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好奇心?それとも戦略?_100日チャレンジ(55日目)


梅干し、梅シロップに含まれる成分は、体にいいことを紹介しました。
ところが、青梅は生で食べることは危険です。青梅には「アミグダリン」という物質が含まれています。アミグダリンを口にすると、体内で分解されて毒物である「青酸」を発生させ、おう吐、呼吸困難、めまいなどを引き起こします。

梅、桃、杏子の種子に多く含まれるアミグダリンですが、種を保存していくための戦略です。果実が成長し、種子が固くなるまでは、鳥、動物に食べられないように毒性を持っています。
果実の成熟、梅干し、青梅シロップにすることで、毒性は分解されるため安心して食べてください。

人間が1口かじったくらいでは、毒性はそれほど問題ありません。
ところが、江戸の末期ごろに大量の青梅をすりおろした果汁を煮詰めエキスにすると、腹痛に効く、滋養にいいことが発見されました。
黒くドロッとした梅エキスは、「酢ーーーーーっぱい!」のですが、梅干しと同じように、梅仕事の1つとして作ることができます。

毒性のある植物は他にもあります。フキは塩ゆで、山菜は重曹を使ってアク抜きすることで、美味しく食べることができます。

人間は知恵をはたらかせて、工夫することで、食べられるものを増やしてきました。危険をかえりみず最初の一口を試みた人のお陰で、私たちは安心して食べることができるのですね。

それにしても、毒性のあるものまで食べようとするのは、生存戦略なのか、単なる好奇心か、グルメを追い求めた結果なのか・・・・
言葉を使い、感情を動かし、知恵を働かせる人間は、不思議な生き物だなと考えてしまいます。

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