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肉を焼く 旅するバンドマン的 roast beef

焼きましょう、肉を。そして食べましょう。
肉は赤身が良いです。赤身肉をガシガシ噛み味わうことこそ、人の喜びです。サシなんて要りません。脂はあくまで脂であって肉ではない。日本の食事は柔らかく喉越し重視で、噛むことの喜びを体感しにくいのです。赤身肉は消化にも良い。本当です。多分。知らんけど。

よし、今日は牛肉を焼くぞ。

【材料(2人前)】
・牛肉(赤身ブロック)... 500〜800g ランプでもモモでもヒレでも
・塩... 岩塩がのぞましい 適量
・お好きなハーブ類... ローズマリー、オレガノあたり 適量
・黒胡椒
・にんにく...1,2片
・オリーブオイル or バター
【手順】
①肉塊を常温にするため室温でしばらく放置(重要)
②岩塩、黒胡椒、ハーブなどを肉の表面に刷り込み15分ほど放置
③フライパンにオリーブ油オリーブ油かバターをひき刻みorスライスにんにくを入れ香りを出す
④強火で肉の表面を満遍なく焼く(にんにくは焦げそうなら取り出してok)
⑤100度に熱したオーブンで60分焼く
⑥取り出した肉をラップでぐるぐる巻きにして20分以上放置(ゆっくり火が通ります)
⑦好みの厚さに切って食べる

表面さえしっかり焼いておけばレアでも食中毒の危険性はほぼゼロだと思うので、焼き加減は各々研究してください。オーブンに入れておく長さよりも取り出してからの予熱放置がキモな気がする。俺はウェルダンが食べたいときは発泡スチロールなど保温性の高い箱に1時間くらい入れておきます。その際、肉汁が滲み出てくるので受け皿を引くことを忘れずに(肉汁や油はドレッシングやソースに流用したら良いですよ)

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刻んだ野菜やオリーブなんかを付けあわせても美味しい。

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なお、オーブン調理や予熱調理の間に以下のように何らかのエクサザイズをしておくと肉の旨味は最高潮に高まる。調味料としての筋トレ、オススメです。

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自宅での料理は圧倒的に魚が多いけれど、やはり時に無性に肉を喰みたくなるのが人間。また疲労の回復や身体に気合を入れたい時も赤身肉。去年など我慢しきらず、ツアー中のニューヨーク、バンドで借りたハーレムのアパートでも肉を焼いたのはいい思い出。写真は箏/Vo.の森川(寝起き)。

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NYCでのライブはワシントンD.C.→フィラデルフィアのフェスティバル出演が決まったので「大都会に行ってみたい!」的なおのぼりさん思考で小さなハコ...ライブハウス的な場所でのギグを頑張ってねじ込んでみたのですが、やってみてよかったな。お金にはならなんだけども苦笑、色々な知見が得られました。日本の戦後の音楽史は良くも悪くもやっぱりアメリカへの憧れと追従が元になっていますからね。政治も経済も軍事も、世界はアメリカ中心に回る。音楽表現の権威も価値観もどうしてもそこを中心に設定される。それでいいのか?てのが俺がバンドやってる大きなテーマの一つだからね。

しかし「ライブハウス」てものが日本で土着化されて30年強、てとこだろうか。基本的に日本のライブハウスの仕組みは俺がバンド活動始めた2000年前後からは...

JAPAN
<集客>出演者自身の広報とアーティスト自体に付いているお客が主。ハコに付いているお客さんはほぼいない。
<時間>リハ時間込みで半日〜一日仕事
<収益>東京はチケット売上の大半(50%以上)をお店に支払う場合が多い。飲食での売上からのバックは出演者には無い。
<その他特殊事情>"チケットノルマ"や"機材使用費"というハコ側の収益保障を出演者側が負う場合も多々観測される。

こんな感じで、実質的にほぼ「貸しホール」的な営業をしている場所が多いように思う。出演者側からすると非常にリスクの高い運営形態だと思う。これに比べて

USA
<集客>生演奏している場所で騒ぎ飲みに行く文化があるので、特定の出演者への執着に依らず、ハコ自体にお客さんが付いていることが多い。
<時間>次々と出演者がやってくるので、出番の10分前に来てざっとサウンドチェックをして演奏したらさっさと帰る。
<収益>ハコと契約ある場合は固定出演ギャラ。そうで無い場合は演奏中のチップ。出演時間中の飲食売上の10%程度をアーティストにバック。

