masa_kazama

https://sites.google.com/view/masahiro-kaza…

最近の記事

生成AIの活用事例 10選

「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに、医療プラットフォームを提供しているUbie株式会社の@masa_kazamaです。 この記事は#Ubieアドベントカレンダー5日目にエントリーしています。 今年は生成AI一色の1年でした。Ubieでは、生成AIをプロダクト活用と社内生産性向上の観点で取り組んでいます。(取り組みの詳細は、こちらの記事で紹介しています。) この記事では、社内生産性向上観点で、社内の業務プロセスに溶け込んでいて、なくてはならない使い方

    • 「機械学習〜推薦システムを題材に〜」講義資料(生成AIの話題も含む)

      2023年に東京都立大学で非常勤講師として、学部3年生向けに「機械学習〜推薦システムを題材に〜」というテーマで講義をしました。 90分×3コマ×2日間の計6コマの集中講義で、Streamlitで映画のレコメンドアプリを実際に作ってみるなどの演習も含めたものです。 昨年、大学院生向けに同様の講義を3コマ分していたので、それを拡張する形で、最近話題の生成AIの話も1コマ分用意しました。(昨年の授業資料はこちらにあります。) 推薦システムや生成AI×推薦システムについて興味ある

      • 生成AI活用の試行錯誤〜Ubie社での取り組み〜

        生成AIChatGPTをはじめとするGenerativeAI(生成AI)は、テレビや新聞で見ない日はないくらいに話題になっています。YouTubeでも芸人さんがChatGPTを紹介する動画が多数出ています。(個人的に、芸人かまいたちの「ChatGPTに漫才を作ってもらう」という動画が好きです。) 企業でも、ソフトバンクやNTTなどの大企業が、会社を上げて生成AIの開発・活用をしていくと発表しています。行政においても、横須賀市やつくば市が生成AIを積極的に業務に取り入れようと

        • ChatGPTを活用した新しい読書体験〜BookChatアプリ〜

          3行サマリーChatGPTを活用すると新しい読書体験が可能性がたくさんあります しかし、ChatGPTに文学作品について質問すると、間違った情報を返してきます そこで、それを解決して新しい読書体験を探るBookChatという簡易アプリを作成しました ChatGPTについてChatGPTは、OpenAI社が開発したAIサービスです。要約や翻訳などのあらゆるタスクで、人間と同じように自然な文章を生成することができます。司法試験や医師国家試験に合格するレベルという報道もありま

        生成AIの活用事例 10選

          手元で動く軽量の大規模言語モデルを日本語でファインチューニングしてみました(Alpaca-LoRA)

          イントロ最近、ChatGPTやGPT-4などの大規模言語モデル(LLM)が急速に注目を集めています。要約タスクや質疑応答タスクなど様々なタスクで高い性能を発揮しています。これらのモデルはビジネス分野での応用が非常に期待されており、GoogleやMicrosoftが自社サービスとの連携を進めているという報道も相次いでいます。 今回は、手元で動作する軽量な大規模言語モデル「Alpaca-LoRA」を日本語にファインチューニングしてみました。この記事では、そのファインチューニング

          手元で動く軽量の大規模言語モデルを日本語でファインチューニングしてみました(Alpaca-LoRA)

          ChatGPTに自社データを組み込んで新しい検索体験を模索してみました

          イントロChatGPTやBing、NotionAIなどの大規模自然言語モデル(LLM)を活用したサービスが注目を集めています。対話、要約、翻訳、アイデア生成などの多様なタスクにおいて、とても性能が高いです。ただ、ChatGPTでは、ときどき嘘が混じっていたり、文献が捏造されたりすることがあります。 それを防ぐために、BingやPerplexityでは、文献を引用した上で、なるべく嘘が紛れ込まない形で回答してくれます。 しかし、これらのAIは、Web上の公開されている一部の

          ChatGPTに自社データを組み込んで新しい検索体験を模索してみました

          機械学習プロジェクトの開発について(MLOps) 〜推薦システムを題材に〜

          東京都立大学大学院で非常勤講師として、「機械学習プロジェクトの開発について(MLOps) 〜推薦システムを題材に〜」というテーマで講義をしました。90分×3コマの集中講義で、演習も含めたものです。 自分が学生だった頃に、社会人の方の資料や講義がとても参考になってありがたかったので、講義資料を公開します。少しでも推薦システムやMLOpsの参考になりましたら。

          機械学習プロジェクトの開発について(MLOps) 〜推薦システムを題材に〜

          人工知能(DALL-E2)が描いた俳句の情景

          イントロDALL-E2という人工知能が生成するイラストの精度が高く、インターネット上で話題になっています。この記事では、DALL-E2に有名な俳句5句を入力して、イラストを生成してみました。 古池や蛙飛びこむ水の音(松尾芭蕉) 夏草や兵どもが夢の跡(松尾芭蕉) 柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺(正岡子規) 菜の花や月は東に日は西に(与謝蕪村) 遠山に日の当たりたる枯野かな(高浜虚子) 結びどれも文章を理解しているようなイラストが生成されていて、驚きでした。DALL-E2

