見出し画像

経営者はサブクエストを消化しなさい

売上に繋がる普段の業務をメインクエストとするなら、会社経営をしているとサブクエストにあたる業務も発生する。
ゲームの中のサブクエストは、放置して一切無視する人も多いと思う。
しかし、会社で発生するサブクエストは、確実に、可能な限り迅速に対応した方が良い。
今回は、この辺りについて書き綴っていく。


サブクエストとは?

小さい会社だと、総務部や広報部がないという会社が多い。
さらに言えば、総務や広報に対して専任者がいる可能性も低いと思う。
ここで言うサブクエストとは「専任者がいない業務」のことだ。

例えば、採用活動。
慢性的に業務量過多が続いた場合、新しい人材を採用することを検討するかもしれない。
採用の専任者がいなければ、それはサブクエストとして会社に降り注ぐ。

――― 必須ではない、任意のクエスト

広報の専任者がいなければ、看板一枚を新しくするのもサブクエストとなる。
Webサイトのリニューアルとなると、なかなかボリュームのあるサブクエストとなるだろう。

サブクエストの内容によっては、社内のスタッフに任せることができるかもしれない。
しかし、専任者ではない以上、メインクエストと並行してサブクエストをこなすことになる。
正直、なかなか進まない、もしくは上手く行かないケースが多いと思う。
結果、小さな会社のサブクエストは、おおよその場合、経営者もしくは役員の仕事になる。

サブクエストで差が開く

会社の規模が小さくなればなるほど、サブクエストは多くなる。
スタッフの人数が少なければ、専任者がいない可能性が高くなるからだ。

一方、大企業は大人数での分業体制が整っている。
全クエスト中、サブクエストの割合は、低くなる。

残念ながら、サブクエストを放置する中小零細企業の経営者は多い。
これは、中小零細企業の弱い所だ。
しかし、同じような規模の中小企業零細同士を長期間に渡って観察していると分かることがある。

――― 会社の強さは、サブクエストで確実に差が開く

地道に、サブクエストをこなしている会社は、そうでない会社と徐々に差がついていく。
長い期間を超えて、如実な差となって表れて来る。

例えば、ゴミ収集を行う会社の例。
ある会社は、行政からの仕事を主として、ゴミ収集の業務を続けている。
しかし、ある他の会社はサブクエストを順調にこなしていた。

「ゴミ収集」という枠から脱出し、「環境リサイクル」というイメージをつくるために、いろいろな手段を尽くしてきた。
燃えるゴミだけでなく、リサイクル資源を集めることに尽力した。
当時は、全く採算が合わなかったと思われる活動もしていた。

・Webサイトをリニューアルしてリサイクル分野を推す
・スタッフのユニフォームをリニューアル
・CSR活動として街へ出ていく
・若くて印象の良い人材を採用する
・リサイクル資源の収集ステーションを立ち上げる
・印象の良いオフィスを新築、業務車両はその裏に隠す

これは、私の目から見える表面部分だけの話だ。
他にも、もっと多くのサブクエストをこなしたに違いない。

やがて、前述の2社は差がついた。
今では、圧倒的な差となっている。

前進した会社には、今でこそ営業の専任者はいるが、今だに広報の専任者はいない。
私は、代替わりした社長がかなりの量のサブクエストと戦っていることを知っている。

差をつけられた方の会社の経営者のことも、私はよく知っている。
ベンツは買うが、Webサイトはつくらない。
名刺のデザインは古く、会社のパンフレットもない。
スタッフの数もパッカー車の数も変化がない。
いつも同じようなメンバーと呑み、夜の街に消えていくタイプの人だ。

サブクエストの見つけ方

そもそも、会社の周りに転がっているサブクエストに気づかない経営者は多い。
逆に言えば、たくさんのサブクエストをこなす人は、サブクエストを見つけるのが上手い。

サブクエストの発生は、ゲームのように分かりやすくない。
エクスクラメーションマークが光ってお知らせするようなことはない。
だから、自分で探す。

会社のオフィスや関連施設をウロウロと探索してみる。
スタッフに話を聞いてみる。
他社と自社を比べてみる。
取引先の人と話してみる。
普段からネットで新しい情報を入れておく。
たまには精神と時の部屋にこもって考え尽くす。

サブクエ発見名人は、いろいろなことをやっている。
しかし、やはり一番サブクエを発見することができるのは、経営者本人だ。
会社の全体を把握し、予算確保、決裁権を持つ人ほど、まだ形の見えないサブクエに気づきやすい。

――― サブクエストを見逃すな!

会社事情の細部まで凝視して、素晴らしい達成報酬のサブクエストを見つけること。
それこそがビジネスチャンス。
地味な報酬のサブクエストも積み重なれば、会社が強くなる。
どちらに転んでも、サブクエストは、私たちを裏切らない。


いいなと思ったら応援しよう!

そこらへんの経営者
サポートに感謝申し上げます。 執筆活動のクオリティアップに精進致します。