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「夏休みに自転車で日本一周」みたいな話に旅の本質がある 2019アウェイ金沢 移動編

旅の達成感の一つに、自分だけが思いついた移動プランがバシッとハマった時の「してやったり感」があると思います。この現象に名前を付けたいのですが、何かいいアイデアはないでしょうか?

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柏レイソルサポーター2年目(通算15年目)、円子文佳です。
『OWL magazine』のプロジェクトオーナーもしています。
柏はここまで、勝ち点的には想定よりちょっと低いのですが、それでもネルシーニョを全面支持しています。よろしくお願いします。

柏レイソルの金沢アウェイ戦を見るため、4月19日の金曜日から2泊3日で、金沢に行ってきました。
今回は旅の移動についての話になります。
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著者 円子 文佳 (まるこ ふみよし)
Twitter https://twitter.com/maruko2344

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金沢に来たことはこれまで何度もあったのですが、それは新幹線が開通する前の話でした。
2015年3月に北陸新幹線が金沢まで延伸して、それからは初めての訪問になります。

・実は回りづらい金沢。地下鉄が欲しい

金沢は見所というか、中心地が点在していて、なかなか制覇しづらい街です。
観光で行くと金沢駅近江町市場香林坊兼六園ひがし茶屋街などに用があると思うのですが、それぞれが1㎞以上離れています。徒歩15分以上かかるので、その都度歩くとなると結構嫌な距離です。

この規模の街だと本当は地下鉄が欲しいのですが、都市の格的にギリギリないぐらいなのですね。

日本で地下鉄がある都市は、三大都市圏(関東・関西・名古屋)以外だと、札幌、仙台、福岡だけです。金沢ぐらいの規模の街だと、地下鉄がないのは一般的ではあるのです。とはいえこの規模の街で、バスしか交通手段がないのはかなり不便だなと思います。地元の人は金沢駅から香林坊に飲みに行く時とか、どうやって移動してるんでしょう?

路面電車はもっと多くの街にあります。地下鉄のある都市以外で、函館、富山、福井、岡山、広島、高知、愛媛、長崎、熊本、鹿児島にあるそうです。お隣の富山と比べると、都市としては金沢の方が格上感がある(富山の人すみません)のですが、金沢には路面電車がないのですね。


・ホテルが取れず、町外れの宿に

新幹線が開通した影響でしょうか、昔に比べるとホテルが全然とれず、価格も高騰していました。
後でわかったのですが、この時期は「日本小児科学会」が金沢で開催されていて、そのせいもあったかもしれません。コンサートと学会は旅行の天敵です!


ドーミーインとかでも1泊で2万円以上しました。昔は7000円で泊まれたのに!
結局、民泊的なところに泊まった(ここも2万円ぐらいした)のですが、駅から3㎞も離れた場所でした。ちゃんと調べず、値段と大まかな場所だけでうっかり取ってしまったのですが、金沢駅に着いて愕然としました。3日間どうしようかと……。

宿の場所は、兼六園のちょっと外側ぐらいでした。金沢駅から歩いて宿に向かい、そこで初めて「そういえば兼六園って遠いんじゃなかったっけ」と思い出しました。「ちゃんと考えて宿を取らないとダメだ」と、オシムに怒られそうです。結局宿まで徒歩45分ぐらいかかり、歩きながら「キャンセル料かかってもいいから宿取り直せないかな」とか考えていました。遊びに出たりご飯食べたりする度に徒歩45分かかるのはさすがにきついです。

と思っていたら、宿付近で救世主を発見しました。

レンタサイクル「まちのり」です。
今回はこれのおかげでかなり機動的な旅になりました。


・金沢は自転車で攻めろ!

「まちのり」は、街中に21か所あるサイクルポートで自転車の貸出・返却が出来るというサービスです。クレジットカードとEDY的なICカード(suicaでも大丈夫そうです)を持っていればポートの機械で簡単に登録出来て、ふと思い立った時に借りられました。

一日200円で登録すると、1回30分まで自転車に乗れます。30分を超えると追加料金がかかりますが、30分以内にどこかのポート(元の場所でなくても良い)に自転車を戻せば追加料金はかかりません。そして回数制限はないので、ポート間を30分以内で乗り継いで移動する形なら、実質1日200円で自転車を借りているのと同じことになります。

