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「続けるモノガタリ」マガジン

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幼い頃に読んでもらった大切な「ストーリー」 ゲームで無いてしまった「ストーリー」 自分の恋愛をリンクしてしまい思わず泣いた「ストーリー」 誰かと共有したい、伝えたい大切な「ストー…
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続けるモノガタリ⑩

続けるモノガタリ⑩

ボクは部屋を飛び出し、外の空気を深く吸い込んだ。身を乗り出し、まだ見ぬ冒険の地へと向かう覚悟を胸に秘めていた。

道端にあった古びた地図を手に取り、謎めいたる場所への興味が募る。その地図に書かれた奇妙なマークが、まるで今まで読んできた冒険小説の中から飛び出してきたようだった。

「これが僕の次の冒険の始まりなのかもしれない」

ボクは地図を握りしめて、足早に道を進んだ。風が心地よく、太陽が温かい光

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続けるモノガタリ⑨

続けるモノガタリ⑨

ボクはまた真っ白な部屋でひとりになってしまった。ベッドに座り、本を閉じる。

そういえば……ボクは昔から本を読むのが好きだったことを思い出した。
冒険小説、恋愛小説、歴史の本、偉人たちの伝記、聖書や童話、絵本も読んだ。

それらのモノガタリ達とボクの記憶。
何か繋がりがあるんだろうか?

「よし」

ボクは少し息を吐いて、ベッドから立ち上がった。目を閉じる。
本に手をかけ、思いのままにページをめく

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続けるモノガタリ⑧

続けるモノガタリ⑧

誰かの声が聞こえる。

「ぼんやりしていましたが、何か視えました?」
緑の瞳の女、緑目さんがボクの顔をじっと見つめている。
「あちら側に突然行かれたので焦りました。
ちゃんと、この本で準備してから向かって下さらないと…。」
そう言って、どこから出したのか彼女の手には一冊の分厚い本があった。
「これは、あなただけが読める本です。そこに、何か文字が見えますか?うまくいけば記憶を呼び覚ますことができるか

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続けるモノガタリ⑦

続けるモノガタリ⑦

黒い液体が入っている瓶を持ったメイド服の少女を見ていると、どこかで会った事がある様な気がした。

でもハッキリとは思い出せない。

「僕たちどこかで会った事ありますか?」

そう言うと、さらに不機嫌になり

「私にした事、何も覚えてないんですね」



何をしたのかさっぱりわからない。

隣の緑の瞳の女性がそっと口を開いた。

「ここは貴方の記憶の中、今まで会った人、行った場所、起こったこと、見

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続けるモノガタリ⑥

続けるモノガタリ⑥

いつの間にか、考える間もなくモノガタリが進んでいる事に気付きボクは不安になっていた。

ボクは真っ白い部屋にいて
黒い液体を飲んだ途端
薄暗い荒野に居た

カンダタの様なモノと
ウナギ人間の様なくくり付けられたモノ
少女の様なモノ
そして、ボクは何故かエセ関西弁に
なってしまっていたモノ

怖くなったボクは空を飛んでいた。
そう確かにボクは飛んでいた。
隣に緑の目の光る女も飛んでいた。

緑の光る

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続けるモノガタリ⑤

続けるモノガタリ⑤

黒い物を飲んだ。
飲まなくてはいけない。
そんな気がした。

しかし飲んだ瞬間の記憶がない。

どうやら飲んだ、
そして僕は薄暗い荒野に立っていた。

あてもなくとりあえず歩いていると
遠くで円盤上のものが見えた。

(なんだ…?)

近づくと、立てられた円盤に頭部がウサギ、体は人間のウサギ人間がくくりつけられている。

その横にはカンダタみたいな男が立っていて
円盤の上には何やらパネル?があり、

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続けるモノガタリ④

続けるモノガタリ④

「この黒いものは何ですか?」

女性に尋ねると、

「これは貴方の失った記憶です」

と、どこか悲しげな表情をして見つめている。

続けるモノガタリ③

続けるモノガタリ③

記憶を取り戻す...
ということは、ボクは何かを原因として記憶を無くしてしまっているということか。
物語を紡ぐ能力とは?
謎だらけだ。どれくらいの時間が経過しているのかも分からない。
「ううっ、酷い頭痛だ。喉も乾いた...」
とっさに口から言葉が出た。
何か頭痛薬、それと水が欲しいな。辺りを見回すと木製の四角いウォールナットで出来た机の上に透明なグラスに入った液体が目に入った。
「これは、水?」

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続けるモノガタリ②

続けるモノガタリ②

不思議な雰囲気の女の人だ。

静かに部屋の中央に立ち、深い緑色の瞳でボクを見つめている。彼女のメガネは、薄い光を反射していて、身体の周りにはほのかな光のオーラが見える。

「光っている…?」

彼女はゆっくりと口を開き、
「記憶があやふやな以外、身体に違和感はありませんか?あなたは特別な人です。ここにいる理由は、あなたが持つ力を理解しコントロールするためです」と語り始めた。

ボクは驚き、自分にど

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続けるモノガタリ①

続けるモノガタリ①

コレは続けるモノガタリ
長くても短くても、どんな文体でも
あるいは、絵や曲、音声でも
続ける事が大事なんだと

どこからか声が聞こえてきて
ボクは目覚めた。

え、、、と
あれ?ボクは一体誰だ??
日本語は理解出来る
頭の中で反芻する言葉は日本語だ。
となると
ここは日本、、、真っ白い部屋の中に
ベッドが1つ
どうやら、そこで僕は目を覚ました

戸惑いしか今のところない僕の元に
ガチャリと鍵を開け

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