見出し画像

Jリーグは、日本は、世界はどうなる?サポーターが語ってみた(OWL3月ミーティング)

「OWL magazine」では、月1回ミーティングをしています。会のはじめで近況について雑談し、それを記事化しています。先月は3月24日に行いました。

2月のミーティングから1か月、ずいぶん世界は変わりました。この収録から今日(4月1日)までは1週間ほどですが、そのわずかな期間でも社会は大きく変化しています。そんな感じのことを語っています。

澤野雅之: 編集長、横浜FCサポ。発言は良識的。転職活動をしていましたが、4月から新しい仕事が決まったそうです。
円子文佳: プロジェクトオーナー。柏サポ。ちょいちょい毒が出る。仕事はお医者さんですが精神科なので、コロナウイルスに関してはそんなに役に立ちません。
ほりけん: 浦和サポ。深掘りした記事をよく書いてくれて素晴らしい。実は固い仕事に就いているらしいです。
多久雅佳: 松本サポ。何のきっかけだか、いつの間にかミーティングにも参加するようになっている。
中村慎太郎: 珍しく欠席)

・サッカーのない週末、何してる?

澤野:先月のミーティング(2月25日)は、Jリーグの試合延期が決まったタイミングでした。あの時点では、いつまで延期になる予定なんでしたっけ?

ほり:あの時点では、3月18日までという発表でした。

澤野:あの時点ではそういう話だったのが、今日の時点では4月中旬、4月18日以降、もしくはゴールデンウィーク明けなんじゃないかって話が出てきていて、もうまる1か月、Jリーグがない生活を皆さんしているわけです けど中断期間中、みなさんはどんなことをされてますか?

※ゴールデンウィーク明けなんじゃないか
新型コロナウイルスの感染拡大により、Jリーグの試合が延期されて1か月が経ちました。J3は4月25日、J2は5月2日、J1は5月9日からの再開を目指すと発表されていますが、本当にそうなるのかは予断を許しません。

ほり:何か週末、試合の代わりに何かあるかっていうと他のエンタメもやってないので、別に何をやってるということもないです。
ただ浦和レッズはこの中断期間、けっこうウチにしては頑張っています。例えば練習試合をインスタでライブで配信したり、ツイッターで選手、宇賀神、橋岡、荻原が出てきて1時間ぐらいライブでやったりとか、今までやってきてないSNS周りのコンテンツをやり出してます。
あと記者のインタビューを、PC経由でやったりとか。しかもそのPCが最近レッズのノートパソコンが出たんですよ。マウスコンピューターがコラボして。そのレッズPCでちゃんと見させるとか。そういう細かいところが、いい意味でウチらしくないんで、そこそこ前向きに楽しんでます。 

澤野:円子さん、レイソルって何かあります?

円子:僕は把握してないですね。
今年は開幕戦を見れなかったんですよ。まだ1試合も見てないので、開幕した感じがしてなくて、シーズンオフが続いてるぐらいのつもりなんです。
柏の開幕戦は2月22日だったんですよね。本来はそこからだと、今日の時点で6試合リーグ戦が行われていた予定だったんです。

ほり:おとといが本来の第6節の日程だったんですね。他にもルヴァンやACLもあったはずですし。

円子:トータル8-9試合あったはずのところを、今年はまだ1試合も見ていない、だからまだ僕にとっては開幕してない。

澤野:多久さんは、松本山雅としては何かありました?

多久:山雅は…クラブとしては特になかったと思います。選手のトークショーをインスタライブで配信したりぐらいですかね。

澤野:今日、ジャエルだっけ?本人のツイッターじゃなくて、本人が発言してるのをツイートしてる人がいて、「クラブがあまり情報をくれない」みたいに言ってるっていうのを見ました。

多久:そういうことがあったらしいというのは見ましたけど。

円子:そうはいっても、いつから再開しますとかみたいな話は、クラブには決められないですよね。

多久:クラブではないですが、個人的に「やまだら」という活動をやってます。

澤野:あ、山雅のサポーターたちで、ダラダラ。

多久:「やまがをツマミにだらだらカタル」。オンラインで、ZOOMの画面でつないで、初めての人と酒を飲みながら。ツイッターでURL出して、勝手につないでねって。「初めまして、どこ住んでるんですか?」みたいな。

円子:へえ~。山雅についての何を語るんですか?

多久:いや、何でもいいんですよ。ダラダラするのが目的なんで。「いやー、どうですかね?試合全然ないですけど」みたいな。

ほり:今のコレみたいな感じだ。

円子:本当はこれもオンラインでやることが望ましい。

澤野:まあ、距離は2メートルとってますから。

※2メートル
このミーティングは八重洲のとある貸し会議室で行われたのですが、一応各自2メートル離れて、何となく窓も開けていて、条件的には「3密」を全て回避していたと思います。まだ「3密」という言葉が、出てなかったか浸透してなかったぐらいの時期だったので、窓を開けたのはたまたまかもしれません。

円子:そうそう、手の届かない距離。


・試合がない時こその、つながりを作る

多久:そういう横のつながりを作る、サポーターが出来ることをやってるって感じですかね。

澤野:その時って、何か面白いネタとかあったりしました?

