Indeedを退職してUbieに入社します
1月末で約2年ほど働いたIndeedを退職して、UbieというAI×医療のベンチャーに転職します。せっかくの節目なので、社会人になってからを振り返りたいと思います。
目次
・リクルートについて
・Indeedへの異動に向けて
・Indeedについて
・Ubieへの転職のきっかけ
・これから
リクルートについて
もともとは新卒でリクルートにデータサイエンティストとして入社して社会人生活を始めました。リクルートは様々なデータを保有しており、データ分析のしがいがありました。また、上司、同期、後輩は優秀な人ばかりで、常に学ぶことばかりでした。特に、データにどのように向き合って、仮説をたてて分析するのか、また、データの裏側にいる実際のユーザーやクライアントの課題を把握してどうしたら解決ができるのかといったスタンス面の土台がこの頃にできたように思います。技術面においても、GCPやAWSを使って機械学習プロジェクトのプロトタイプを作ったり、社内の統計勉強会で統計学を勉強し直したり、レコメンドのアルゴリズムを作ったりと幅広く技術に触れる機会がありました。
入社して数年経つと、次第に英語を使った職場で働きたいという思いが強くなってきました。それは、英語が日本語と同じレベルで使えるようになると出会える人や情報が桁違いに増えて面白そうなので、早めに英語を鍛えたいというものでした。
Indeedへの異動に向けて
Indeedは、リクルートのグループ会社で凄腕のエンジニアが多く英語を使う環境と聞いていて、異動ができないかと模索したところ、Indeedの中途採用の面接に通過したら異動が可能ということがわかりました。しかし、面接ではGoogleなどのIT企業と同じくアルゴリズムやアーキテクチャに関するホワイトボード面接が英語で実施されると聞き、それに向け対策を始めました。
英語に関しては、入社当初からいつかは英語を使った環境で働きたいと思っていたので、レアジョブなどのオンライン英会話をしたり、ベルリッツに行ったり、社内で海外出身の人と定期的に英語でミーティングをさせてもらったりして、英語の面接にはなんとか受け答えができるくらいの英語力にはなっていました。
アルゴリズムに関しては、競技プログラミングをほとんどやったことがなかったため、AtcoderのABCの問題をひたすら解き始めました。それと並行して、「世界で闘うプログラミング力を鍛える本」や情報科学の教科書を何冊か読みました。面接の2ヶ月ほど前から対策し始めて、土日はこれらの対策の時間にあてました。特に、一番効果があったと思うのが、ホワイトボード面接の模擬面接をしてくれてフィードバックをくれるサービスでした。Gainloというサービスを使用しました。オンライン上で模擬面接官に問題を出されてWeb上のエディタでアルゴリズムを書いていくというものでした。30分ほどの模擬面接をした後に、15分ほどの口頭のフィードバックとPDFで詳細に記述されたフィードバックを貰えます。ホワイトボード面接のお作法をほとんど知らなかったので、とても参考になりました。また、最近ではYoutubeにホワイトボード面接に関する動画がアップされているので、そちらも参考になるかと思います。
Indeedについて
そして、なんとかIndeedの面接を通過して、Indeedに異動できることになりました。リクルートは丸3年働いたことになります。Indeedに異動するタイミングで職種をデータサイエンティストからソフトウェアエンジニアに鞍替えしました。フロントエンドやバックエンドもできるようになると、できることの範囲が広がり楽しそうだなという理由からです。ただ、web開発に関しては全く知らなかったので、異動してからのキャッチアップが大変でした。例えば、Reactを使ったフロントエンド開発、Spring BootとJavaでのバックエンド開発、Factory Methodパターンなどのデザインパターンに基づいた開発、DNSの名前解決が上手く行かなかったときのネットワーク調査など、データサイエンスでやっていたスキルとは全く異なりました。幸いにも同僚が良い人だらけでわからないことがあると親切に教えて頂けました。
「情熱プログラマー」という書籍で紹介されている「一番のへたくそでいよう」という方針を信念に社会人生活を送ってきました。Indeedはそれにうってつけの環境でした。例えば、新卒で入社するエンジニアもバリバリにコードが書けて、英語でミーティングをファシリテーションしていて、誰からも学ぶことがあるような環境でした。
Indeedは期待していた通りに、凄腕のエンジニアが多く英語を使う環境でした。また、福利厚生もとても充実していました。箇条書き形式でこれらをまとめますと、
