
恥ずかしいんだよね
泣いてたんだからボク

だけど
それがあったから
今こうして会える。。。。

今度は
ボクが変わった事を
彼女に伝えよう
そして
まだ
変わらない事も

ここから
何かが始まった


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