ものぐさ英語学習_670

ものぐさ英語学習【リスニング編】~洋楽を聴く人にオススメ、そしてこれまで誰も言ってこなかった斬新な学習法です~ゼッタイ読むべきデスYo!

それにしても、若い人は本当に洋楽聴かなくなりましたよね。僕の分析では、昔も今も、若者の中で「邦楽」をあまり聴かない層の割合はそんなに変わってなくて、昔は洋楽(≒英語で歌われる音楽)だったのが、いつの頃からかその層がK-POPを聴くようになって今に至る、という感じです。あれ、男子はK-POPあんまり聴かないよな。そうすると先ほどの割合が合わなくなる。その層の男子はアレクサンドロスとワンオクロックとマンウィズとセカオワを聴いてるんでしょう、多分。

ということで、今回は普段から洋楽(ここでは、英語で歌われる音楽)を聴いたりしている「大人」向けの「ものぐさ学習法」を紹介します。そうです、ちゃんと勉強するのが面倒な、つまり「ものぐさ」な人のための学習法です。そして、この学習法は脳の働き的にも有効であることが最新の研究によって明らかになりつつあります。(※嘘ですすみません。その研究者は僕で実験台も僕一人です。しかし言っていることのベクトルの向きは合っている自信があるので安心してお読みください。)

その学習法とは、

日ごろ聴いている洋楽の曲の一部分(1フレーズでも可)でいいので、「英語で何を言っているのか」聴いて確かめてみる

というものです。例えば、昨年リバイバル・ヒットしたクイーンの「ボヘミアン・ラプソディー」の「Mama, just killed a man ~」のあと、英語で何と歌っているかをいま一度ちゃんと聴いてみて、歌詞を確認して答え合わせをする、というやり方です。(サブスクだと再生時に出るし、ネットで調べることもできるので、歌詞の確認は今は簡単ですね。)具体的な手順を言うと、

◇何気なくボヘミアン・ラプソディーを聴いていて、ふと「あれ、今の部分何て歌ってたんだろう?」と思う。

◇画面をスワイプ(または長押し)してもう一度聴いてみる。このとき、歌詞が持つ「意味」を考えようとせず、ただ「英語」で何を言っているのかを聴くのがポイントです。「gunとかトリガーとか、deadとか言ってるな」そんな感じです。お勉強だと思って聴いてしまうと長続きしません。適当にやりましょう。

◇英語の歌詞を確認して答え合わせをする。過去に歌詞を見たことがない曲の場合は、全部正解することは難しく、ところどころ分からなかったり聞き間違えたりすることがあるのが普通ですが、それで全然かまいません。「なるほど、ここはこういう英語だったんだ。」と思えばOKです。可能ならば、その部分を歌詞を見ながら鼻歌で歌ってみるのもおすすめです。

◇調べたことを、覚えようとしない方がよいです。(覚えたいという欲求があれば覚えていいと思いますが、「お勉強」になりそうだったらやらない方がよいですよ。)どんどん忘れて構いません。また、歌詞の意味についても同じで、どうしても知りたいという欲求があればネットで和訳を調べましょう。この学習法では、意味は無視して、英語の聞き取りのみを行うことを推奨します。

◇このように、「あれ、今の部分の英語、何て言ってるんだろう?」⇒ 確かめる ⇒「なるほどそう言っていたのか」という行為を、日常生活に少しづつ取り入れていく。

このような感じです。そしてこの学習法を長続きさせるコツは、次の4つです。

1.気が向いたときにふと「あれ、今のは英語で何て言ってるんだろう?」と思う習慣をつける。

2.意味は気にせず、英語だけを聞き取ろうとする。(意味がどうしても気になる人はネットで歌詞の和訳を調べましょう。)

3.本当に「一部分」でよい。暇つぶし感覚で。(・・・『全部』だとか『ちゃんと』やろうとしてしまうので続かないんですよね。)

4.真剣にやらない。(それだと「お勉強」になってしまうので。)