・チームにも依りますが、7割ほどが海外出身で常に英語を使う環境でした
・GoogleやNetflix、Tencentなどの外資IT企業出身のエンジニアやデザイナーが数多く在籍していました
・どのチームにも1人はレッドコーダがいるんじゃないかと思うくらい、レッドコーダの方がいました
・希望すれば海外オフィスに異動できる機会もあります
・飲み物やお菓子、フルーツが食べ放題で、ランチはビュッフェ形式で無料でした
・出社時間は決まっておらず、リモートも大丈夫でした
・コードレビューの文化がしっかりしており、最初の頃は数行のプルリクエストにも数十のコメントを頂くこともありました
・給料の水準がとても高かったです
という素晴らしい環境でした。
Indeedで携わったプロジェクトの1つが、レコメンドのチームに居たときのレコメンドのアルゴリズムの改善プロジェクトでした。数千万のユーザー、数千万のアイテムに対して、どのようなレコメンドアルゴリズムを使用して、オフラインとオンラインでどのように評価するのかを試行錯誤しました。同僚と議論しながら、アルゴリズムやシステムを実装できたのが楽しかったです。
そのときの課題を解決するのに開発したコードをOSSにコミットしたり論文化したりすることも歓迎されるような社内の環境でした。例えば、機械学習のライブラリSparkにランキングの評価指標であるRecall@kという指標を実装してコミットしました。また、item2vecというレコメンド手法をGensimというライブラリで使用するさいに、レコメンド対象のアイテムが数千万あっても即座におすすめのアイテムを取得できるように近似近傍探索のNmslibを簡単に使えるようにGensimにコミットしました。これに関してはチュートリアルも書きました。それと、シンガポールや中国、フランス出身の同僚とレコメンドの国際学会RecSysに論文を書いて発表しました。社内だけでなく外部のコミュニティにも貢献できる環境が良かったです。
Indeedの環境は本当に良くてあと数年はここで働いているだろうなと思っていました。一緒に働いてみたい人やチームがまだまだたくさんありましたので。
Ubieへの転職のきっかけ
転職のきっかけとなったのは、リクルート時代の同期と将棋バーで将棋を指しながら、彼の転職先のベンチャーについて話を聞いたことがきっかけです。そのベンチャーがUbieです。Ubieが提供するサービスは、病院の待合室で患者さんが待ち時間にタブレット上で問診に答えると、その問診内容と病気予測の結果がお医者さんに即時に連携されるというもので、医療現場の非効率なカルテ業務の解消と問診の精度の向上を目指しています。すでに東大病院など200を超える病院に導入されています。
将棋バーの後日、Ubieの共同代表や社員からさらに詳しい話を聞くと、そのサービスの可能性と社員のエモさに惹かれるようになってきました。
特に、このサービスに蓄積されていくデータを活用することで、日本やゆくゆくは世界の医療を良い方向に大きく変えていくという熱い思いに共感しまして、リクルートやIndeedで培ったスキルで貢献していきたいなと思うようになりました。
また、リクルート時代の凄腕の同期がすでに4人ほど転職していたり、共同代表の1人は同世代で大学院時代から面識があったりと何かと縁が多い会社でした。
それと、もともと医療分野には興味があって、大学院生のときにアプリケアという医療系のアプリコンテストに参加して、ありがたいことに優勝させていただき、神奈川県の自治体で作成したアプリを実験導入できないかと働きかけたこともありました。(神奈川県の知事にお会いさせて頂いたりもしたのですが、様々な事情により最終的に導入には至りませんでした。)(参考記事)
こういったことが幾重にも積み重なって、転職する決断をしました。
これから
Ubieでは、機械学習エンジニアとして、問診の質問選定や病気予測に関するデータ分析やアルゴリズム開発をしていく予定です。機械学習の社会実装に取り組んで行きます。
オフィスはコレド室町(三越前駅)近くのオフィスです。お知り合いの方は、オフィス近くに来る機会がありましたら、ランチでも行きましょう。また、どなたでもUbieに興味がありましたら、お気軽に@masa_kazamaまでご連絡ください。Ubieでは様々な職種の方を募集中です。会社情報についてはこちらのスライドにまとまっています。
また、Indeedでもエンジニアを募集中ですので、ご興味がある方がいましたら、下記の求人を御覧ください。
https://www.indeed.jobs/career/JobListTokyo
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