このレンタサイクルはものすごく便利でした。金沢は見所が徒歩15分ぐらいの距離で衛星的に配置されていて、歩いて回るとかなり億劫なのですが、自転車だと気になる距離ではなくなります。自転車で出かける時は駐輪場を考えないといけないのですが、「まちのり」だと自転車をサイクルポートにその都度返却するので置き場所も気にしなくてよいです。天気が雨でない必要はありますが、金沢を観光するなら「まちのり」はとても便利なサービスだと思いました。


・自転車と旅のパズル

レンタサイクルを使うことで、以前は不便に感じていた金沢の街もむしろ楽しく感じられるようになりました。旅をしていると、移動やプランなどを上手く繋げた時に、自分だけのパズルのピースがはまったかのような快感を覚えることがあります。旅の「してやったり感」ですね。今回は金沢という街の特徴もあって、自転車移動だとちょうどよい距離感の場所をいくつも繋いで移動できて、パズルが連鎖しまくりで超楽しかったです。

ところで、この感覚、この気分ってわかる人にはわかると思うのですが、何か名前を付けたいですよね。先行研究がないかと思って「旅 ピース 移動」とかで検索してみたのですが、役には立ちませんでした。ネーミングについては自分の宿題にしておきます。

プチトラブルも旅の楽しみの一つです。ポートに自転車が一台もなかった、ということが結構ありました。仕方ないので次のポートまで歩くのですが、当てにしていた物に裏切られて心が揺さぶられるのも、時には旅のよい経験です。「飛行機が飛ばない!」みたいなトラブルの、超軽い感じです。


・スタジアムにも自転車で行ってみた

試合は4/21、日曜の14時からでした。スタジアムは金沢駅から5㎞ほど離れていて、しかも観光地などからは金沢駅の反対側にあります。お昼を食べて、駅に行って、バスに乗って……となると、14時キックオフは時間がなかなかタイトです。自転車を上手く利用できないかなと思っていたら、こんなサービスがありました。

「スポのり」という、一日500円で試合会場まで往復できる自転車を借りられるというサービスです。スタジアム付近に自転車を乗り捨てて、帰りはバスなどで帰ることも出来るそうです。すっかり「まちのり」信者になっていたこともあり、試合当日はこれで移動することにしました。

お昼を堅町あたりで食べ、石川県西部緑地公園まで5.5㎞の道のりを自転車で駆け抜けます。

最初は普通に道路を走っていましたが、犀川沿いをずっと進んでいることに気づきました。「せっかく自転車だし、川沿いを走ろう!」ということで、謎にサイクリングみたいになりました。やばい、楽しい!試合前の気分じゃない!こういう時って試合結果はダメなことが多いんだよな……。本当にそう(引き分け)なりましたが。

僕には良かったのですが、レンタサイクルで5.5㎞走るのって一般的には大変なのでしょうか。同行者の人が「ちょっと帰りは自転車無理かも」と言い出しました。「スポのり」を利用するかどうかは、パーティーの体力も考慮して選んだ方がよいですね……。誰にでも勧められるわけではなさそうです。

帰りの方がバスなど混雑するので自転車の利用しがいがあると思っていたのですが、仕方ないので自転車は乗り捨ててバスで帰ることにしました。そのための手続きは別にいらず、所定の場所に停めて鍵をポストに入れておけばよいそうで、これも素晴らしいです。

『OWL magazine』を始めてから、旅とは何だろうということをずっと考えています。自由度が高い方が「旅感」が出ます。自転車での移動はバスや電車と違って、気が向いた時に寄り道が出来ることも特徴です。「夏休みに自転車で日本一周」みたいな話はよくありますが、旅要素を突き詰めると実はそれになるのかもしれません。自由であることと、自分の力で移動するということが、自転車の旅の特徴です。

「自転車で日本一周」は、結構途中でリタイアしてしまう人も多いそうです。今回僕らは、スタジアムまで自転車で往復する程度でしたが、リタイアというか結局乗り捨てることにしました。でもそういう、予定を変更できる自由さが旅の醍醐味なのかなと思います。金沢に行く人はぜひ自転車を利用してみてほしいと思います。なお見たところ、僕らの他に乗り捨てている人はいなさそうでした。せっかく自転車で帰れるのに、帰りのバス代(400円)もったいないもんね。

本文は以上になります。本文だけで完結する文章になっています。
この先はおまけ部分で有料になります。僕は過去に金沢や富山に何十回と来たことがあるのですが、その理由について書いていきます。
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