私にとって必要な時間

幼い頃、大きな病気を患った私は、今でも定期的に検査のために入院をします。

入院といっても3日程度で、検査も全て決まっていて、退院日も確実で、ただただ病室で指示に従っていたら終わる程度なのですが、

それでも入院のダメージが大きいのです。

具体的に言うと、たった3日で完全に「患者」になってしまうと言う事。

社会から隔離されたその空間は、私が社会人であろうが、誰かのパートナーであろうが、趣味で音楽をやっていようが、最近旅行に全く行けず、美味しいものも食べに出かけられていない状況だって、全く関係ないのです。

私個人がそこに無いと言いますか、とにかくあらゆる感情を「無」にして挑む事でストレスを最小限に抑えられる感じです。

その結果、退院後数日はからっぽ。

からっぽの私になります。

そこからまた私は社会に戻り、自分を取り戻す作業をします。

この自分を取り戻す作業こそ、私にとってとても必要な時間になっています。

当たり前の日常が存在しない事。

誰かにとって必要な存在である事。

自分に何かしたいという意思がある事。

日々自分で選択して生きているという事。

何気ない日常が喜びで、ちょっとした出来事が幸で。

ただ、家でテレビを見ながらお茶を飲む。それだけで満たされる感覚。

またこれが数日続くと、この感覚も忘れてしまうのですが、定期的な入院が私にこの感覚を思い出させてくれています。

毎年憂鬱ですが、私が私であり続けられる必要な時間なんだと思います。

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