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読書備忘録第3回 日本核武装計画 エドウィン・コーリィ 村上伸訳

今日は三年前に読んだエドウィン・コーリーの「日本核武装計画」の話を書こうと思う。三年前に読んだ時は亡母の葬式が終わり、病院で血液検査をしてもらうと、血中の酵素が普通の10倍になっていたので、これは生きている内に読まねばいかんと、病院に持ち込み、読んだのであった。

その時は、読みながら、tweetをしていたが、この頃、前のtweetが見れない状況になっているので、書き止めておこうと思う。

この「日本核武装計画」の存在を知ったのは、早川書房から出た瀬戸川猛資氏の「夜明けの睡魔」の一説、「奇想の系譜Ⅱ」である。
紹介者の瀬戸川猛資氏も「なんともまぁ、とんでもないことを思いついたものだ。いや、それだけならまだしも、よくもこの思いつきを小説にしたものだ。しかも、立派にそれに成功しているから、驚きである。想像力の凄まじさというか、魔術的な筆力というか、こちらとしては、ただ、恐れ入りました、感服するほかはない」

この本を読んだのは1991年で、出版されたのが1987年。この章が引き金を引いたのであろう。この本の古書価格が上がり、おいそれとは手に出来ない状態になった。

それが手に入れられたのは、たまたま、買ったナンバーズが小当たりして余裕の金が出来たのと、Amazonのマーケットプレスで7000円という破格の値段で出ていたからである。
7000円という破格の値段と書いたが、今、調べたら9000円ちょっとである。一時期は2万円、3万円が普通であった。購入したのは2017年5月であった。

それから、読もうと思い読み始めたが、直訳調というか、読み辛い。訳者村上伸という人を調べたら、東京女子大の大学教授で牧師さんだったらしい。あくまで、バイトでやった仕事なんだろうか?

と、思ったのはここまでで、もし、これがミステリの翻訳を多く手掛けていた稲葉昭雄氏、1972年当時だったら、38歳、脂の乗り切った頃の翻訳だったら、もっと読みやすかっただろう。

だが、最後まで読み通したら、あ、この翻訳で良いのだ。ちょっと固めの訳で良かったのだ。

読み通すと、本当に瀬戸川猛資氏が書いているように、「とんでもないおもいつき」で読む人が読んだら、怒って禁書にされてしまっただろう。

話が変わるが、ウルトラセブンの第12話「遊星より愛をこめて」の放送禁止になった経緯をご存じだろうか?
あれは当時、東京都原爆被害者協議会の専門委員であった中島龍興氏の娘、当時中学生2年生が「被爆者が怪獣扱いされている」と告げ口をしたのが発端で、国会でも大騒ぎになり、それ以来、欠番になってしまった。

原爆と原爆の被害者は日本にとって、かなりセンシティブな内容なのである。決して、娯楽として遊んではいけない。

だが、「日本核武装計画」を完読した私はこれの方がヤバイんでない?と思ってしまう。

まぁ、読み切ったら、あぁ、やっちまったなぁとしか声が出ない。

もし、図書館で(実は図書館で取り寄せて借りられるらしい)借りて読んでも、内容に関しても、まぁ、喫茶店での「変なミステリ」のひとつとして話題にして、スルーして欲しい。

今回は「日本核武装計画」を私は読んだよという事で終わりにしたい。

読んでも、みんな、内容は秘密ね。^^

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