maru@mixi

Twitterがmixiとの連携を止めたので、読んだ本の感想なんかをこちらに移行しよう…

maru@mixi

Twitterがmixiとの連携を止めたので、読んだ本の感想なんかをこちらに移行しようと思います。 後、他のレビューアーの方と比べると、かなり、くどい、しつこい部分があります。 笑って、許して。(;^_^A

最近の記事

読書備忘録第11回 鶴屋南北の殺人 芦辺拓著

 2023年9月6日、読了。  今年の夏の暑さは酷かった。この夏の事を思い出す度に、芦辺拓先生の著作を涼しいマクドナルドに持ち込み、アイスコーヒー一杯で粘りながら耽溺した事を思い出すと思う。  今、これを書き足しているのは、2023年9月22日で気温が落ちたら、落ちたで気が落ちて、脱力してしまった。  「鶴屋南北の殺人」を読み返しながら、その仕掛けに驚嘆。寄木細工のような世界に耽溺した。逃げる所は物語の世界に限る。誰にも迷惑をかけない。  最初、未発表の鶴屋南北の下書きが見

    • 読書備忘録第10回 千一夜の館の殺人 芦辺拓著

        2023年8月26日、読了。2023年9月1日にkindle版を購入。 「鶴屋南北の殺人」を読みながら、並行に確認作業に入った。  普通、ミステリに確認作業は要らないのだが、冒頭に出て来るコンピュータシステム、久珠馬俊隆博士が開発した「アストロラーベ」というコンピュータソフトは、架空の存在である。では、あるのだが、初版が2006年、Windowsでいうと、XPからVistaへの移行時期である。ただ、再刊は2009年。「アストロラーベ」の記述もそう変わっていなかった。

      • 読書備忘録第9回 名探偵Z 芦辺拓著

         二日で読み切った。本当は一日、一日、一本づつ読んで、クスクス笑い、この小説に出て来るQ市や、名探偵Zこと、乙名探偵(おとなたるただ)、仙波警部、南田刑事、甫寝川博士、井柳舞音、実は少女怪盗Ψ等の登場人物の言動や、事件の元ネタを探して遊ぶのが一番だと思う。  大元のネタは作者の芦辺拓先生が言うように、 ピエール・アンリ・カミの「ルーフォック・オルメス」らしいのだが、自分が高校時代、出帆社の「ルーフォック・オルメスの冒険」を買い損ねて以来、縁がない。だが、何故か、同じ作者の「

        • 読書備忘録第8回 回想のビュイック8 スティーヴン・キング 白石朗訳

           スティーヴン・キングの長編を読むのは久しぶりだった。  この前、読んだ短編集「夏の雷鳴」で少し変わったかなと思ったが、長編になると相変わらずのキングである。  もう、微に入り細に入り人物とその周辺を面白可笑しく語り、読者を夢中にさせる。現在と過去が入れ替わり立ち代わり描写されるが、それはこれの構成の妙で。主人公ネッドの父親、警官のカートが交通規制中、酔っ払いの運転するビュイックにはねられて、死亡する場面から始まる。  葬式が終わってから、ネッドは奨学金を得てペンシルバニ

        読書備忘録第11回 鶴屋南北の殺人 芦辺拓著

          読書備忘録第7回 狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選 H・P・ラヴクラフト 新潮文庫版 南条竹則訳

          とりあえず、読み切った。  そっか、こんな話だったのか。一応、創元推理文庫で「ラブクラフト全集」は所有していたのだが、第3巻から始まる大瀧啓裕氏の作品解題、H・P・ラヴクラフトの履歴書、第4巻の「怪奇小説の執筆について」あたりを読んでお腹がいっぱいになり、購入して30年以上積読していたのだ。見ると消費税が出来る前に購入していたから、我ながら大笑い。^^  翻訳家の大瀧啓裕氏の文章が自分に合わないのだろうかと思い込んでいたのだが、Wikipediaを見ていたら、F・ポール・

          読書備忘録第7回 狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選 H・P・ラヴクラフト 新潮文庫版 南条竹則訳

