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休職していた部下が職場に復帰した話

こんにちは、まさ@アラフィフです。

新年あけましておめでとうございます。今年も気ままにnoteを続けようと思います。よろしくお願いします!

新年最初の記事ですが、昨年末にメンタルの問題で休職していた部下が職場に復帰した話を書きたいと思います。期間にして2ヶ月程度の休職期間でしたが、休職前に比べると見違えるように元気になって戻ってきてくれて、2022年の最後に嬉しいニュースとなりました。

この部下の休職を通じて私が感じたことや気づきについて、今回シェアしたいと思います。


睡眠の重要性を思い知らされた

今回の私の部下(以降、Aさんと書きます)の病名は「適応障害」というものでした。適応障害の症状は以下のようなものです。

ある特定の状況や出来事がその人にとってはつらく耐えがたく感じられ、気分(ゆううつ、不安感)や行動面に症状が現れるもの。

私もよく分かっていなかったんですが、いわゆる「うつ病」と「うつ状態」というのは厳密に1対1ではないんですね。なので「うつ状態」である人が必ず「うつ病」と診断される訳ではなく、今回のような「適用障害」と言われる病名で診断されることもあると言う事です。

じゃあ「うつ病」と「適応障害」の違いは何?ということですが、「うつ病」は慢性的なストレス状態にあって発病のきっかけが分からないものである一方、「適応障害」は発症のきっかけ(特定の状況や出来事)が明確で、そのその状況に心が折れてしまった状態です。

そして、この「うつ病」か「適応障害」かの違いはその後の処置にも影響します。具体的には「うつ病」は抗うつ剤などの薬が効きますが、「適応障害」は薬が効きにくいんですね。

私は今回の件でAさんが病院に行った時に、うつ病の薬(抗うつ薬や精神安定薬)が処方されるんだとばかり思っていたんですが、主治医の方の判断は「睡眠薬の処方により睡眠を安定させる」アプローチを提案されました。

Aさんは口では睡眠は出来ていると言っていましたが、突っ込んで話を聞いてみると就寝時間や睡眠時間に大きくバラつきがありました。主治医の方もそのことを把握し、まずは睡眠を安定させて心身を正常化することを考えた様です。このアプローチは的中し、Aさんの体調もどんどん回復していきました。そして、睡眠の重要性とパワーを思い知らされました。

うつ病の経験が邪魔してしまうことがあった

そして、このAさんの経過を受けて感じたことは、私が経験したうつ病の経験をAさんにも当てはめて考えていたなぁという事です。

私は入社4年目の時期に、突如電車の中でパニック障害が起こって心療内科の診察を受けたところ「うつ病」と診察されました。その後、抗うつ薬を服用し、徐々に体調がよくなる経験をしています。ただ、この経験が今回のAさんへの私の対応に少し偏見が入ってしまったのかなぁと感じています。

今回Aさんが「適応障害」になって原因は、ご家庭の問題にありました。Aさんのお母さんの体調が悪く、その対応に心理的な負荷がかかったことで体調も崩して「うつ状態」になっていきました。

私はマネージャーとして他の部下と協力してAさんの業務負荷を減らして対処しようとしましたが、そもそも体調不良の原因である「ご家庭の問題」が改善しないため、効果はありませんでした。適応障害という状態をもう少し理解出来ていれば良かったんですが、「うつ病」への対処の1つである業務負荷のコントールを一生懸命していました。

一方でメンタルヘルスの学習をしていたこともあり、早めに自社の保健師さんと連携して症状が悪化したタイミングですぐに主治医を見つけてもらえた事はよかったです。早期に対応できたことにより、休職から復帰までの期間も短く出来たんだと感じてます。

メンタルヘルスの学習がめちゃくちゃ役に立った

このように、今回のAさんへの対応においては以前にも記事にした「メンタルヘルスマネジメント検定試験」の学習がとても役にたちました。

メンタルヘルスの研修は多くの企業で実施されていると思いますが、単発的な研修なのであまり記憶に残らない印象があるかと思います。また、管理職の研修でも、事例研修や問題が発生した場合のプロセスについては説明されるものの、体系的にメンタルヘルスを学ぶカリキュラムにはなっていない気がします。どちらかと言うと、危機管理的な文脈で研修を受けるイメージでしょうか。

そういう意味で、こうしたメンタルヘルスの個別の学習を通じて、うつ病や適応障害、統合失調症などの精神疾患や心身症について症状や対処法を学ぶことで、管理職の方の部下への対応も大分やりやすくなると感じています。願わくば、管理職はみんなこの検定を受けてみて欲しいですね。

メンタルヘルスは復帰後の対応が大事です

復帰したAさんですが、いまのところ体調も良い状態です。年末年始を挟んだのでこれから本格的に業務を行いますが、向こう3ヶ月間は残業が不可です。復帰後に無理をすることは再発の原因になるので、職場としても十分に気を付けていきたいと思います。

一方で、睡眠が安定して気持ちも前向きになってきた事で、Aさんはご家族の問題も改めて考えられる様になったようです。
今回の件を通じてAさんのお母さんが住む病院や役所の方だけでなくその他の地域のソーシャルワーカーの方とも何人かつながったそうなので、そうした方と相談しながらお母さんのケアを進めたいとAさんは言っています。

私もAさんの一番近くにいる人間の一人として、検定試験で学んだ知識を持ってAさんがいい方向に行けるようにラインケアを続けたいと思います。

以上、「休職していた部下が職場に復帰した話」でした。

ここまでお読み頂きありがとうございました。それでは、また。

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