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自分で決めた世界に、僕は生きている。

音楽がずっと好きだ。

今でも覚えてる。中学2年生の時、カセットテープで聞いたユニコーンの大迷惑で電撃が走って訳も分からず涙が出た感動を。あの時の部屋の湿度とか暗さとかまで思えてる。それから音楽をやろうと決めた。

それは例えば、武道館でライブをしようとか、そういうことが目的ではなくて、訳も分からず自分がなぜあぁいう涙を流したのかを知りたくて、作っている気がする。今も。

友達も少なかったので、高校の入学祝いで買った4chテープMTRでひとりコツコツと作ってて。その景色のまま今日って感じです。

自主以外でのリリースをしたことがないです。
あまりそれを望んだこともないし、音楽がお金になるかどうかなんて考えたこともなかった。美談ではなく、子供のままでした。

誰にも何も言われずに、もしかすると、言わせないようにやってきた。

変わらずに音楽は続けている。なので、今の世の中の状況で、僕自身が何か変わったのか、分からずにいる。

僕は音楽やろうって決めたときに、誰かに決めてもらったわけでも、誰かに助けてもらったわけでもなく、また、助けてもらうことを望むこともなく決めた。自分で決めた。

心のずーっと奥の方あの時のあの景色だけが今も続いていて、その部分は変わらない。

音楽を始めたばかりで、お金がなくてもギターを弾いて歌うことが楽しかったあの頃と、今楽しく音楽を作っているってことは違う話なのだろうか。分からない。

一体何に怯えたらいいのだろう。

そういう気持ちに折り合いがつかないまま、今現在の状況のことを考えたりしました。音楽が好きだということは変わらない、それはまた周囲の状況によって変わらないし、もはや変えられる気もない。

それ以上は、よく分からないなと、思ってしまう。

これは、某署名運動に際して考えたこと。結果は、こういうことを考えるきっかけをくれたことに感謝して、署名した。

状況が状況だけに政治的な運動も数多く立ち上がっていますが、中心に人が介在するだけで、本気でコミットするのは無理だと思ってしまう。

自分が賛同したことが、「みんな」で括られてしまうことに違和感と恐怖が伴うから。それは、中心にいる人をYES/NOで割ることはできないってことに端を発してる。できたとしても「概ねYES」が限界。

それは、中心にいる個人が悪いと言う話ではない。人間関係の場合、全ての意見が100%合致することなんてない。みんな少しずつ違うから、世界は面白いというシンプルな話。

こんな時に思い出すのは、ビットコインのシステム。

中心にいる人、最初の1人はサトシ・ナカモト的であるべきだ。YES/NOもないもの。そこに個人の欲望が絡まないけれど、明確でシンプルなコンセプトがあるもの。コンセプトに対して、余計な思想や政治が絡まないこと。(話がそれるが、ビットコインの何が凄いって、ブロックチェーンが注目されがちだけど、このよくわからない、「サトシ・ナカモト」を中心に置くと言う「はじめ方」のほうがよほど凄いと思う。)

個人が中心になると、後から色々とくっついてくる。当初の理念と別の思惑や、ちょっとした差異が。時間とともに違和感が拭えなくなってくる。

そして、時間とともに、個人が何がしかの権力を持ってしまうことが往々にしてある。ちょっとした署名をしたことで、次の権力に加担してしまうことは、結果として今現在の政治構造の誕生と何も変わらん。トップが信用できるかできないかだけの話にすり替わるだけの話だ。

現在のシステムでは仕方がないんだけど、中心に個人ではないものを置いた、もうちょっと分散型のフォーマットで署名ができたらいいのにな。あわよくば、政治もそういうシステムにならないかな…ということから考えないと、もはや社会は変わらないのではなかろうか。

世界には、無敵の理論がある。「弱いものを助ける」というような。「目の前で死にかけている人がいるんですよ」というような。

ただ、少しだけ長い目で見た時に、どう助けるか、どう生かしてあげるかを考えないのはちょっと違うようにも思うし、それを考えずに手を差し伸べるのが、優しさかどうかわからない。できるなら、ひとつひとつに丁寧に手を差し伸べられるようなシステムがいい。「みんな」なんて幻想だと思うから。

もちろん目の前で誰かが死んだ方がいいなんてひとつも思わない。死にたいとも思わない。税金の無駄遣いにも辟易してるよ。

でも、カリスマ的な革命家を中心に据えた運動にも、それと同じくらいうんざりしている。革命後に短期的に世界が変わるだけで、今も世界で楽園が生まれた例を知らないから。

中央集権ではない横方向への信頼関係で成り立つ世界、そして、YES/NOではない、そこからこぼれ落ちたものを反映する世界へのシフトが、今望まれているように感じる。一呼吸して、システムから、考えていけたらいい。

その大きな流れの中で、ひとまず、自分で決めた世界に、僕は生きている。

このことだけは、今も変わらないなと思うのです。

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