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まるいの家族エッセイ

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まるいるいの、父親をはじめとした家族の話です。
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2024年2月の記事一覧

血の繋がった親友【家族エッセイ】

血の繋がった親友【家族エッセイ】

私の人格形成に大いなる影響を与えた男がいる。
それは兄だ。
兄は2歳年上で、今のところ人生で一番長い時間を共にした人だ。

母は私を産んだ時、
「もう一回産んだかと思った。」
と言うくらい、兄と顔がそっくりだったらしい。
今でも兄とは顔が似ているとよく言われる。

それは、表情だったり顔の筋肉の使い方が同じだからより似ていってしまったのではないかと思う。

私は何でも兄の真似をした。
母曰く、口調

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誰よりも幸せであってほしい人【家族エッセイ】

誰よりも幸せであってほしい人【家族エッセイ】

私には4歳年上の姉がいる。
私達は顔面も骨格も似ていなければ性格も思考もまるで違う。
本当に同じ血を分けているのか疑わしい程に何もかもが正反対だ。
「るいが同じクラスにいても絶対に仲良くなってなかった」
と姉は言う。私も同感だ。

昔、私は姉に嫌われていた。
姉が就職して家を出るまで、姉が私に笑顔を向ける事はなかったように思う。
それも無理はない。

私は姉のお菓子を盗み食う悪童だった。
当時「カ

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父が居なくなった日【家族エッセイ】

父が居なくなった日【家族エッセイ】

2022年6月。
目の不調が気になり眼科に行くと、網膜剥離と診断され手術を受ける事になった。
目薬で治せるくらいの軽いものだと思っていたので医師から「このままじゃ失明するから1週間後には手術を受けて」と告げられた時の衝撃は大きかった。

実は異変はその年の1月頃から感じ始めていた。
しかしその時は横になってスマホを眺めている時のみに異変が起こる状態だった為、あまり問題視していなかった。
それが数ヶ

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父のお弁当【家族エッセイ】

父のお弁当【家族エッセイ】

私の家には、高校生になったら自分の弁当は自分で作るというルールがあった。
それは母の、「大人になって料理が出来ないと困るから」という意図の下に施行された。

高校に上がってからの最初の1年間は毎日自分で作っていた。
「作った」といっても母が炊いておいてくれたご飯と、母が買っておいてくれた冷凍食品を詰めるだけ。

これが何の意味も成さなかった事は現在の私の家事力が物語っている。

実はこのルール、姉

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