多久:ネタ自体というか、知らない人とつながってるっていうことが楽しいですよね。例えば同じ浦和サポでも、知らない人っていっぱいいるじゃないですか。そういう知らない人とつながれるっていうこと自体が、新しい発展がありそうだなっていう。

円子:確かに、試合があると色々忙しいですからね。

澤野:暇だからこそできること。

円子:試合があると、知り合いと交流するので精一杯。

多久:知らない人とのつながりを作っていけるっていうのが、僕としてのアクションかなと。

円子:すごい、ポジティブだ!すばらしい。

澤野:横浜FCも、選手はインスタライブみたいのをちょっとやったりとか 、正直そんなに情報発信してるっていう感じではなかったんですけど 、明治 安田生命のアプリで「Jリーグウォーキング」っていうのがあって。

澤野 :iPhoneとかの機能を使って、何歩あるいたっていうのを各クラブで平均値にして順位を争うみたいなアプリです。多少なりとも貢献しようとして 始めたんですけど、面白いのが上位はJ3のクラブばっかりで。 多分分母が少ないクラブ、サポーター少ないところの方が上に上がりやすいんでしょうね。

ほり:上位はどこですか?

澤野:1位が相模原、2位がYSCC、3位が福島ユナイテッド。J1で最上位は…ようやく11位にベルマーレ。 横浜FCは12位。

※横浜FCは12位
澤野編集長は横浜FCサポです。
https://note.com/masawano/n/n3f962dd82b19

円子:これで上に行くと、むしろサッカーでは下のカテゴリーに落ちるみたいな…。
あっ、でも今年降格しないことになったんですよね!初の残留おめでとうございます!

澤野:ありがとうございます…、ってその話は次に振ろうと思ってたのに!
先にアプリの話をしちゃうと、昨日試合があるはずだったアビスパ福岡が、クラブ主導で試合開始の14時に「皆さん歩きましょう!」みたいにツイートで呼び掛けたりとか。で、平ちゃんとかも乗っかって呼び掛けたりして、これは少し面白いかもと思って。

多久:サポーター主導でやってる方が面白くないですか? クラブが「やってください」っていうよりも。

澤野:そんなに私には影響力ないから!

多久:うちのサポーターでこの中断期間中、そのウォーキングのやつもあるから、山手線一周歩こうっていうのをやってる人がいて。

澤野:そうそう、ものすごい歩いてる人がいるって聞きました

円子:1周歩くとどのぐらい時間かかるんですか?

多久:えーとね…10時間ぐらい…

円子:ですよねー

※ですよねー
僕(円子)は大学1年か2年の頃、酔った勢いで池袋から渋谷まで歩いてみて、ひどい目に遭った(思いの外時間がかかって、仲間からブーイングを浴びた)ことがあり、それ以来山手線一周にトラウマがあります。

多久:僕はね、走ったことはあるんですよ。その時は6時間ぐらい。

円子:山手線1周、走って6時間!

多久:40kmぐらいなので

※走ったことはあるんですよ
多久さんは、個人的にイベントにして、山雅ユニ着た10人ぐらいで山手線一周したことが2回ほどあるそうです。

澤野:どこかのサポーターで滅茶滅茶歩数稼いでる人がいて、何か違反してるんじゃないかって疑われてる人もいるっていう話です。

円子:振り子みたいのに、うまく乗せて…

(一同笑い)

澤野:またそういう、ブラックな話にすぐ…

円子:ポケモンGOで、タマゴを孵すのによく使われてる技らしいですよ。寝ている間はスマホを振り子に乗せておいて。

※卵を孵すのによく使われてるらしい
ポケモンGOでは、ポケモンの卵を孵すのに歩行距離が必要になるのですが、夜中に大きめの振り子に乗せておいて寝てる間に歩行距離を稼ごうという技があるそうです。

ほり:でもなんか、クラブOBとか活用したら、だいぶ行けそうな気がしますけどね。
何か、前もウチ(浦和)、アプリじゃなくてウォーキングの企画とかやったんですよ。

澤野:まあ、スポンサーとかが絡んだりするとそういう企画は実現しますね。ウチ(横浜FC)の場合は以前、ゴミ拾いとかがあって。
まあどうしても家に閉じこもってばかりもよくないので、ルールは守りつつですけど天気のいい時ぐらいは歩いてもいいのかなと。


・今年のJリーグはどうなる?

澤野:さっきの話ですけど、大きなトピックスとしては降格がなくなったという

円子:おめでとうございます!

※おめでとうございます
柏も昇格組なのに、なんでしょうこの態度は。

澤野: ありがとうございます。 なんか、 ニュースで見る前に 、メッセージとかでも「おめでとうございます」って送ってきた人がいて。

円子:横浜FCとしては初のJ1残留ですよね。

澤野:そうですね。 今まで残留したことのないクラブが、こんなにイレギュラーな方法で初残留を勝ち取るっていうのも何ですが。前の年に昇格してたらそのまま降格してたかもしれないわけだし、でも素直にありがとうございますと言えばいいのかね。
…松本とかはやっぱり、「え?」って思う?

