転んでもタダでは起きない
私は失敗ばかりしている。
もちろん、失敗は嫌いだ。
当然、悔しい。
だから、失敗したとしても絶対にタダでは起き上がらないようにしている。
今回はこの「せめてもの抗い」について書き綴っていく。
開発の失敗
商品やサービスの開発の場合、失敗は分かりやすい。
失敗したら、試行錯誤の上、改善を進めていく。
時には「改悪」してしまうこともある。
この改悪こそ「良いモノとは?」という正解の無い問いに答えるものだと思う。
改悪を知ることで、より確実性の高い改善へ近づく。
よく「セールスポイント」を強調することが重要だと言う人がいる。
強みを生かして、ピンポイント推しで販売する戦略が推奨される。
たしかに、それも良いと思う。
しかし、私は商品やサービスは「悪いところがない」ことの方が重要だと思っている。
商品やサービスを長く使ってもらうには「よく考えられているな」と感じてもらうことが重要だ。
細かいところまで配慮が行き届いたものは、長く付き合うほど、その素晴らしさが分かる。
そして、この「配慮」の正体は「失敗」や「改悪」の結果が集約されたものだと思う。
営業の失敗
営業が上手く行かない時。
営業活動のやり方自体が間違っているとは限らない。
営業担当は「売れる商品」をつくることも仕事の内だ。
私の会社では、顧客から可能な限り教えてもらうようにしていることがある。
一つ目は「なぜ買ってくれたのか?」というもの。
これにより、どんなポイントが顧客の心に刺さったのかを知ることができる。
必ず聞くようにルール化すると、かなりの情報が集まる。
それが意図した狙い通りかは、分からない。
しかし、これを開発にフィードバックする必要がある。
もう一つは、買ってもらえなかった時。
「仮に、どこをどう改善したら買ってもらえますか?」というもの。
私の経験上、3人に1人くらいは、真面目な返答をくれる。
これこそが、最高の情報だ。
既知の問題、未知の問題、その他にも多くの要望が集まって来る。
私は、これを営業代行会社の経営者から教わった。
転んでもタダでは起きないというスピリットは、営業にこそ最も必要となるのかもしれない。
広告の失敗
客観的に考えて、商品やサービスは悪くない。
それでも、広告に効果が出ないのは、失敗が足りないからだ。
こと広告に関しては、大量の失敗が必要になる。
むしろ失敗をすることを前提で広告を打つ必要がある。
広告活動のコツは、ABテスト。
これに尽きる。
ABテストが何かが分からない人は、ぜひ検索して調べて欲しい。
ABテストにも、コツがある。
ユーザーの反応が数値化されるネット広告と相性が良い。
ここで広告成果の進退を繰り返す。
たくさん失敗すれば良い。
失敗した経験は、ネット広告以外にも活用できる。
ネット広告は、ABテスト用だと割り切って失敗するのも悪くない。
事業の失敗
新しくはじめた事業が失敗した時。
強烈な悔しさを感じると思う。
しかし、そこから学ぶことは多い。
・事業アイデア
・時代背景
・商品開発
・営業
・広告
・人事
・情熱
他にも、分析すべき失敗要因は、大量にある。
情報の宝庫と言っても良い。
――― 転んだ後、タダで起き上がってはダメだ。
懲りずに、また新しいことをやれば良い。
次はきっと、もっと、上手くやれるはず。
また、蓄積された失敗の経験は、あらゆるタイミングで自分を助けてくれる。
「せめてもの抗い」さえ、忘れなければ。
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