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ヨーロッパ旅行記5〜鍵をもらう旅〜


男性と別れ、鍵をもらうためホステルに向かう。この時にはだいぶ歩き疲れていた。
マップを見ながら進んでいく。見覚えのある街並みだ。
マップアプリが到着を告げる。着いたのは、先ほども来た場所だった。
うわあ、まじか。まあそんな予感はしてたけど。1度来た場所に戻って来てしまいガックリきたが、これで僕が行かなければならないホステルの場所は間違っていなかったことが分かった。
ショートメールにホステルの人から、もうすぐチェックイン時間が終わってしまうとメッセージが来ている。僕だって早く行きたいのだが場所が分からないのだ。

もう直接連絡するしか術はない。電話をかけてみる。女性の声がする。英語で会話が始まる。向こうもすぐに、今日チェックインするはずの僕だということが分かったみたいだ。僕はホステルの場所が分からないという。女性は場所を説明するが住所を言われたところで分からない。

そして、この女性の英語がよく理解できない。
僕もしばらく英語を勉強していなかったし、この1ヶ月はドイツ語ばかりを使う生活だったから英語を忘れてしまったのかもしれない。
しかし、原因はそれだけではなかった。この女性の英語には独特のアクセントや訛りがあり、声もこもっていて聞きとりにくかったのだ。
この女性以外とも英語を話す機会がこの後何度もあったがここまで、通じ合えないことはこの時だけだった。

疲れ切っていた上にコミュニケーションもうまくとれない電話相手に次第に僕はイライラしてしまった。僕はホステルがどこにあるのか分からないともう1度言い、近くにあったホテル名を言い、そこの前にいると言った。すると、電話相手の女性が迎えに来てくれることになった。
よかった。これでようやく鍵を受け取ることができる。僕はホッとしながら女性が来るのを待っていた。

女性と無事に会い、ホステルへ向かう。場所はやはり住所通りのところだった。しかし、その建物は外から見てもホステルと分かるものではなかった。さらに、下で機械に番号を打ち込むことで鍵が開くタイプの建物だった。そんな注意書き書いてあっただろうか。記憶にないがこれからはもっとちゃんと書いてあることすべてを読もうと決めた。
中へ入ると何人かの宿泊者がいた。そして、たまたま同い年くらいの日本人女性が2人滞在していた。僕とホステルの女性はうまくコミュニケーションが取れなかったので、その日本人の人が通訳をしてくれることになった。掃除代をデポジットとして現金で20ユーロ払えと言われた。まじか、僕はスリ対策も含めて現金をあまり持っていなかった。だがそれを払わなければ泊まれないので泣く泣く支払う。アパートメントまでの地図をもらい、電車が走っているからと言われる。電車に乗る金はいよいよないなと思いながら出発の準備をする。鍵をもらいホステルを出発する。日本人の2人がくたくたで半泣き状態の僕を心配している声が聞こえてくる。ただ、アパートメントまでの道はもう知っているのでそこまでの心配はなかった。早く休みたい。それだけだった。
いざ、アパートメントへ向けて出発である。

6へ続く。


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