見出し画像

掃除のアルバイトさん

私と私の会社は、積極的な採用はしない。
それほど人数を必要とする事業もしていない。
その中で、唯一のアルバイトがいる。
今回は、この辺りのことを書き綴っていく。


採用基準

私の会社のメンバーは、私が口説き落として海賊団に引き入れるパターンが半数程度。
残りの半数は、海賊が海賊を呼んで来るリファラル採用だ。
有難いことに、求人活動をしなくても成り立っている。

アルバイトもリファラル採用だ。
午前中のみ営業しているヘアサロンを経営する母親の仕事を手伝う娘さん。
午後からは時間が空くということで、条件が一致した。

――― 時給は1600円

最初は1500円だったが、少し前の物価上昇のタイミングで1600円となった。
盆と年末には、少しだが「賞与」も贈っている。

高いと思うかもしれない。
他の経営者から、そう言われたこともある。
しかし、この時給にはわけがある。

・上司は居ない(管理はしない)
・週2回、出勤日は自分で決める
・連絡はSlack(コミュニケーションツール)
・カギはスマホ
・掃除内容はローテーション表に従う

と、少しばかり求めるものが多い。
当人も最初は戸惑っていたが、今は普通に使いこなしている。

仕事ぶり

アルバイトをはじめて3年ほど経った。
週2回の出勤で、おおよそ1日3~4時間働いてくれている。

出勤をしたら、まずSlackで連絡をもらう。
これがタイムカードの替わりだ。

同じく、Slackで送信したローテンション表に従って、勝手に作業をはじめてもらう。
カギはスマホを使って開ける仕組みになっている。

消耗品が残り少なくなったら、それを写真に撮ってSlackに送ってもらう。
そして、事務担当がAmazonに発注を掛ける。

新しい掃除グッズが必要な時は、Slackでリクエストの申請をしてくれる。
少しでも効率が良くなる、クオリティが良くなる可能性があるのなら、一度試してみるというルールにしている。
その結果、社内の掃除道具が整い、潤ったと思う。

掃除内容や作業ローテーションの見直しにも貢献してくれる。
これは実際に掃除をする人の方が精度が高い。

帰る時もSlackで連絡をもらう。
このタイミングでタイムカードが閉じられる。

ちなみに、出勤表や給与明細もSlackで送る。
顔を合わせることはあまりない。

結果、殆どがお任せ状態だ。
とても優秀な上に、会社に手間が掛からない。
大変、有難い。

時給の価値

アルバイトの時給と言うのは、働いた対価だと認識している人が多い。
しかし、「学習」や「改善」といった付加価値分の成果を要求したいなら、まずは「長く続けてもらう」ということが重要になる。
さらに言えば、付加価値分の提供を目指してくれる程度の「上増し」があっても悪くない。
だから時給は高めでも、会社は損をしないと思う。

優秀なアルバイトなら時給を上げる。
時給が高いから、優秀なアルバイトになる。

――― 卵が先か、鶏が先か

とても難しい問題だ。
経営者にとっては、永遠の課題とも思える。

しかし、願わくば日本全体の時給が上がって欲しい。
そして、優秀なアルバイトが増えて欲しいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?