僕を含め、洋楽好きの多くの人に共通することだと思うのですが、これまでたくさんの洋楽を聴いてきて、何を歌っているのかよく知らないまま聴いている曲の割合って、結構多くないですか? 曲のタイトルと曲中に出てくるいくつかの単語で、だいたいこんな感じだろうとイメージをして、歌詞については聞き流していることが僕の場合全体の9割はありそうです。でも、十分に楽しんで聴けているし感動して涙したりすることもある。逆に言うと歌詞が分からなくてもじゅうぶん楽しめているから敢えて歌詞を知ろうとしないのかもしれません。例えば、ヴァン・ヘイレンの「Jump」なんて、今でも「飛んでみろよ」くらいの意味しか歌の内容を分かっていない状態でかれこれ500回以上は聴いています。そういえば中学生のとき、”Go ahead and jump”のところを、「ヴァンヘイレン、ジャンプ!」だと思ってたなぁ。あら、あなたもお仲間ですか。

また、僕はクイーンの「She's a Killer Queen がんばーれ タブチ」を知っている世代なのですが、じゃあ「がんばーれ タブチ」じゃなくて本当は何と言っているのかを知らずに、というか知ろうという気も特に起こさずに数十年放置しておいた、これってなかなかすごい事だと思うんですね。一方では、大学受験、英検やTOEICなど、英語の勉強をまじめに続けているのに、もう一方では何百回も聴いている曲の歌詞の英語について無視し続けられる、同じ英語なのに。しかし、今回僕が言いたいのは、洋楽の歌詞について知ろうとしない不勉強のことではなく、何度も耳にしながら平然と無視し続けられた「脳の働き」についてなのです。

私たちは、洋楽で歌われている英語に対して『聞く耳を持っていない』

『聞く耳を持たない』の本来の用法ではないと思いますが、その辺はどうかご勘弁を。

洋楽を聴くとき、聴こえてくる英語に対して僕らの脳はある「遮断」を行っているのではないか、つまり、英語をただの音として認識し、その音の内容については無視をする、ということを脳が行っているのではないか、ということです。確かに洋楽の歌詞は聞き取りにくいです。表現が教科書的ではないし、1行に1個はなじみのない単語が出てくるし。しかし、そういった単語や表現のせいで、洋楽の歌詞をちゃんと聞くことを端からあきらめてしまっているという面は正直ありますよね、僕たち。それ以外の部分は意外と分かる場合もあるのに、です。僕らが中学生のときは、英語の知識が圧倒的に足りていなかったので、さすがに何言っているのかほとんど分からなかった。でも今、こうして大人になって英語の勉強を多少なりともやっている僕たち私たちが、相変わらず英語の歌を聴いてその歌詞が頭に入ってこない(・・・意味が入ってこない、というのではなく、英語[単語・熟語・センテンス]が入ってこない、ということです)というのは、僕らがそれらの情報を「遮断」している、と言っておかしくはないと思うんです。

英語の「実用」を考えているなら、私たちはこの「遮断」を少しずつやめていく努力をすべき

なぜ僕がこういうことを唱えるのかと言うと、英語を実際に使うのは、「勉強の世界」ではなく、「普段の生活の中」だからです。では、勉強の世界と普段の生活はどこが違うのか、例を挙げてみます。僕が以前英検やTOEICの勉強をしていたころ、当然リスニング対策の問題集なども一生懸命やっていました。それこそ、一言も聞き漏らすまいと意識を集中させて。そのおかげで、まあやった分だけスコアは伸びたのですが、では普段聴いている洋楽の歌詞も聞き取れるようになって良かったなあと実感したかというと、そんなことはなかった。というより、そういうことを考えもしなかった。つまり、「英語学習」と「生活の中にある英語」が結びついていないのです。じゃあこれからは洋楽を聴くときも英検やTOEICのリスニングのように意識を集中させましょうということなのかというと、それは全然違っていて、むしろその逆なんです。

日常にある英語に対して心をもっと開く「オープンマインド」計画とは?

それはつまり、日常の生活で出会う英語に対して、リラックスして心を開いてみようよ、という事なんです。言いかえると、「興味を持つ」という事なんですが、普段の生活で目にしたり耳にしたりする英語に対して、「あれ、今何て言ったの?」とか「それどういう意味?」という素朴な疑問を持ち、それを調べて解消していくという小さな経験を積み重ねていく。そうすることで、僕らが無意識的におこなっている「遮断」を少しずつ取り払っていこうよという心がけの事です。そしてその遮断を少しずつ取り払うことで、僕らは英語に対して「聞く耳を持つ」ようになり、今まで「聞こうとしていなかったもの」が少しずつ聞こえるようになってくる、僕たちの脳とはそういうものだと思うんです。いや、こんなことを考えるなんて俺って天才かも。どこかで暇を持て余している大学教授様、僕とちょっと交代してくださいヨ。このnoteでこれを書いたところで、ここまで読み進めてくださった皆さんのような少数の心ある「理解者」の方々にしか届かないままでしょうが、僕が〇〇大学の教授とかなら、そこそこ話題になるような言説ですよ、これは。無名を恨んでもしょうがないので僕はこつこつやっていきますが。Step by Step.  ニューキッズ・オン・ザ・ブロックですよ。

