【物豆奇@西荻窪】都内の素敵な喫茶店をただ紹介する
たまごサンド 330円
シフォンケーキ 350円
びっくりするほど安い。
人情で経営されているのか、喫茶界隈への愛なのか。
ただ、
このお店の良さは破格の値段設定ではない。
なんとも言えない居心地の良さ。
この一言に尽きる。
きっと誰もがその空間の
ある言葉に集約すれば"ゆったりとした流れ"に
体を包まれ引き止められてしまうだろう。
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メニュー
使い込まれた手書きのメニューを前に
一通り目を通した末、
注文したのは体に良さそうなバナナジュース。🍌
連れの選択はコーヒーフロート。☕️
オーナーの行く先に目をやると、
キッチンにはミキサーが置かれている。
しばらくすると、
ウィーーーーーンと
想像より控えめな機械音が店内に響く。
こういう音は悪くない。
さて。できあがったバナナジュースは、丸くコロンとしたグラスにおさまって出てきた。
水滴をまとったグラスが中身の冷えていることを感じさせる。
牛乳が強めの優しい味。
すすったストローからジュルッと入ってくる崩れたバナナの甘さが頬をゆるませる。
連れのコーヒーフロートは細長く、パフェグラスの口元がすぼまったタイプのようなスタイリッシュなグラスで登場。
よく見かけるソフト系のアイスクリームとは違い白いバニラアイスは硬めでサッパリとしていそうだ。
ハの字を書くように三角形に乗せられている。
「けっこう苦めでおいしい」
とのこと。
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店内
店内にはのどかなクラシックが流れていて、
人が出入りすると聞こえる、
玄関の鈴のコロンコロンと鳴る音と絡まり
アンニュイ?ノスタルジック?な雰囲気を醸している。
本を読み進めていると突然、
ボーンボーン
リンリーン
とさまざまな音が聞こえてきた。
ふと顔を上げると、気が付かなかった、
掛け時計が無数にある。
カチカチ
トクトク
店内の静けさに広がる針の音が心地が良い。
意識が向いていなかったけれど気付けば
照明もおなじく無数にある。
ペンダントライトというのだろうか、天井から垂れ下がるタイプ。
昼白色でなくて全部が電球色なのが
また雰囲気がある。
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雑貨
じっくり店内を見回してみると、
天井に近い太い柱の上に置かれたスピーカーは
昔ながらの大きなもので、50センチ幅ほどある。
ほこりをまとっていて年季が入ったものだと一目でわかる。
足元へ目をむければ、
暖炉があってやはり渋い。
壁際のショーケースには
色々な形や色をしたグラス、宇宙飛行士の置物、男女が抱き合った絵画などがおしゃれに並んでいる。
馴染みすぎて素通りしていたが、
店の造りは木から成っていて、オーナーのセンスとこだわりが窺える。
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オーナー
わたしは水分の吸収が恐ろしく多いのだけれど、
そこにもオーナーの気は配られている。
グラスのお冷がなくなると
2度も注ぎにきてくれた。
申し訳ない…
その居心地の良さか、
オーナーの優しさにかまけてか、
気が付けば2時間も本に読み耽っていた。
お会計を済ますお客への対応は紳士的で、ハツラツとされている。
常連そうな人へも、我々のように初めてきたような人へも同等に接する姿はとても気持ちが良い。
「お会計お願いします」
と声をかけると、
オーナーはすくっと立ち上がり無駄のない動きで
お会計を済ませてくれる。
「ありがとうございました」
丁重な挨拶にも無駄がなく、とても端正ではっきりとしている。
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とても気持ちの良い喫茶店であった。
しいて難点をひとつあげるならば、
電波が届かないことだろうか。
いや、それはこちらの問題であろう。
おそらく〇〇モバイルのアンテナの激弱さが発揮されただけである。
逆に本に集中できてありがたい限りであった。
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そんなわけでおすすめのお店を
ただただ紹介したかった。
東京・西荻窪を訪れた際には、ぜひ。
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