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外資3年目のキャリア

外資系企業では、平均勤続年数3年と言われている。

3年目までに辞めて行った同期は概ね(1)外資系金融・コンサル(=同業他社)、(2)ベンチャー、(3)起業のどれかの道を辿っている。10年超えの管理職層においては事業会社へ転職することもあり得るが、3年というキャリアでは事業会社へ転職することはほとんどない。

3年目のキャリア選択の特徴

(1)から(3)全てに言えるのは、前職への在籍期間中にどのような案件を担当していたのか、はあまりその後のキャリア選択に影響していないという点である。自分の周りを見ていると、(1)を選択する人は、就活時から該当の企業に目を付けていた、あるいは入社してみたら該当他社の方が給与水準が高いことに気がついた等の理由が多い。(2)や(3)を選ぶのは、大学時代の友人の紹介や仲の良い上司に誘われる等、自分が過去に学んだ専門分野や構築してきたネットワークに影響を受けている気がする。

総じて言えるのは3年目までに転職する人は、社外の動きにアンテナを張り、社外の人とのネットワーク構築をしっかりと行ってきた人であると思う。よく外資に入った人はその後どんなキャリアを選択するのですか、という質問を受けるが、現時点で言えるのは3年目までであれば(1)から(3)が多いものの、その中でどれを選択するのかは自分の関心・ネットワークに依存するという事であろう。

自分の将来について

斯く言う私は4年目を迎えてもなお新卒で入った外資系企業に勤めている。ラッキーな事に4年目までに一定期間海外に駐在するチャンスがあり、社内で一時的な転職を経験した事が大きな要因の1つである。このようなチャンスが巡ってきたのはもちろん周囲のサポートによる所も大きいが、2つ程大切にしてきた考えがある。1つは、自分のやりたい事は常に適切に周りに発信し続ける。自分の話を偉い人が聞いてくれる機会は意外と沢山ある。あるいは自分に近い上司でも良い、ちょっとした飲み会や、ミーティングで隙あらば、自分の好きな事ややりたい事を発信する。大抵の場合は聞き流されて終わるが、海外駐在を含め過去2、3回私に起きたラッキーは、全てこれによって叶った。何かの拍子に「あれ?そういえば〇〇に興味があるって言ってたな」と上司の頭に浮かんだとの事である。ただ1つ気を付けているのは、「適切に」発信するという事である。特に発信する相手を間違えてはいけない。例えば同期の飲み会で何に挑戦したいかを発表しても、彼らが自分に案件を持ってきたり、その機会を与えてくれたりする事はほとんどない。むしろそのポジションに彼らが就く可能性だって多分にある。自分の意志を伝える相手を見極めるのは非常に重要である。

2つ目は、流れてきた波には取り敢えず乗り最後まで一通やってみる。賛否はあるかもしれないが、また失敗も少なくないが、誰かから勧められた案件やイベントには、まずは挑戦・参加してみる事にしている。社会人になってから気がついたのは、歳を重ねるほど他者や物事に対しての先入観が強くなるという事である。「Aに挑戦したい人!」と声がかかった時に、意外と手をあげる人は少ない。しかし、私は最もパフォーマンスが高くなる瞬間というのは、自分が意欲を持ってやりたいと思う事と他者が自分にやらせたい事が重なった時だと思う。他者が自分に挑戦させたいと思う時は、自分が最も活躍できるチャンスかもしれないのである。例えば、大人気のアイドルグループを思い浮かべると、まずは事務所から押されてメディアに出る、メディアに出て視聴者からの反響があれば、もう一度メディアにという繰り返しである。自分たちがスターになりたいと思えばなれるのではなく、事務所、視聴者、メディアなどが自分たちにやらせたい事に乗っかって、そこで成果を出してこそ初めてスターになるのである。従って自分がやりたい事だけやるという考えが強すぎて、他者から応援されない、結果を期待されない、注目されないままでいると、結局活躍や成功には繋がらない。だからこそ他人の勧めに乗ってみる、そこで一通り経験し面白いと思ればそれが自分にとって最も高いパフォーマンスを発揮している瞬間なのではないだろうか。

1.自分の関心を要所で売り込みつつ、2.周りが自分に期待している事に挑戦する。この2つが私がキャリア選択において重要視してきた事である。今後については、今の環境で更に上を目指すのか、職を変えるのか、起業するのかまだ見えていない。

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