アメリカのハコのシステムは俺がDC→NYCのいくつかの小さな生演奏がある飲食店に行ってみての観測でしかないが、欧州各地のツアーのついでにライブハウスやクラブを冷やかした経験からもアメリカだけでなく西欧は概ねこんな感じなのかな、と思っている。やっぱり文化的に本場、というか、日本に比べるとだいぶフェアな感じがする。「現場」があるな、という感じですね。日本でも数は少ないけどこの"本場"寄りのシステムで運営しているハコはあって、俺は自身のバンドではやっぱりそういうハコを中心に出演している傾向が強いなあ。
 向こうでミュージシャンをやって生活している日本人の友人にも会って話を聞いたが、学生のパーティ、またいわゆる「ブラックミュージック」などの演奏は教会のゴスペル演奏などの現場で、ゆるい組合的に仕事を回しあう現場があるようだった。裾野ってこういうことなのね、と思った。

そういえば石丸元章さんの『危ない平成史』の第一回で日本のレコード黎明期に付いて触れられていて...

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過去のデータから、そもそも日本の実のある録音物のマーケットの上限値は良くて30万程度だろう、という話。そしてその不足分を埋めるためにレコード会社が西洋クラシックなどのレコードを「教養」として法的にスレスレの訪問販売して糊口をしのいでいたような話が出てくる。(そういえば俺の実家にも一度も聴かれることのないクラシックLPのセットがステレオの脇に鎮座ましましていたな...)

端的に行って、「アメリカ並み」を目指して来た戦後日本のあらゆる産業の中で、音楽業界はその型を真似て成立させるためにかなり歪んだムリヤリの努力を重ねて来たのだろうな。レコード産業だけでなく、ライブハウスみたいな場所も。それでも最終的に、「キャラクター」や「共感」を最重要視する芸能の先祖返りが起きているのが日本の昨今て感じなのかと思う。日本のレコード初めは役者や芸者が歌を吹き込むところからだものね。良し悪しでなくて地域文化の個性。ただ、それを矯正しようとしてねじれちゃってはいるんだろうな。もちろんそれが魅力になることもあるだろうけど。

俺はベーシストなのでライブハウス的なシステムよりも、過去の「ダンスホール」とか「キャバレー」とかでのミュージシャンの在り方に憧れる部分はありますね。まあ、いずれも今ではほぼ廃れてしまった産業なので、俺はこういう本とか↓

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超大先輩ミュージシャンの話を聞いて想像するしかないんですけどね。今後、我々の演奏現場はどうなって行くのだろうか。

...せっかくなので最後にNYCのお役立ちバンドマン情報を。
ワシントン・スクエアのの近くにMUSIC INNというマニアックな楽器屋があります。

ヒッピー世代の仙人のような店主が各地から民族楽器など蒐集しております。日本の箏(琴)もズラッと並んでいて、ウチの箏曲家、森川曰く「古くてほころびてるけど結構いい楽器が置いてある!」とのこと。

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店主はインド音楽も結構しっかり学んだ方みたいで、非常によくできたカブトガニ型のエレキシタールを自作して売っていた。ウチのviolin/sitar奏者のGoAraiと話も弾み、彼は買って帰りました。この楽器↓

マンハッタン南部を訪れる予定のある人は立ち寄ってみると面白いんじゃないでしょうか!

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あとは、飛行機の荷物制限と闘う中小企業的ベーシストのみなさん!上写真のTrace ElliotのELFはこの手帳サイズで200w!D.I.out付。トレースっぽい粉っぽさは若干ありますがパワフルなローエンドもしっかり出してくれる優れもの。たったの730g!ACアダプタ無し!ツアー先への携帯&サウンドの安定には超便利だよ!!普段のライブハウス使いでもいいよね。

肉からだいぶ脱線したな。しかしまあ、なんだかんだ言いつつも、アメリカはとにかくデカくて強いので、もっと若いうちに行って色々やっておけば良かったな〜と思いました。

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