多久:いや、全然思わないですよ。

円子:今年のJ2からのJ1昇格は、若干難しくなったんですよね?

澤野:プレーオフがなくなった。

ほり:自動昇格のみになった

円子:まあプレーオフは、元々難しい枠ではあるんですけど。

多久:6位に入ればという希望がなくなりますね

円子:そういう場合って、終盤戦がどうなるんでしょうね。6位や8位とか、そういう位置のチームがほぼモチベーションを失った状態で終盤戦が行われるんですよね。22チームもあって。

ほり:例年は、2位争いって何チームぐらいでやってるんですか? 

澤野:ここ2年は結構団子だったんですけど、かなりその年によりますね。

多久:うちが最初に上がった時は湘南がダントツで、もう1チームがジュビロとうちと、もう1チームぐらいで争ってましたね。で二回目の時は、うちと大分と、4チームぐらい2位以内の可能性があってごちゃっとしてたけど、6位争いもそれはそれでごちゃっとしてたと思う。

※最初に上がった時は湘南がダントツで
参考までに該当年の順位表を貼っておきます。2014年の湘南は勝ち点101とダントツだったんですね。
2014年J2順位表
2018年J2順位表

澤野:だから下のクラブにとっては、最後までお客さん含めモチベートできるのはありがたい仕組みではありました。 

円子:それで、今年はどうなるんだろうと思います。22チームの中で、ごく限られたクラブしか昇格を争えない場合って、やはり下のチームはモチベーションを失って終盤戦はどんどん無抵抗で負けていくんだろうかとか。

多久:若手を育成するために戦力を落としてくるっていう試合も多くなりそうですね。 

澤野:ある意味、二年計画で考えてくるクラブは出てくるかもしれませんね。それはJ1でもそうで。翌年は20クラブになって4チーム降格っていうレギュレーションで行くんだとしたら翌年落ちないために若い選手を試すとか。

ほり:20チーム中4チームって、2割ですからね。

澤野:終盤戦は来年も契約してくれてる選手だけでチーム作りに当てるとか、まあ外からはわからないようにやるかもしれないですけど…

多久:ハッキリやるでしょう。今年は特にお金がやばいんで。キャッシュフロー的に。

円子:選手の移籍も早くなりそうですよね。今までは昇降格がわからないと契約しづらいみたいなところもあったと思うんですけど、「来年も必ずJ1」っていうクラブが多くなるので動きが早くなりそうな。

ほり:J2からの個人昇格が多くなりそうですね。それも早い時期に決まったり。

澤野:それでその選手は急に試合に出なくなって、「きっと移籍するんじゃない?」みたいな。

多久:交渉が解禁されるのが9月からですよね。

ほり:そうするとシーズン終盤の様相がかなり変わってきますね。 


・世界のサッカー、どうなっちゃうの?

円子:試合自体どうなるんでしょうね。いつから再開するのかとか…。ACLとかは出来るんですかね。世界的にも、チャンピオンズリーグとかも…。EUROもなくなりました。

澤野:ACLは無理でしょうね。自国だけだったらともかく、複数のエリアを結ぶ大会は、今年は無理ですよ。

ほり:でもまあ、ACLは経済的な規模が大きくないからまだいいですけど、欧州CLが出来ないとビジネス的な影響は大きいですよね。

澤野:もちろんそうなんですけど、ヨーロッパでも主要な国の状況が今とても…。

円子:ホーム&アウェイは止めて、日本で一発勝負で決勝をするってのはどうでしょう?

※日本で一発勝負
トヨタカップが長らく日本で行われていたこととかけた感じの毒だったのですが、これもあまり通じていませんでした。

澤野:eスポーツで決めるとか。

ほり:ACLとかルヴァンとかは、いきなりトーナメントから始めるとかで試合数を減らして、何とか行えるかもしれないですけどね。

澤野:そういうことをシミュレーションしたり決めたりする中の人は、本当に大変そうですよね…。


・Jクラブの経営は大丈夫?

澤野:でも今回のJリーグは、延期とか降格なしにするとか、決断も発表も早いじゃないですか。だから色んな案の話し合い自体もどんどん前倒しでやってるんだろうし。

ほり:配分金の扱いとかも。

澤野:そういうところも、各クラブにも色々根回しして進めているんでしょうね。だからこそ、ここまで全クラブが団結できているんでしょうし。各クラブが存続がかかってしまうような状況になってたら、そんな色んなことに協力できないでしょうし。

多久:まあ、自転車操業ですからね。月のキャッシュフローは、その月に試合やってようやく入ってくるみたいな。

澤野:そんな中でね、鳥栖は…、ちょっと。

多久:またやっちゃったか、みたいな

澤野:みたいなねえ。どうして九州のクラブばっかりみたいな話も出てますけど。

円子:ロック総統が大喜びしてそうですね。

ここから先は

5,918字
スポーツと旅を通じて人の繋がりが生まれ、人の繋がりによって、新たな旅が生まれていきます。旅を消費するのではなく旅によって価値を生み出していくことを目指したマガジンです。 毎月15〜20本の記事を更新しています。寄稿も随時受け付けています。

サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?