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それは決定的な得点の機会の阻止と言えるのかを「DOGSOボード」で考える

はじめに

皆さんこんにちは。いえぽんです。

今シーズンのJリーグでは、前節に続き今節(J1第3節)もDOGSO案件が発生して、皆さんモヤモヤしている様子なので、急遽noteすることにしました。

本題に入る前に、まずはこれまでみなさんには「判断ボード」と「判定プロセス」という2つの話をしました。

少しはお役に立っているでしょうか。

まだ見ていない方はそちら(上の2つの下線部をクリックすると飛びます)も見逃さずに見てくださいね。

前置きはこれくらいにして、今回は「決定的な得点の機会の阻止」、いわゆる "DOGSO" かどうかを判断するときの話をしようと思います。

みなさん、DOGSOの4要件、覚えてますか?

・反則とゴールとの距離
・全体的なプレーの方向
・ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性
・守備側競技者の位置と数

でしたね。

多くの方がお分かりいただいていると思いますが、「DOGSOで退場なのか」「その接触は反則なのか」と同様にそのとき起きた事象の状況や状態によって決まりますが、DOGSO判断の場合は事象の程度(力加減やダメージ)や意図は考慮されません。

言い換えれば、"軽く" 押し倒しただけ、あるいは "意図はなかった" ものの結果的に相手をひっかけたようなものであったとしても、"4条件を満たせば退場" になるということです。

一発退場は選手にとって、チームにとって、試合にとって、応援している方にとって、とも大きなインパクトがあるので、できるだけ疑いのない、あるいはできるだけたくさんの人が「これは仕方ない」と思うようなものだけに与えられることが望ましいです。

審判界には "退場はクリスタルクリアなものだけ" という表現があるくらい、疑う余地のないものにはしっかりレッドカードを示そう、議論の余地があるような疑わしいものにまで積極的にレッドカードを出すことは "極力控えよう" という考え方があります。

とはいえ、結局は "人間が判断する" ことなので、現場の審判(ルールの専門家)たちは「間違いなく退場だ!」と判断しても、選手や会場にいるファン・サポーターからすると「いやいや、それは違うでしょ」というものもあるでしょうし、中継映像を見ている方からすると「それは厳しいよ」というものもあります。

フットボールは試合中の判断や最終決定を "主審にゆだねている" ので、主審とその判定を尊重するものの、「実際DOGSOは妥当だったの?」に関しては冷静かつ丁寧に4項目を検証する必要があります。

今回はDOGSOかどうかを検証するために、新たに「DOGSOボード」を作りました。

これを使って皆さんと "決定的な得点の機会の阻止" について考えてみようと思います。

その事象は "DOGSO" といえるかどうか判断する

DOGSOかどうかを判断するには "2つの観点" からその事象を検証する必要があります。
それは「A.その事象は反則に値すると言えるかどうか?」と「B.それを反則と判断する場合はその事象がDOGSOの4要件にどれくらい当てはまっているのか?」というものです。

それでは具体的に見ていきますね。

A.その事象は反則に値すると言えるかどうか?

まずは "何かしらの事象" がペナルティエリア付近であったとします。

その事象が「反則に値すると言えるかどうか」は次の4つをもとに判断します。

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