          読書備忘録第6回 大菩薩峠 中里介山 お銀様の巻迄

           大菩薩峠の第14巻「お銀様の巻」迄まで読んだ。  第15巻「慢心和尚の巻」にこれから入る所である。  kindleで読んでいるので、本を読むというより、テキストの確認みたいな感じだが、所々、後で気がつけば、おかしな箇所がいくつかあり、しまった、あれはkindleの機能でマークしておけば良かったと思う。  最初、電子書籍としての大菩薩峠に出会ったのは、2000年代の初め、青空文庫というパブリックドメインの小説を紹介するサイトだった。 パブリックドメイン、無料という事もあ

          読書備忘録第6回 大菩薩峠 中里介山 お銀様の巻迄

          読書備忘録第5回 フロリスク8から来た友人 P・K・ディック 大森望訳

          「ティモシー・アーチャーの転生」に続いて、今月2冊目のP・K・ディックである。この前の読了が、13日だったから、6日で読んだ訳か。 粗筋は22世紀の地球。高い知能を持つ6千人の〈新人〉、テレパシーや未来予知など能力を持つ四千人の〈異人〉に支配された六十億人の〈旧人〉が強固な支配体制を打倒するべく、トース・ブロヴァーニを外宇宙に旅立たせて太陽系以外の知性体に助けを求めて戻って来る。 お話しとしては「助けてくだせぇ、お代官様」と外宇宙の異星人に直訴する百姓話なのだが、読んでい

          読書備忘録第5回 フロリスク8から来た友人 P・K・ディック 大森望訳

          読書備忘録第4回 ティモシー・アーチャーの転生 P・K・ディック 山形浩生訳

          読み切ったぜ、P・K・ディック!! 若い頃から、P・K・ディックというと悪イメージしかない。当時、住んでいた(和歌山)のSFサークルのオタサーの姫が事ある事に「ディック、ディック」と連発して、鬱陶しかった。読書会の議題にしようというのだ。そこで通っていた京都のSFサークルでは、とやたらとマウントを取りたがるのである。後、お題目に、コード・ウェイナー・スミスもあったな。こういう人に限って、小松左京や筒井康隆先を読んでいなかったりするのだ。田舎者丸出しだったな。やたら、にわか仕

          読書備忘録第4回 ティモシー・アーチャーの転生 P・K・ディック 山形浩生訳

          読書備忘録第3回 日本核武装計画 エドウィン・コーリィ 村上伸訳

          今日は三年前に読んだエドウィン・コーリーの「日本核武装計画」の話を書こうと思う。三年前に読んだ時は亡母の葬式が終わり、病院で血液検査をしてもらうと、血中の酵素が普通の10倍になっていたので、これは生きている内に読まねばいかんと、病院に持ち込み、読んだのであった。 その時は、読みながら、tweetをしていたが、この頃、前のtweetが見れない状況になっているので、書き止めておこうと思う。 この「日本核武装計画」の存在を知ったのは、早川書房から出た瀬戸川猛資氏の「夜明けの睡魔

          読書備忘録第3回 日本核武装計画 エドウィン・コーリィ 村上伸訳

          読書備忘録第2回 世界でいちばん透きとおった物語 杉井光

          一度、Twitterで公開したのだが、その時の全文が以下の通り。 読み終わった。ネタバレ厳禁なのが判った。筋でいちばん近いのが映画「舞踏会の手帖」、小説だと太宰治「グッドバイ」。関係して多分話題になるのは、ボルヘスの「伝奇集」の「アル・ムターシムを求めて」。ここまで言ったら、ネタバレだな。(;^_^A と、人を食ったようなtweetを流したのだが、大体、文庫本に「ネタバレ厳禁」と帯に大きく描いているのだ。 ネタバレした奴は未読の人間に八つ裂きにされても、文句は言えない。

          読書備忘録第2回 世界でいちばん透きとおった物語 杉井光

          読書備忘録第1回 事件記者コルチャック ジェフ・ライス著 尾之上浩司・真崎義博訳

          とりあえず、noteで読んだ本の備忘録を始めた。 前は読んだ本の感想をTwitterに流していたけれど、閲覧数を600tweetを超すと、制限がかかるという馬鹿な事を始めたので、うっかり、長々と本の感想が書けなくなった。 なので、noteに始める事にした。カクヨムでやろうと思ったが、あそこは若い人が多いから。話が合わない。 思案している内に、noteでする事に決めた。 先ずは、第一回は早川書房NVの「事件記者コルチャック」ジェフ・ライス著。 昔懐かしい外国テレビ番組「事

          読書備忘録第1回 事件記者コルチャック ジェフ・ライス著 尾之上浩司・真崎義博訳