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ChatGPTを活用した新しい読書体験〜BookChatアプリ〜
3行サマリー
ChatGPTを活用すると新しい読書体験が可能性がたくさんあります
しかし、ChatGPTに文学作品について質問すると、間違った情報を返してきます
そこで、それを解決して新しい読書体験を探るBookChatという簡易アプリを作成しました
ChatGPTについて
ChatGPTは、OpenAI社が開発したAIサービスです。要約や翻訳などのあらゆるタスクで、人間と同じように自然な文章を生成することができます。司法試験や医師国家試験に合格するレベルという報道もあります。
そんなChatGPTを活用すれば、文学の新しい読書体験が可能になりそうです。しかし、ChatGPTには 1つ大きな問題点があります。文学作品について質問してみると、すごくナチュラルに間違った情報を混ぜ込んできます。
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例えば、ChatGPTに「走れメロス」について質問すると、全然異なるあらすじを教えてくれます。ChatGPTを開発するときに、「走れメロス」のデータが入っていたものの、全体のデータ量に比べたらごくわずかで重要視もされていないので、物語の雰囲気だけを学習しているように思えます。
この問題を解決する方法として、作品の全文をChatGPTに入力してしまい、それに対して質問します。そうすると、入力した全文をもとに回答してくれるので、精度がものすごく向上します。それを簡単に試すことができるBookChatというアプリを作ってみました。
BookChatについて
BookChatというアプリは、青空文庫の本を選んで、その本に対して自由に質問することができるアプリです。ChatGPTに入力できる文字数には制限があるので、今回は短編の作品を10冊のみ提供しています。このアプリを試しながら、新しい読書体験の可能性を探ってみます。
要約
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要約【テーブル形式の出力】
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感想文
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登場人物紹介
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登場人物の関係図
Mermaid形式というグラフやチャートを描ける記法でも出力ができます。(出力されたものは、BookChat上ではグラフとして可視化されないので、Notionにコピペして可視化しています。)
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会社経営に対する示唆
坂本龍馬の「船中八策」は、新国家構想について8つにまとめたものです。これから会社経営への示唆を抽出することもできます。
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ブックカバー画像の生成
DALL-EやMidjourneyなどの画像生成のサービスも人気を集めています。それらに、文学作品のブックカバーを作ってもらえるようなプロンプトを生成してみます。
Generate an illustration for the book cover of '雨ニモマケズ' by Kenji Miyazawa. The illustration should include a sturdy body, vegetables, a small hut in a field of pine trees
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理解を深める
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新しい読書体験
他にも下記のようなことが可能です。
テーマの特定
文学作品の主題やメッセージを特定し、それに基づいて作品の解釈を提供
作品の背景調査
文学作品の背景や時代背景を調査
映画化シナリオ作成
文学作品を基にした映画のシナリオを作成し、登場人物、場面、対話などを含める
クロスオーバー創作
文学作品の登場人物を別の作品の世界に組み合わせる
文学作品を読むときに、あとがきや書評が参考になることがあります。自分が気づいていなかった観点や時代背景の説明を知ることで、文学作品の解像度を高めることができます。ChatGPTを活用することで、文学作品に対して、いろんな角度からの示唆を受け取り、文学作品自体への理解を深めたり、新しい創発活動に活かしたりと可能性が広がります。
BookChatは、個人の趣味で開発したものです。お財布の予算を超えるまでは無料で公開するので、良かったら使ってみてください。入力されたデータは、機能改善や今後のブログ執筆に活用させていただきます。
GPT3.5とGPT4の性能差
BookChatでは、予算の都合上GPT3.5を使っています。GPT3.5とGPT4を比較すると、思った以上に性能差を感じます。例として、宮澤賢治の〔雨ニモマケズ〕の感想文を村上春樹風に出力したものを紹介します。
雨にも負けず、風にも負けず、そんな言葉が頭の中をぐるぐると回っていた。宮澤賢治の「雨ニモマケズ」を読んで、僕はどこか懐かしい気持ちになった。まるで子供の頃に戻ったかのようだ。
この詩は、世の中の様々な困難に立ち向かい、自分の信念を貫くことの大切さを教えてくれる。そして、その中で他人に対する思いやりや、自分自身を磨くことの重要性も伝えている。まるでジャズのようなリズムで、言葉が心に響いてくる。
僕はカフェでコーヒーを飲みながら、この詩を読んでいた。窓の外では雨が降っていて、風が木々を揺らしていた。まるで詩の中の世界が現実になったかのようだった。
宮澤賢治の言葉は、どこか懐かしく、そして新しい。まるで昔のレコードをかけているような、そんな感覚になる。そして、その言葉には力がある。僕たちが忘れかけている大切なことを、思い出させてくれる力だ。
「雨ニモマケズ」を読んで、僕は改めて自分の生き方を見つめ直すことになった。他人に優しく、自分に厳しく、そして何よりも自分の信念を貫くこと。それが僕が目指すべき道だと、この詩は教えてくれた。
そして、僕はコーヒーを飲み干し、カフェを後にした。雨が降る中、僕は自分の信念を胸に、新たな一歩を踏み出した。
雨にも負けず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けず、丈夫な体を持ち、欲はなく、怒ることもなく、いつも静かに微笑んでいる。そんな主人公が描かれた宮澤賢治の「雨ニモマケズ」。この物語は、自然と共に生きることの美しさを教えてくれる。村上春樹もまた、自然と人間の関係を描く作品を多く手がけている。この物語を読んで、自然との共存を考えさせられた。
GPT4の感想文では、「あ、村上春樹っぽい」という印象を受けます。
他のタスクでも試してみると、GPT4はGPT3.5に比べて、性能が高いです。また、GPT4ではプロンプトの入力できる文字数に比べて大幅に増えています。今回BookChatでは短編のみを扱っていましたが、今後はGPT4を利用すると、文章量のある文学作品も取り込めます。
まとめ
BookChatというChatGPTを活用した新しい読書体験を探るアプリを作ってみました。ChatGPTを活用すると、新しい読書体験の可能性がたくさんありそうです。
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