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野菜・果物の適正な価値とは

こんにちは。
岡山県倉敷市玉島地区で青果市場を営む『丸一青果』です。

今回は市場に並ぶ野菜や果物について少し思ったことを・・・・

等級と階級

『中央卸売市場』や『地方卸売市場』に卸される野菜や果物には全て等級と階級が付けられています。
等級というのはその青果物のランクに相当し、A、B、良、優、秀、青秀、赤秀などなど品目によって様々です。また、階級はSやM、Lなどのサイズを表します。
この等階級ですが、農協出荷物においては明確に区別されていて、青果物の値段は等階級によって大きく変わります。センサーなどで内部品質がチェックされるものもありますが、見た目で大体の価格が決まるわけです。

『こだわり』は評価されない

農協と卸売市場の働きにより、様々な生産者の農作物が適正な価格で平等に、そして安定的に供給されるわけですが、一方で生産者の『こだわり』は切り捨てられます。
小規模農家が品種や栽培方法に拘ったところで、市場への出荷ではほとんど評価されないのです。
実際に私も無農薬栽培で大豆を作っていましたが、農協に出荷すると普通栽培の大豆と同じ買取価格で複雑な心境になったのを覚えています。

自分で売るのはかなり大変

農協や市場出荷では相手にされない小規模な農家は、必然的に自分達で売ることになります。今ではインターネットを利用すれば様々な売り方ができるようになりましたが、販売まで自分で手掛け安定して売るとなると依然としてハードルは高いままです。(ちなみに私もこの段階でつまづいた一人です・・・)

朝早くから収穫して出荷の準備、配達、そして畑に出て農作業、夜はパソコンとにらめっこ、年中無休で天候任せ・・・・・当然楽しい部分もありますが、全てをこなすのはかなり大変で誰もができることではありません。

こだわりを適正に評価できる個性に溢れる市場を目指して

実際に販売で挫折して農業を辞めた私ですが、その経験もあって自分のような販路に困る生産者を少しでも助けられれば・・・という思いが湧き上がり、市場で働く道を選んだ経緯があります。
私が思い描いている市場は、『生産者のこだわりを評価できる市場』。
小さい市場だからこそ生産者のこだわりを知ることができますし、消費者にこだわりを伝え、価値を正当に評価してもらう事ができると考えています。今は私たちが販路開拓できていない状況なので、なかなかすぐに買い取れない状況なのが心苦しいのですが、少しづつ販路を増やし個性的な野菜や果物に溢れた青果市場を目指したいと考えています。


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