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奨学金1,000万円返済記- vol.2

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小学生時代のキャラ

小学生時代、筆者は"天才"や"エリート"と呼ばれていました。

テストで100点は当たり前。100マス計算はクラストップの速さで解き終わっていました。また、公文に通っており、英数は学年より相当学年より遥か先を先取り学習していたので、クラスの皆んなに勉強を教えるキャラでやっていました。

勉強以外にも、やたらと図鑑や辞書に興味があり、暇さえあれば家に籠ってなにかしているようなタイプでした。当時、そのような生徒はいなかったので、両親からも友人からも「こいつは将来大物になるに違いない」と思われていたようです。"末は博士か大臣か"と。

両親は父親が専門卒、母親が短大卒でした。彼らは、学歴がないことでこれまでの人生で苦労したようで、筆者にはしきりに大学に行くよう勧めてきました。

その傾向は、小学4年生を過ぎた頃から顕著になっていきました。
地元にある地方国立大の横を通り過ぎた際には"最低でもあの大学には行って欲しいけどなあ"とか、東大生がテレビに出てきた際には"東大は無理でも京大くらいは行って欲しいなあ"などと言われていました。

筆者は筆者で、周りよりもどうやら勉強ができるらしいことは自覚していたので、難関大に合格できるような逸材であると信じていました。

中流家庭の下

筆者の実家は、中流家庭の下といえる家計状況でした。
なので、誕生日のプレゼントも、旅行も人並みとはいきませんでした。

周りの家庭は裕福な家庭が多かったので、夏休みの度にディズニーに行ったり、ユニバに行ったりしていました。また、誕生日にはプラレールやPlaystation2、PSPなどを買ってもらっているようでした。

筆者はというと、小学2年生くらいまでは、そこまで差は感じていませんでした。

旅行に関しては、そもそもディズニーに行ったことがなかったので想像がつかなかったのと、いちおう関西地方への家族旅行があったので不満はありませんでした。欲を言えばユニバに行きたかったですが、まあ中の下の家庭ならこんなもんだろうと思っていました。プレゼントについては多少不満がありました。本当は友達の家みたいにプラレールを買って欲しかったし、友達の家でやっているようなNINTENDO 64も家でやってみたかったです。でも、友達の家に行けば遊ぶことができたので、まあ仕方ないか、と思っていました。なんとなく、"うちは裕福ではないんだ"とも察していたので買ってもらえるだけ嬉しいと思っていました。筆者の家の場合は、トミカや図鑑、プラモデルがプレゼントでした。

なぜ、中の下の家庭環境だったのか。

父親が営業職、母親は専業主婦でした。
ここが一番大きい要因なのですが、そう、母親が専業主婦でした。
結婚前はIT系の事務職に従事しており、多少の稼ぎはあったみたいですが、筆者が物心ついた頃には専業主婦をやっていました。一人暮らしをしたことはなく、料理は筆者の祖母がもっぱら作っていたとのこと。父親との縁談が出てきて急いで料理教室に通ったそうです。筆者が社会人になったいま、周りには仕事もプライベートも全力投球な女性のがたくさんいるのを知りました。いま振り返ると、母親を客観的にみると典型的な無気力低スぺ女子だったんだなという感想が湧いてきます。

筆者が幼少期の頃は、最高でした。家に帰れば母親が温かく迎えてくれる。周りの家庭は、家に帰っても母親がいません。
母親は「他の家のお母さんは働いてて大変だよね~」なんて言ってました。

筆者も筆者で「なんで他のお家は共働きなんだろう」と思っていました。

パート

そんな筆者の家に変化が訪れます。筆者が小学校5年生くらいのある日、父親と母親のこんな会話が聞こえてきました。

👨なにがいいかなー
👩スーパーとかいいかもね

筆者はなんのことだろうと思っていると、父親から筆者に声がかけられます。「あ、お母さんだけど、来月あたりからパートに出てもらうことにするから」とのこと。

よくよく聞くと、今後のことを考えると共働きにしないとまずいかなと思ったとのことでした。

筆者の父親は、訪問販売の営業マンでした。調子がいいときは月30万くらいいの稼ぎがあったみたいですが、業績悪化に伴い、月20万台くらいの稼ぎになってきたとのこと。それで家族4人+祖父の家計を回していくのは大変だったみたいです。関西地方への家族旅行についても、これまでは年に2回あったのが1回のみに減ってきており、なんとなく家計の悪化は察していました。いま振り返れば、よくそんな稼ぎで共働きしなかったなと思いますが、田舎だからなんとかなっていたのでしょう。

なにはともあれ、母親がパートに出るようになれば多少の余裕は出ることが期待できます。関西地方への家族旅行も年に2回に戻ったり、ユニバにいけるようになるかもしれません。筆者は嬉しい気持ちになりました。

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