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小グループでの通級指導を行う意味

通級指導の多くは担当者と児童生徒が1対1で行う個別指導です。しかし、児童生徒それぞれの相性やニーズによっては小グループ(2〜3人程度)で通級指導を行うことがあります。
この小グループで行う意味や効果について考えたいと思います。

  1. 同年代との交流が楽しいと感じられる
    友人を作るという目標にするとハードルが高くなりますし、相手のあることなので縁の問題もあります。まずは、グループでの活動が楽しめるような枠組みづくりが大切です。
    例えば、ゲームを通じた活動も大切です。

  2. 守られた枠組みの中で友人との交流ができる
    大人がいる環境下で友人との交流を楽しめたり、時には摩擦が起きたことによる葛藤を体験することで成長が期待できます。

  3. 友人との葛藤により成長できる
    友人との関係を継続していく上で大切なポイントがあります。
    ①ルールを守れる
    ②自己主張ができる
    ③柔軟性がある(ルールを緩ることがで 
     きるなど)
    以上3点のどれかに困難さがあると友人のとの関わりに苦手さが出てきます。また、周りからも受け入れられづらくなることもあるかもしれません。

アイデンティティ確立の場となる

様々な他者との関わりにより多様な価値観に触れることでアイデンティティ確立につながります。『自分は自分』という風に自分が何者であるのか?自分を頼れる自分になる。というのは大人になっていく過程でとても大切です。例えば、スポーツをしている時に他者と比べて自分のレベルを測ることがあると思います。『あいつのドリブルには敵わないが、ディフェンス力だったら自分の方が上だ』という風に他者との比較によって自分の現在地を確認することができます。比較するもの対象がなければ自分の強みや弱みには気づけないように他者との関わりから『自分とは何者であるのか?』を確立していくことが大切です。自己理解が深まれば自分に適した環境の選択が可能になります。高校生と関わる中で自己理解が進んでいないために、自分の進むべき道筋を見誤ることも少なくありません。

さいごに

小グループで活動することで様々なメリットがあります。同年代の同じように課題を抱えた子供達のグループですので、メリットだけではありません。他者視点のなさから悪気なく相手を気づける発言が出てしまうなど気をつけておく必要があります。しかし、リスクとメリットはある程度比例していると感じます。大きな失敗体験にならないようなリスクの取り方をした上で場の設定をしていくことが効果を高めることにもつながると感じています。

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