回想日記

お留守番が苦手だ。
家の中に泥棒がいるかもしれないし、何かが隠れて様子を見ているかもしれないから。

だから、カギがかかっている日にはカギを持ってても隣の隣の家をピンポンする。母の友達が住んでるから。

母のお友達は、母と同じ年くらいなのに友達みたいに思っていた。突然家に行って「ママがいないの」と言っても嫌な顔一つしないで中で待たせてくれた。可愛いお皿やハンカチを見せてくれて、可愛い、と口に出すと本当に!?嬉しい!と子供のように喜ぶ。そんな姿が何とも不思議で、自分の言葉で大人が喜んでくれるのが嬉しくて何度も可愛いと口にしていた。お留守番、という得体のしれない恐怖の時間を楽しい時間に変えてくれる恩人のような存在だった。

実は母のお友達は母の恩人でもあったらしい。母からみんなが離れていき、誰もいなくなった時、そのお友達は見守って、助けてくれたという。私の中にも幼いながらその記憶が少し残っている。

母の友達さん、ほんとうにありがとう。

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