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推測の枠組みを決める

発達障害の特性を持った方たちが生きづらくなる一つの要因として『認知の偏り』というのがあります。『SCIT』という『社会認知と人間関係』のプログラムで学んだ中では【結論の飛躍】と説明されていました。例えば、勤務先でカバンに入れていたはずの財布がないことに気づいたという場面を想定します。この時に推測できるのこととして『家に忘れてきたかな?』『どこかで落としてきたかなぁ』などがあると思います。しかし、推測の傾向や結論の飛躍によって『誰かに盗られた』という推測がたち、そのまま誰かに盗られたと信じ込んでしまうのです。確認すべきことがあるにもかかわらず自分の一つの推測を信じ込んで疑わないのです。もしかしたら、家に忘れてきていて自分のミスかもしれないのに、そんなことを思う余地もなく誰かに盗られたと思ってしまうのです。
『結論の飛躍』が起こらないようにするためにも物事を様々な視点で見たり考える訓練が大切です。様々な視点で考えたり他者の視点に触れることで、少しずつ柔軟性が身につけられるのではないでしょうか?また、他者の視点に触れることは自分の現在位置に知ることにつながり自己理解を促進してくれると感じています。

別の視点や価値観というのは抽象的です。この見えない抽象的な概念をキャッチするのが苦手な人が多くいます。
今回の学びで『なるほど』と思ったことが、枠組みについてです。上記の文章で推測の傾向について触れました。この推測の傾向に枠組みをします。この時は3パターンに枠組みされていました。①自己要因②他者要因③状況要因です。財布のエピソードで例えます。
①『昨日は違う鞄を使っていたから財布を家に忘れてきたかも』と考える
②『誰かが盗んだんじゃないか?』と考える
③『朝から会議あったから慌てて忘れてしまったんだ』と考える
このように3パターンにの推測が出てきました。まずは、自分の傾向を知ることが大切です。その上でそれ以外の2つのパターンについて考えて多面的なものの見方を訓練することが大切です。そうすると不必要なイライラや不安などが軽減されます。
振り返りを行う時に事前に枠組みを設定して共通理解しておくことで振り返りがしやすくなります。
特に発達障害の特性を持った方には有効です。

私も通級指導の中で実践していきたいと思います。

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