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太陽と埃の中で ACL貴州前編

J2ですが、私は元気です!

でもアジアの舞台も懐かしい……。

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円子文佳と申します。旅とサッカー観戦が趣味の人です。Jリーグでは柏レイソルを応援していることになっています。『OWL magazine』のプロジェクトオーナーをしています。
https://note.mu/maruko1192/n/n867c6ecaad21

僕の柏レイソル応援歴は、2004-2016年と2018年-となっています。空白の2017年については今週説明する機会があると思います。2019年はJ2に降格しましたが、ほぼ10年ぶりのJ2をむしろ楽しみにしています。来週も開幕戦、元気にアウェイ山口に行ってきます。

J2は国内旅行にたくさん行けて楽しいと思いつつも、過去のACLアウェイ遠征はまた違った楽しみがあったなと思います。また出られる日は来るのでしょうか。リーグ開幕までの間、2013年2月の中国遠征の記録を振り返ってみたいと思います。
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・香港から貴陽へ

貴州に行く前は、所用で香港にいました。ACLの試合観戦のため、2013年2月25日に香港から貴陽に飛びました。

なお、「貴州」というのは省の名前、「貴陽」は省都の名前です。
日本で言うと「長野」県「松本」市のような感じ(違う)

香港航空という航空会社の便で15:50発、貴陽には18:00着でした(香港と中国本土には時差はありません)。料金は片道129ポンド、日本円で2万円強でした。僕以外の乗客はおそらく全員中国人と思われ、そこかしこで中国語のけたたましいお喋りが聞こえる、雑然とした機内でした。
 
定時運航で無事貴陽に到着。香港は中国本土からは外国扱いなので、入国審査が必要になります。
帰国する人ばかりなので列はスムーズに流れていきます。僕の順番が来ました。僕は中国語はほとんど話せないので英語でやりとりしようとしたのですが、審査官の人がすごく困った顔をしました。周りと何か相談しています。

まさか外国人が混ざっているとは思ってもみなかったのかもしれません。大量の中国人の中に一人日本人が混ざっていても、パッと見はわからないということはありそうです。そして審査官にも入国審査ぐらいの英語を出来る人がほとんどいなかったようです。一応国際空港なのに。
奥から英語をかろうじて話せる人が出てきて、こんなやり取りをしました。

N「お前、何しに来たんだ?」
M「サッカーのアジアチャンピオンズリーグを見に来ました」
N「サッカー?何でお前ひとりなんだ?チームメイトはどうした?」
M「え… 見に来ただけなので…クラブの関係者ではないのですけど」
N「怪我してるのか、でも一人で来るとか普通ないだろ。チームの責任者はいつ来るんだ?」

サッカー見に来ちゃいけないんですか?
わざわざ外国まで応援に来るという文化が理解できなかったのでしょうか。でも結局、別に止められもせず通してくれました。


・タクシー運転手の謎の行動

空港からはタクシーに乗って市内のホテルに向かおう、と思っていたのですが……

国際空港のはずなのに、空港内に両替所がない!
ATMもなく、クレジットカードで人民元を下ろすことも出来ません。
現地通貨を持っていないのに、どうやってタクシーに乗ったらいいんだ…。

とはいえ続々と人が降りてきているので、時間が経つとタクシー乗り場の列がどんどん長くなってきています。
(そういえば中国人なのにきちんと列に並んでいた)
あ、財布に結構な額の香港ドルが入っていた。同じ国だしこれで払えるはず!ダメだったらホテルの人に頼んで両替してもらえば支払い可能だろうと考え、とりあえず並んでしまうことにしました。

空港なのにタクシーがなかなか来ない…
そしてたまに来るタクシーは例外なくドロドロです。黄砂のせいなのでしょうか?

20分ほど待ってようやく乗れました。宿泊先はシェラトンでしたが、しゃべりで伝えられる自信は全くないので「地球の歩き方」の該当ページを見せてここに行ってくれと伝えます。
そしたら、何だか運転手が色々言ってくる。
北京五輪に行った時にちょっと勉強したので、多少は中国語がわかるつもりでした、さすがに勢いよく喋られると何を言っているのか全くわかりません。

しばらく走ると運転手が急に止まる。そして道端の人と交渉をしているようです。

あとでわかったのですが、この地域では極端なタクシー不足のため、日本のように個人利用ではなく見知らぬ者同士が乗り合わせるのが一般的のようです。(料金は一人の時と変わらない?)
それで、同じ方向に行く客がいたら一緒に乗せていきたいので探していたということみたいでした。