今回はリスニングがテーマなので、本題からはそれてしまいますが、例えば、RADWIMPSやBump Of Chickenの曲が好きなら、誰かと『RADWIMPSっていいよね。』とか『Bumpっていいよね。』とか話すこともあると思うんですが、そういった場合に、ところでradって何だっけ? wimpって何だっけ? bumpって何だっけ?という疑問を無視しないでおく、「遮断」せずに意味を調べてみる、ということの積み重ねが大事だと思うんです。RADやBUMPに興味がないなら調べる必要はありませんが、もしそれが好きで、その名を口に出して誰かと話をするようなら、それらの単語の意味を知っておこうというのは、英検やTOEICに頻出の単語を覚えるのと同じように、いやむしろ脳の働き的にはそれ以上に大事なことだと思うのです。radもwimpも、実際に使うことはほとんどないとしても、です。

※おまけです。僕は中高6年間バレーボールをやってきましたが、バレーボールの「バレー」が、サッカーやテニスの「ボレー」と同じだと知ったのは恥ずかしながら大人になってからでした。ほとんど休みなく練習や試合に明け暮れていた「バレー」が、「ボレー」だとも知らずに毎日毎日ボールを追いかけて。そして一浪して必死に英語を勉強して早稲田に入ったのに、「バレー」の意味って何だっけ?と思ったことが一度もなかったなんて、人間って本当に面白いですよね(笑)。・・・バレーボールは漢字で「排球」だということは中1の頃から知っていて、その知識でもう満足していたのでしょう、多分。

この学習法を始めてからの僕自身の変化を2つ紹介します

1.ハリウッド映画の予告編で話されているセリフが意外と聞き取れることが分かった。

「洋画本編を字幕なしで観る」というのはすごくハードル高いですよ。(もちろん僕もできません。)しかし、ネットで広告として流れているハリウッド映画の予告編の英語、ちょっと聞き耳を立ててみると結構簡単な英語も入っていたりすることが分かりました。それまでは、英語の中身についてはほとんど注意を払っていなかったのですが、勉強で出てきたフレーズとかもあったりして、楽しいですよ。ハリウッド映画のターゲットは、実際非ネイティブ話者の方が多いでしょうから、予告編はシンプルなセリフが多めになっているのかもしれません。

2.ニュースで流れるトランプ大統領の英語はかなり聞き取れることが分かった。

これまでは日本語字幕を見るだけでしたが、改めて英語そのものを聞いてみると、ニュースで流れている部分(主にスピーチしているシーン)の英語ならば、日本語字幕が無くてもいいんじゃないの、というくらい分かりやすいことが分かりました。なので最近は、わざと日本語字幕を見ないようにしています。ただ、前にホワイトハウスでの記者会見を見たことがあるのですが、アメリカの記者と雑談ぽくやりとしている部分は、聞き取れない部分が多かったです。状況に応じて話す英語を使い分けているのでしょう。

まとめ:日常で流れている英語に聞き耳を立ててみましょう。

僕の言う「オープンマインド」計画は、英語=勉強だと構え過ぎずに、日常生活で触れる英語にたいして「ときどき」でいいので興味を持つことを、少しずつ習慣づけようというものです。そして、洋楽をよく聴く人であれば、昔に比べて聴き直しや歌詞の確認がかんたんにできる現在、この趣味を活用しない手はない、と思うのです。僕もこの前、デヴィッド・ボウイの「Ziggy Stardust」という曲の最後の部分で、ボウイが「ジギー プレイド ギーター!」と歌っているのを聴いて、そういえばplayと楽器の間にtheが入らないこともあるというのは習ったことがあったけど、思いっきりこれじゃん!と思ったり、マイケル・ジャクソンのスリラーのサビが、「 ('Cause)  ディス イズ スリラー」で、中1英語かよ!と思ったりだとか、楽しく続けられています。

皆さんもぜひ!!

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