丸若 裕俊(EN TEA/GEN GEN AN幻/MABOROSHI)

『undoing』。 「何かをしなければ」に追われる日々の中。無意識に繰り返し行ってい…

丸若 裕俊(EN TEA/GEN GEN AN幻/MABOROSHI)

『undoing』。 「何かをしなければ」に追われる日々の中。無意識に繰り返し行っていること、思いを呼吸をする様な気持ちで、書き留める"私的備忘録"。

最近の記事

拝啓 Myヒーロー。

最近気になる職業というか、生き方がある。 それは「指揮者」である。 その存在はなんというか、一つの ”象徴” だと感じる。人と人とが結びつき、非言語の中で生み出す時間、その中心にいる指揮者。 音楽の知識は全くなく、もっぱら楽しく聴かせてもらう専門だが、この指揮者という存在は、モノやコトが生まれるそのプロセスに共通する要素を、大変シンプルに、しかも、直接的な体験として認識させてくれる。 モノやコトが生まれるまでには、色々なプロセスがある。何百年も変わらないこともあれば、秒

    • 書くモノ

      noteをはじめて、「書く」という時間に向き合う感覚を、手探りで思い起こしている。 お茶を、特に自分の場合は焙じ茶を啜りながら、昔の事に思いを巡らせると、その解像度が上がるのだが、「書く」という記憶を辿ってみたら、その最初の記憶が鮮明に蘇ってきた。 小学校に入り、それまでの奔放な毎日から、皆と歩調を合わせる日々がスタートしたが、相変わらず、自分視点全開で過ごしていた。 学校までは、大人ならば15分の道のりのはずが、自分は平均1-1.5時間。まるで毎日が一人旅気分。木の実や

      • 茶占い

        毎朝、最初の思考は緑茶にしようか、焙じ茶にしようかで始まる。そこに、元々は全く飲めなかったコーヒーが加わった。 知人の研究者が言っていた「起きた時と、寝る前が幸せならば一日が幸せということだよ」という言葉には大賛成である。 何せその選択によって、無意識だがそれぞれによって一日の心持ちというと大袈裟だが、何となくの方向性が定まる感覚がある。 それぞれの方向性を決め、その上でどの茶葉にするか、いつもの物にしようか、それとも今日は開発段階のものにしようか?それとも気になる頂き

        • 茶香炉のご縁

          前回はパリと香りのお話しをさせて頂いたが、今回はお江戸の緩やかで温かな縁のお話しを。 GEN GEN AN幻をスタートさせる時に、どうしても店に置きたかったものがあった。 それは、オリジナルの「茶香炉」と「ガチャガチャ」である。 事業をスタートする時に、皆さんなら先ず、そんなものは置かないと言われるだろうが、何となく置かなければならないという変な使命感が湧いて、そこは仲間達にも容認してもらった。 結果的に、それが今の色々な取り組みには欠かせない、お茶と香りという二つの要

          おパリな香り

          コロナ禍で移動の機会は極端に減ったが、それでも多くの人に比べたら頻度は多い。 その為、都内や旅先でもほとんど決まった場所で決まった人と過ごし、移動にも気を配る日々で、気が滅入る時もあるが、そんな時にお茶と香りの存在に救われ、我ながら便利なものに目をつけたなと思うのである。 今、SNSのコミュニケーションをシンプルにし、新たにこうした形で自分の足跡を残そうと思った理由の一つに、どうも周りの人の目には自分の行動が多岐に渡っているように映り、良くも悪くも”軽やか”に見られてしまう

          住めばミヤコ?

          2020年、コロナ禍の混沌が東京の街を包んでいた初秋に引越しをした。
とはいえ、以前の家から徒歩でも15分掛からないところであったが、全てのモノの見方が一変する出来事だった。 信頼と憧れを抱かずにはいられない、デザイナーの方からの誘い。 初めて訪れた時に感じた、長らく人の呼吸がなかった気配が明らかなその空間。多分、ほどんどの人が見たら「住む」という言葉よりも、どう「取り壊すか」という言葉が思い浮かぶであろう。 下町に残る木造の町屋は、ほとんどその当時の姿を残していて、都会

          立ち止まるコト

          EN TEA、GEN GEN AN幻がスタートして5年が経った。 自分の中にある最高のお茶の姿を追い求めて、開発チームと一緒に気付いたら今。 まだまだ思い返す時期では無いが、今の自分が考えている事を残していくのには良い時期である気がして、いつも通り何となくで、この”備忘録”を書く事にした。 元来、飽きやすく、しかも文章を書くことが極度に苦手な自分がどこまで続けられるか分からないが、楽しいと思える間は続けるつもりだ。 飽き性の自分が、何でお茶に対しては異常な興味と、絶える