続けるモノガタリ⑦
黒い液体が入っている瓶を持ったメイド服の少女を見ていると、どこかで会った事がある様な気がした。
でもハッキリとは思い出せない。
「僕たちどこかで会った事ありますか?」
そう言うと、さらに不機嫌になり
「私にした事、何も覚えてないんですね」
?
何をしたのかさっぱりわからない。
隣の緑の瞳の女性がそっと口を開いた。
「ここは貴方の記憶の中、今まで会った人、行った場所、起こったこと、見た映画、聞いた音楽、読んだ本、遊んだゲーム…色んな記憶があるの。それが全部ぐちゃぐちゃになってる状態ね」
なるほど、だから訳もわからない事が次々に起こるのか…。
「どうすれば記憶がちゃんと戻るんですか?」
と女性に尋ねると
「あなたが物語を紡ぐ力をちゃんとコントロールできるようになれば、この記憶は次第に貴方の中に戻っていきます」
女性は黒い液体を見て言いました。
「それを飲めば、また現実に戻れます。」
この謎の空間から一刻も早く出たい僕は、その黒い液体を飲んだ。
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