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『私の特別な朝食』

 私はコメダ珈琲のモーニングが好きだ。朝7時から開店しているのも魅力の一つ。

 出張先での朝のルーティンは、当日の仕事の予習をすることと、一日の段取りを頭の中でイメージすること。そして最後に心の中で「今日も実りのある一日になりますように。自分に関わるすべての人にとって価値ある一日となりますように」と唱えてから、仕事場へと向かう。

 こんな具合に朝の時間を大切にしたいタイプなので、落ち着いてこのルーティンができる場所を選ぶようにしている。

 もう30年前になるが、私はかつて名古屋に勤務していたことがあった。名古屋は言わずと知れた喫茶店の激戦区で、特にモーニングサービスは、コーヒーに、トーストやゆで卵、サラダにスープが付く店もある。喫茶店の文化が日常に根付いている街でもある。

 そんな中で、当時から異才を放ち、郊外への出店を進めてきたのがコメダ珈琲。駐車場が広くて入りやすくモダンな店構に当時からファンも多かった。

 私もその1人で、休みの日は朝からコメダ珈琲のモーニングを目当てに車を走らせた。

 モーニングは、コーヒーを注文すると厚切りのパンが付いてくる。さらにサイドメニューとして、ゆで卵、たまごペースト、おぐらあんの中から1つ、パンに付けるソースも3種類から選べてお得なのだ。出張先のホテルの近くにコメダ珈琲があれば、私の朝食はここに決まる。

 私の一押しはハムサンド。ふわっふわでしっとりとしたパンに、ハムとシャキシャキのレタスがサンドされている。ほど良い辛さのからしマヨネーズがたっぷり塗られた山食パンを、4つ切りにしたサイズもお得感があっていい。

 私はこのハムサンドにコメダブレンドを注文し、モーニングサービスのゆで卵を付けてもらう。これが私のコメダでのモーニングスタイルだ。

 食事を一通り食べ終えて、珈琲をゆっくりと味わいながら、その日の予習とイメージトレーニングを行う。店内は隣のテーブルとの間隔も広く、落ちついた木目調で、ゆったりとしたBGMが流れている。

 パソコンを閉じて目をつぶり、ゆっくりと流れる豊かな時間に浸る。なんともいえぬ贅沢な時間。

 コメダ珈琲は、1968年に名古屋市西区に1号店をオープンし、躍進を続けて業界2位にまで上り詰めた。フランチャイズが95%を占める。オーナーは、元々この店の熱烈なファンだった方が多く、その結束はとても固い。コロナ禍でも業績を伸ばし続けた理由も納得できる。オーナー自ら好きなことを商売にしているのだから怖いものはない。

 コメダ珈琲の経営理念は

『私たちは「コーヒーを大切にする心から」を通してお客様に「くつろぐ、いちばんいいところ」を提供します』

 まさに、この言葉を体現している誇り高きコーヒーチェーンがコメダ珈琲なのである。

 通い始めて30年。いつも変わらぬ味と落ち着く雰囲気には感謝しかない。

 今日も仕事場へ向かうパワーをもらいました。ありがとうございます。これからも末永く頼みます。
 
 都城のコメダ珈琲店にて。

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