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読書備忘録第1回 事件記者コルチャック ジェフ・ライス著 尾之上浩司・真崎義博訳

とりあえず、noteで読んだ本の備忘録を始めた。
前は読んだ本の感想をTwitterに流していたけれど、閲覧数を600tweetを超すと、制限がかかるという馬鹿な事を始めたので、うっかり、長々と本の感想が書けなくなった。

なので、noteに始める事にした。カクヨムでやろうと思ったが、あそこは若い人が多いから。話が合わない。
思案している内に、noteでする事に決めた。

先ずは、第一回は早川書房NVの「事件記者コルチャック」ジェフ・ライス著。

昔懐かしい外国テレビ番組「事件記者コルチャック」ノベラゼーション。だが、それだけでは一括りに出来ない愉快さがある。

「事件記者コルチャック」が関西のよみうりテレビの日曜夜10時半に放送されていた時、自分は10歳の小学生だった。大阪ガス提供で、しばらくは外国のテレビ映画を放送していて、あの枠で「チャーリーズエンジェル」「バイオニックジェミー」等を見た。

で、今回、懐かしさもあって、手に取ったが、読んでみて、おかしな構成に気がついた、著者のジェフ・ライスが主人公カール・コルチャックから事件の詳細な記録やテープの供述を元に作品を構成している設定である。

基本的には、「わたし」が吸血鬼や22年毎に蘇って人間のエキスを抜き取る不老不死の人間を相手に丁々発止とやりあうサスペンス小説である。

翻訳者の尾之上宏司氏の解説を読んで納得した。権利関係がややこしいのである。
ジェフ・ダレスが権利関係の疎い所に目を付けて、テレビ局、制作者ダン・カーティス、コルチャックを演じたダレン・マクキャビンが権利関係を簒奪して、おいそれと手を出せるような感じではなくなったのだ。
自分が小学生時代に見たのは、ダレン・マクキャビンがテレビ局に持ち込み、急ごしらえ(それでも、後に有名なったスタッフ多数)で作った20本のテレビシリーズなのである。
幼子心にも何処かパチモン臭いワニ人間やミイラ男が乱舞していたシリーズだったが、凄く楽しんでみていた。小学生は胡散臭いお化け屋敷は大好きな代物である。嫌いになる訳がない。

話を戻そう。だから、原作者であるジェフ・ライスは「友人であるカール・コルチャック」から送られた手記と言う構成を取らざるを得なかった訳である。

後に、この「事件記者コルチャック」に影響を受けた「Xファイル」のプロデューサーがリメイクを試みたようだが、権利関係がややこしくて、とん挫したらしい。

と、いう訳で、本編に劣らず、翻訳者の解説も研究資料としては一級品のものである。

付け加えておくと、尾之上浩司氏の訳文の語りが、吹き替え声優であった大塚周夫氏の口真似なのである。
知っている方は知っているだろうが、まぁ、見事な東京言葉で、声優さんの声真似をする芸人さんはよく見る事があるが、文体による声帯模写と言うのは前代未聞であったと思う。

読んでいる間は本当にニコニコしてしまった。ホラー小説なのに。(笑)

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