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ヨーロッパ旅行記2〜ICE車内〜


ハンブルクを出発するプラハ行きのICEへ乗り込む。
座席予約はしていなかった。ICEは日本の新幹線とは違い指定席と自由席の区別がない。小さなモニターのようなものが荷物棚のところについていて、そのモニターにその座席が予約されている区間(例えばハンブルクからベルリンまで)が示されている。その予約がない座席や予約が入ってる座席でも当該の区間でなければ座席を予約することなく座ることができる。僕はこのシステムはとてもいいなと思っていた。日本ではスカスカの指定席車両とぎゅうぎゅうの自由席車両という光景を目にすることがあるからだ。

使えるお金をそんなに持っていなかった僕は、追加でお金がかかる座席予約や高速鉄道乗車は避けていた。
車内に乗り込み座席の方を少し見てみる。人が結構乗っている。これは空いている席を探すのは大変かもなと思った。背負っているのか背負われているのか分からないバックパックを背にしている僕は、座席に座る快適さと座席を探す億劫さを天秤にかける。
結局、車内に入ったところに直接座ることにした。座席を探す億劫さの方が勝った。この時は誰もその場にいなかったし、ちょうど入るところが段になっていたのであぐらをかいたりするだけじゃなく足を曲げて座ることもできた。座ることができれば人間なんとかなる。立ちっぱなしにならなかっただけ運が良かったと思った。

1本目の電車から6時間半乗車というなかなかな長時間の電車旅だったが僕はそこまで恐れていなかった。というのも、僕は過去に青春18きっぷを使って12時間以上電車に揺られながら東京に行った経験があるからだ。この電車旅もなかなか大変だった。これについても早めにnoteにアップしたいと思っている。

地獄の青春18きっぷ旅を経験していた僕は、今日から始まった久しぶりの1人電車旅にいろんな感情を抱いていた。
車内では特にすることはなかった。SIMカードの入ったスマホも持っていたが、これからのことも考えてなるべくネット使用量は最低限に抑えないといけない。車内では、景色を楽しんだり人間観察をしたり、考え事をしたりというのがほとんどだった。異国の地での1人旅なので寝ることは許されない。寝たら終わり、その思いがあった。物を盗られてしまったりしても取り返しがつかない。とにかく1人でじっとしながら起きておかなくてはならない。

ただ、そんな中この日は車内でやっておかなければならないことがあった。それは今日泊まる宿を予約することだ。
ブッキングドットコムを開き、プラハと入れる。安くて中心地からそう遠くは無さそうなところを予約する。安かったアパートメントを予約した。宿泊地の詳細事項を見ていると泊まる際は電話で連絡をしてくれということが書いてあった。車内から電話をかける。ドイツの電車では車内で電話をかけることはNGではない。他の多くのヨーロッパの国もそうだと思う。
電話をかける。女の人の英語が聞こえる。話す。トンネルに入る。切れる。
切れた。今となってはどこまでこの時話せていたのか覚えていないが、この後何回かかかってきた電話でも車内でまともに話せた記憶はない。

とりあえずショートメールで連絡を取る。
まあなんとかなりそうだ。住所が分かればチェックインすればいいのだから。
よくよく概要欄を見ていると、アパートメントの鍵を記載されているホステルで受け取れということが書いてあった。アパートメントはこんなにもめんどくさいのか、ホテルにすればよかったなどと思いながらまあ安かったし予約したんだから仕方ないと思いこの条件を受け入れた。

宿泊地の予約も終えてまたもの思いにふけったり、カメラロールを見返してドイツでの思い出を振り返る。
たまに僕のように席を探すのがめんどくさいと思ったであろう客が近くに座ることがあった。
降りていく若い男の客が親切にも向こう行けば座れるぞと教えてくれることもあった。
わかったよ、ありがとうと笑顔で告げ彼を見送った後も同じ場所に居座る。
時々、切符を確認しに来る車掌さん。ヨーロッパの電車に乗る際に改札がある国はごく稀だ。電車に乗る際に切符の所持を確認されることはないし、切符がないとホームに行けないということはない。ただ、たまに切符を確認しに回っている車掌さんが来たときに切符を持っていないことがバレたらとんでもない罰金を請求される。

長時間の乗車だったがそれなりにさまざまなことがあったのでものすごく退屈することもなかった。
そうこうしているうちにようやく着いた。遅延もそこまでなかった。
ヨーロッパ旅1カ国目、チェコはプラハである。

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3へ続く。


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