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オンライン振り返り5つのポイント/「振り返り」「ダイアログ」はダサいし、真面目っぽい。公民館の活動みたい。だけど、

面白かったけど、情報量が多すぎて、咀嚼しきれない。講座受講後に、こう感じることがよくあります。インプットはできたけど、それを自分のものにできていない。なんかちょっと胃もたれしている、という感じです。

これは、内容うんぬんというよりも、自分の文脈に引き寄せたり、他者の言葉で多角的にみたり、という「語る場=対話の場」がないことが1つの理由だと思っています。

5月2日に開催した「組織ファシリテーション概論」のオンライン講座もそんな感じでした。そこで、今回は講座に参加した方々に呼びかけて、自主勉強会として「振り返りダイアログ」を開催。合計19名の有志メンバーと、2時間半をかけながら、以下のプログラムで振り返りました。

プログラム:合計[150]
- イントロダクション[10]
- 自己紹介[20]
- グラレコウォーク[40]
- 休憩[10]
- グループダイアログ[40]
- 振り返り&チェックアウト[30]

内容的には、まだまだ対話のしごたえがある、というのが正直な感想。次回開催の声もあがっているので、ぼちぼちやっていこうと思います。

一方で、オンラインで対話する上でのポイントみたいなことが少し見えてきたので、以下にまとめていました。みなさんの場づくりの参考になれば幸いです。

振り返りをするときの5つのポイント
①内容や密度に合わせて「テーマの粒度」を調整する
②参加者の「気づき」「問い」「感じていること」を、いったん可視化する
③チームに多様な視点をいれておく
④「ソロの時間」をとることで自分の学びを促す
⑤思ったことをそのまま言ってもらえることは、場への安心感の裏返しだと捉える


①内容や密度に合わせて「テーマの粒度」を調整する

テーマや範囲が広いときは、扱う内容を小分けにして、1つずつ咀嚼していくことが大事。そうすることで、1つのテーマについて、しっかりと理解を深めることができるから。

今回でいうと、新たな組織モデルから、個人の衝動、チームの創造的対話、これらを実現するための方法論まで、ボリューミーすぎる内容だった。
そこで「今、この場で考えたいこと」を「問い」「キーワード」で出し合い、それをベースにグループで対話するスタイルにしました。

各自の問いは違うので必ずしも深掘りできるわけではないですが、個々人の興味関心がベースにあるので、互いの話をつなぎやすくはなっていたように感じました。

次回からは、1つひとつのテーマごとに分科会にしたり、個別具体的な事例を扱ったりと、適切な粒度にすることで、理解も学びも深まると思います。

②参加者の「気づき」「問い」「感じていること」を、いったん可視化する

この場にいるメンバーの「気づき」や「問い」をまず出すことが大事。出すこと、観ること、で改めてこの場で考えたいことがみえてくる。

今回は、Muralを使って「グラレコウォーク」というオリジナルワークを実践。個人ワークでありながら、みんなで取り組んでいる感もあり、なかなか良かった。

Muralを同時に動かすと動作が重くなるというツール的課題は残りつつ、当初の目的を果たせた手応えはあり。

次回からは事前ワークで出してもらうようにすることで時間の使い方も考える質も改善していけそうな予感がしてる。

③チームに多様な視点をいれておく

チームで運営する前提で動くことは大事。予想外への対応はもちろん、プログラム中に置きていることへの理解度が高まる。

たとえば、振り返りにおける可視化の必要性について検討していた時。多様なメンバーが集まる振り返りでは、個人の内省を促すことを主目的にしているから共通の可視化資料はいらないかも、というのが丸毛の意見。

手元でメモしたり、そもそも何も書かずに考えることに集中したり、しているので「共通で」可視化することへの必要性も意識も低いため。

一方で、ここで起きていることを可視化していくことで、メタ的なダイアログ(対話のプロセスやそこで起きていたこと)への理解が深まるという人も。さらに、その後のアクションを生み出すための「共通基盤」になるという見方もありました。

まるも的目線では、これらは対立しているわけではなく、振り返りや対話の主目的をどこにおいているかの違い、だと理解しています。

個人の内省か、チームの学びなのか、全体の合意形成なのか、他者への説明責任なのか、など。この考えるレイヤーの差異を感じたり見つけられたりするのは、チームで運営するからこそ。

運営的な目線だけではなく、場におきるプロセスを捉えるためにも多様な視点(チーム)を含んだ場づくりは大事だなぁ〜と思いました。

④「ソロの時間」をとることで自分の学びを促す

振り返りでは「ソロの時間」つくることが必須だと思う。自分が感じたこと、考えたこと、気づいたこと、疑問に思ったこと、を出すには内面に向き合う時間がかかるから。

今回は「グラレコウォーク」や「チェックアウト前の90秒沈黙」などで、「ソロの時間」を用意。グラレコウォークについては合計30分くらい個人タイムでしたけど、長いということは感じない時間だったように思います。

ついつい他者と話すことばかりに意識やプログラム設計が向きがちな「対話」の場ですが、振り返りにおいてはそれ以上に「自分に向き合う時間」をとることが必要だし、その時間はオンラインでも十分つくれるなと感じました。

思ったことをそのまま言ってもらえることは、場への安心感の裏返しだと捉える

「振り返りやダイアログはダサいし、真面目っぽい。公民館の活動みたい。」とある参加者さんの言葉ですが、あぁ〜なるほどな、と感じました。

コレを聞いていて、普段それを使わない人たちからするとそう見えることもある、ということに「なるほど」という発見の気持ちがうまれたとともに、本当の意味での多様性を担保する上で、この意見を「言ってもらえた」ということが価値だなぁと思いました。

年齢や肩書が増えるにつれて叱られることが減る、という話をよく聞きます。まるもは年齢はともかく、肩書は何も増えていませんが、子どもの頃に比べると圧倒的に「注意される」「フィードバックを受ける」機会は減っているように感じます。

フィードバックするためには前提として、お互いに信頼関係が必要ですし、相手にもっと成長してほしいという願いも欠かせません。

その意味で、今回の場でこんな素直なというか、思ったままの意見を出してもらえたことは、場に対して一定の安心感を持ってもらえたのだと思いますし、同時に場の多様性を高めることができたのかなぁ〜とも感じました。(ちょっと良く言い過ぎかもですが)

補足すると「普段は周りがダサいと感じるだろうから使わないようにしていたけど、ここだと使っても全然何も思われない雰囲気だから、新鮮な気持ちになりました」的なことをチェックアウトで話していたので、この場がつまらなかったわけではなく、異文化理解に一役買っていたみたいなので、何より!

ps
これはあくまで「まるも個人の見方」なので参加者の方は「それはちゃうで!」「私はこう感じていたよ!」などなど遠慮なくツッコミお願いします

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