          人工知能(DALL-E2)が描いた俳句の情景

          文化を覗く新しい望遠鏡 〜NgramViewer, Word2vec, DALL·E〜

          イントロ近年、ビッグデータや人工知能の発展により、文化や社会を解像度高く分析する方法が提案されてきました。データ分析によって、今まで定性的に分析されてきた文化や社会が定量的に分析され、新しいわくわくするような知見がたくさん出てきています。 文化や社会の分析には、テキスト解析の手法が主に用いられていますが、最近、画像解析の手法の発展も著しく、今後は画像を利用した分析も広がっていくように思います。その中でも、DALL·Eと呼ばれる人工知能の性能は凄まじく、文化や社会を解き明かす

          文化を覗く新しい望遠鏡 〜NgramViewer, Word2vec, DALL·E〜

          同期現象について〜人の心拍が同期する?!〜

          イントロこちらのメトロノームの動画を見たことあるでしょうか。最初はバラバラにリズムを刻んでいたメトロノームが、次第に揃い始め、最後には全部が同期しています。 また、こちらのホタルの動画では、ホタルの発光が同期しています。 他にも、コオロギやカエルの鳴き声の同期現象などが自然界で広く観測されています。 この記事ではそんな同期現象について、簡単に解説します。また、人間に関する同期現象について、いくつかおもしろい最近の研究を紹介したいと思います。 同期現象とは同期現象とは、リ

          同期現象について〜人の心拍が同期する?!〜

          より良い集中とは〜フロー状態の情報理論的分析〜

          イントロ「現代人の集中力持続は金魚以下」という衝撃的な記事が、タイム誌で取り上げられました。この記事によると、マイクロソフト社の研究で、人々の集中力が年々減少傾向にあり、2013年には持続時間が8秒まで短くなってしまったというものです。また、記事の中では、金魚の9秒より短いと言及され、「現代人の集中力持続は金魚以下」というセンセーショナルなタイトルが付けられました。 (※マイクロソフトの研究では、金魚の集中力には言及がなく、プレスリリースなどの過程で、比較対象として金魚が入り

          より良い集中とは〜フロー状態の情報理論的分析〜

          Web3.0におけるデータサイエンス

          イントロ最近Web3.0という単語をよく耳にします。従来のインターネットに比べて何が違うのでしょうか。また、Web3.0が浸透していくと、私達の仕事はどう変わるのでしょうか。私自身、数ヶ月前まで、Web3.0について全然知りませんでしたが、Web3.0について調べてみると、ワクワクするような可能性がたくさん見えてきました。そこで、自分の頭の中の整理を兼ねて、「Web3.0におけるデータサイエンス」というタイトルで、データサイエンスという切り口で説明しようと思います。その理由は

          Web3.0におけるデータサイエンス

          人工培養された脳細胞によるゲームプレイの仕組み 〜自由エネルギー原理について〜

          イントロ「実験室内で培養した人の「ミニ脳」にゲームをプレイさせることに成功、AIよりも速いわずか5分で習得」というニュースが話題になっています。 脳細胞をトレーの中で人工培養させて、その細胞に卓球ゲームの「Pong」をプレイさせたところ、たった5分で学習し、ラリーが続くようになったと報告されています。まるで、マトリックスの映画のようで、この技術を使った未来がワクワクすると同時にちょっと怖くもあります。一体、どんな技術を使って、脳細胞に卓球ゲームを学習させたのでしょうか。このニ

          人工培養された脳細胞によるゲームプレイの仕組み 〜自由エネルギー原理について〜

          事業やプロダクト開発を加速させるデータ分析

          ここ数年、様々な業界でデータサイエンティストの求人を目にします。一口にデータサイエンティストと言っても内容は様々で、画像解析やレコメンド開発など機械学習エンジニア系のものもあれば、ビジネスの意思決定を支援するようなデータアナリスト系のものもあります。(データサイエンティストの分類についてはTJOさんの記事が参考になります) この記事では、ビジネスの意思決定を支援するデータ分析に絞って、事業やプロダクト開発を加速させるのに必要なことについて、自分の思考の整理を兼ねて書きたいと

          事業やプロダクト開発を加速させるデータ分析

          スクラム・OKR・ホラクラシーによるデータサイエンスチームの運営方法

          Ubieの2020アドベントカレンダー5日目の枠です。Ubieのデータサイエンスチームの取り組みについてご紹介できればと思います。 イントロUbieのデータサイエンスチームは、2020年に社員が2人から8人へと増えました。チームとしてデータサイエンスのプロジェクトを進めていく上で、目標管理にOKR、開発プロセスにスクラム、フラットな組織実現のためにホラクラシーを導入して試行錯誤しながら生産性をあげようとしています。チームにマネージャーは存在しておらず、メンバー一人一人がアイ

          スクラム・OKR・ホラクラシーによるデータサイエンスチームの運営方法

          推薦システムの国際学会RecSys2020の参加録

          イントロ RecSysは推薦システムに関する国際学会で、今年で14回目の開催になります。本来ならブラジルで開催予定でしたが、昨今の情勢により今年はオンラインでの開催になりました。2020年9月22日から9月26日にかけて開催されました。 推薦システムは、Amazonのこれもチェックしている人はこれもチェックしていますのように、たくさんあるアイテムの中からおすすめのアイテムを選び出してくれる仕組みで、最近ではあらゆるサービスに組み込まれています。そのため、RecSysでは、大

          推薦システムの国際学会RecSys2020の参加録