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ぐるぐる考えて落ち込む負のスパイラルを科学する

負のスパイラルってすっごく不快なことですが、いったい何なのでしょうか?

神谷・幸田(2016)は、気分の落ち込みや抑うつ気分といった精神症状は、思考の影響を受けやすいということを明らかにしています。


そして、とくに興味深いのは、自動思考と反すうの関係性について取り上げた点です。


自動思考とは、何かの状況でとっさに浮かぶ思考
反すう思考とは、同じことをぐるぐると考えてしまう思考のことです。

負のスパイラルを言い換えると、ネガティブな自動思考を反すうさせている状態と言えそうです。

また、神谷・幸田(2016)は、反すうから自動思考への影響という一方向だけではなく、その両者がお互いにどのように影響を与えているかを明らかにしています。

ネガティブ思考


この図は、抑うつ気分にどのような思考が影響しあっているのかを表した図です。自己否定的な自動思考が、将来否定やネガティブな反すう傾向を強めていることが考えられます。

つまり、自分を否定する自動思考や過去や現在を否定的にとらえる自動思考が強くなることによって負のスパイラルが起こりやすくなるということです。

さらに、自己否定や過去現在否定はネガティブな反すうを自分でコントロールする可能性まで弱めてしまいます。

負のスパイラルが多くなるほど、将来を否定する気持ちが高まり、最終的には抑うつ気分が強められるというプロセスが明らかになっています。

引用文献
神谷慶, & 幸田るみ子. (2016). 大学生の抑うつにおける自動思考とネガティブな反すうの関連. ストレス科学研究, 31, 41-48.

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