結局、5回ほど途中で止まりましたが、新たな客は拾えずホテルにつきました。
20分ほどで到着し、料金は50元(約800円)でした。レートがよくわからなかったので50香港ドルで払ったら、向こうもよくわかってなかったようで受け取ってくれました。
あとで調べたら香港ドルの方が20%ぐらい安かったみたいでした…… 運転手さんごめん。ホテルに着いたらATMがあり、クレジットカードで人民元を下ろせました。



・辛くてニンニクたっぷりの貴陽グルメ

ホテルに無事チェックインしたので、散歩がてら夕食をとるため外出することにしました。
レイソルのユニを着て外出。チームからは「現地の人を刺激しないよう、試合前日・当日はユニを着て外出しないでください」という通知があったのですが、今日は試合前々日だからいいかなと思って……。
ちなみに街行く人々はまったく無反応。あまりサッカーに興味ないのでしょうか。

「地球の歩き方」に、「夜は屋台でいっぱいになる」と書かれている一角があったので、そこに行ってみることにしました。

20分ほど歩きました。途中で公園のそばを通りがかると、ビシーン、バシーンとムチで何かを叩くような音が聞こえてきます。
何だろう?と思って見てみると、50歳過ぎのおじさんが、頑張って大きなコマをムチのような道具で叩いて回す遊びをしています。
次の日の朝「人民広場」(毛沢東の巨大な石像が立っている)で、凧を揚げているおじさんもたくさんいました。娯楽が素朴というか…。でも子供はipadでゲームやってましたが。

それにしても道が汚い。汚水で汚れています。
車の交通量が多く、横断歩道がありません。交差点を渡るたびに、地下道か歩道橋かを渡らないといけなくて、いちいち大変です。
現地のお母さんが、ベビーカーを抱えて歩道橋の階段を上っていました。当然エスカレーターなんかありません。

屋台村に到着。火鍋の店がたくさん並んでいます。

適当な店に入ってみることに。「something to eat」とかとりあえず言ってみたところ、奥から10人ぐらい若い者が出てきた!
とりあえず座らせられましたが、店の人たちが何やらみんなで言い合っています。
「お前何とかしろ」「いやお前が」全く話が進みません。
7元(約100円)ぐらいの適当なラーメンを勧められましたが、こんな所まで来てそんなつまらないものを食べたいわけではありません。
振り切って店を出ます。しばらく歩いてEnglish menuのある店を探しましたが、それを売りにしているような看板は全く見つかりません。

屋台じゃなくて、固定店舗に入ってみます。この店は写真入りのメニューがあったので指差しで注文できます。
いくつか食べ物と、ビールを頼んでみることに。
外の道路では爆竹を鳴らしまくってる若者がいます。煙が……。これが日本に飛来して黄砂になるのでしょうか。

灌江生蠣(微妙に字は違います)
カキをニンニクやトウガラシで和えたような食べ物。500円ぐらいでこの量。

辣子鴉 
鶏肉のトウガラシとニンニク炒め。1000円ぐらい

恋愛豆腐
豆腐というより厚揚げのようなものに刻んだトウガラシやネギをはさんでいる。何がどう恋愛なのかは謎。


・あいのり!タクシーのルール


結構食べた。そして帰ることに。
歩いて帰ろうかと思ってたのですが、雨が降ってきました。マジか……。

雨の中を20分歩いて帰るのは大変なのでタクシーを拾おうかと思いましたが、空車が全く見当たりません。
そして、周りの人たちは空車とか関係なくタクシーを止めています。そして、止めてから何やら交渉しています。

ここでようやくこの街のルールを理解しました。
この地域はタクシーが足りないのです。
だから相乗りが基本で、交渉して行き先が一緒なら乗せてくれるということのようです。


交渉となると言葉が出来ないと超不利です。
喋っても通じなさそうなので、メモ帳に「喜来登航酒店」(シェラトンホテル)と書いて、ヒッチハイクっぽく運転手に見せる作戦に出ました。
何とか一台止まってくれて、シェラトンにつきました。タクシーだと3分ぐらいでした。

メーターは8元だったので、3人相乗りなら半分も払えばいいだろうと思ったのですが、4元払ったらものすごく怒られました。
仕方がないので10元払ったのですが、それでもまだ怒っていて(なぜだろう?)親の仇みたいな勢いで車内から追い出されました。
翌日はもっと遠出をするつもりだったのでもう寝よう……。

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前編はここまでになります。後編はおそらく今週中には出ると思います。
(もう完成しているのですが他の方の記事との兼ね合いがあるそうです)

この先はおまけ部分で有料記事となります。本文の趣旨とはあまり関係のない内容です。海外旅行をしたときのタクシー事情について書いてみます。

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