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吉田
2022年7月30日 15:02
小学生の頃の私にとって家族は決して温かい存在ではなかった。怖かった。特に父がこの世の誰よりも怖かった。父の言いなりの母も、父に可愛がられていた兄2人も、誰よりも近いはずの家族の心は誰よりも遠い場所にあった。というより、私だけが遠い場所に置いていかれたんだ。 兄2人は欲しいものを何でも買って貰えていた。私に来るのはいつもそのお下がり。女の子らしいものを何も持っていなかった。リボンのついた髪留めも