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コンサルタントの違和感

今の時代、コンサルタントを名乗る人で溢れ返っている。
正直、こんなに必要なわけがない。
おそらく、殆どのコンサルタントは自称しているだけで、顧客はゼロというのが実情だろう。
今回は、コンサルタントという職業について書き綴っていく。


アドバイザー ≠ コンサルタント

軽くて浅い意見を添えることがコンサルティングだと思っている人がいる。
こういった人のコンサルを受けた人は、口を揃えてこう言う。
「何の意味も無かった」

コンサルタントは、アドバイザーではない。
私の経験上、アドバイスだけで問題を解決できることは稀だ。
だから、アドバイザーのようなコンサルタントは「意味が無い」と言われる。

私は、コンサルタントは「実働」をするべきだと思っている。

1.現場へ赴き、問題を目で見る
2.顧問先の会社の業務をしっかりと分析する
3.顧問先の会社で働く人をしっかりと観察する
4.現実的な手法での改善案を検討する
5.改善案の導入をサポートする
6.改善結果を確認する

これが本来のコンサルタントの仕事の1クールなのではないか?
しかし、アドバイザーコンサルは、1,2,3を無視する。
改善案が非現実的な場合も多い。
5,6まで無視することもある。
これでは極めて無責任だ。

これでは「意味が無い」と言われても仕方ない。

アナリスト ≠ コンサルタント

レポートの殆どを何かしらの調査結果が占める重い資料を作成するコンサルタントがいる。
中には、重い資料の中の「改善案」は数ページというケースがある。
これでは、コンサルタントではなく、アナリストだ。

本来、調査結果は「おまけ」に過ぎない。
調査結果がメインで改善案がおまけ程度。
そんなコンサルタントは意外と多い。

調査結果は、コンサルタントの武器だ。
しかし、その武器だけでは、顧客は戦えない。
顧客は、具体的に戦える作戦を望んでいるのだ。

情報販売 ≠ コンサルタント

どの顧問先でも「決まったパターン」を当てはめるコンサルタントがいる。
これでは、ただの情報販売だ。

王道はセオリーであって、必勝ではない。
セオリーだけで解決できる問題なら、とっくの昔にやっている。

こういったコンサルタントは、「現場の現実」と「現場の人の気持ち」を理解しないことが多い。
いつも仕事は机の上で解決。

――― 事件は会議室で起きているわけではないのだよ。

経営のプロ ≠ 経営コンサルタント

経営コンサルタントが経営のプロだとは限らない。
経営者の気持ちが分かるとは限らない。
ましてや、顧問先の業界のプロであるとは限らない。
そういう前提で仕事を依頼すべきなのが「経営コンサルタント」と名乗る人だ。

そもそも「経営」とは、幅広い業務の全体を指す。
私は、会社経営の全体を全てカバーするコンサルタントを見たことがない。

漠然と「経営を良くしたい」という経営者が、得意分野も定かではない「経営コンサルタント」へ仕事を依頼する。
これでは、ただの大博打プロジェクトだ。

経営者は明確な目標を持ち、改善したいポイントをある程度絞るべきだ。
逆に、経営コンサルタントは、自分の専門分野を明確に示すべきだ。
その両者が揃って、はじめて勝算が生まれる。

全てのプロは何かのコンサル

私は、コンサルタントという仕事を請けていない。
そもそも、全てのプロはコンサルタントでもあるべきだと思っている。

プロが仕事をする時、客はその分野のプロではない。
依頼された仕事に応じて、適宜コンサルティングを行い、素人を目的の達成まで連れていく。
そう考えると、全てのプロはコンサルタントでもあるということになる。

常に良い仕事を受注して、多くの利益を出す会社がいる。
そんな会社の仕事ぶりは、コンサルティング的な業務の比率が高い。
顧客は何がベストか分かっていないことが多い。
それをベストに導くことがプロの仕事なら、コンサルティングは必然だ。
コンサルティングは、コンサルタントの専売特許ではない。

逆に、汎用的な経営のコンサルティングを専門とする人は、自分の専門外の分野の会社に対して、コンサルティングを行うことになる。
これは相当に高度なことだ。
顧問先との契約中は、顧問先の従業員の一人になるくらいの溶け易さがいる。
溶けないままでは、顧問先の奥底まで突き通す改善案を企画・導入することは難しい。
必ず、顧問先の現場で起こる「アレルギー反応」に負けるだろう。

――― 自分の会社に良く溶けるコンサルタント

そんなコンサルタントと出会えたら、ラッキーだ。


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