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#6 コラム - 学ぶことに意味はあるのだろうかと


思い返して文字にすると、ちょっと恥ずかしくなるのですが、
修士論文を提出した日のことを書きます。

私は、この企業とジェンダーのテーマに強い思い入れがあって、他の学生よりも、熱心に論文執筆に取り組んでいたと思います。

指導教官の先生は、とても優しい方で、何度も何度も相談に乗って下さり、最後まで見放すことなくご指導くださいました。

先生のご指導もあって、自分なりに満足のいく論文が提出できたし、有難い評価もいただくこともできました。

論文執筆に取り組んでいた1年間は、文字通り夢中で、寝る時間を惜しんで、白髪を増やして、毎日このテーマのことで頭がいっぱいでした。

それで、提出が終えた時、突然夢から覚めたみたいな感覚になって、
自分ごときが、どれだけ寝る時間を削って、白髪増やして勉強したところで、世界は変わらないんだと再確認したような気がして、明日からも変わらずこのジェンダーギャップのある世界を生きていかないといけないんだと思って、悲しくなって、もういい年齢だったんですが、虚しくて泣いたのを覚えています。

多分、あの時、同級生の中でも、無事に提出できて、嬉しくて泣いた人はいたとしても、悲しくて泣いたのは、私くらいだったんじゃ無いかなと思います。笑

あともう一つ、これは少し時間が経ってからですが、例えば法学とか医学とかと違って、どれだけ勉強したって、こういうテーマってお金にはならないんだなぁと思って、ちょっと悲しかった日もありました。笑

まぁ、当たり前ですよね。
当時の私はただの学生で、今現在も、毎日コンビニのおにぎり美味しいなぁって思って過ごしてる一般人で、

もちろん、明日からも変わらない世界を、生きていかないといけない。



でも去年、ちょっと嬉しい言葉に出会ったので、ご紹介させてください。

その場で叩かれることがあっても、その場で伝わらなくても焦らなくていい。意見を表明した一つ一つの会話が変化をもたらすための未来への投資なのだと思います。

内田舞(2023)、ソーシャルジャスティス小児科医 社会を見る、文集新書


過去の自分を、そして今の自分を励ます、大切な言葉になりました。

このブログを始めようと思ったきっかけの一つでもあります。

私が学んだところで世界は変わらないけど、それでも学ぼうと、今は思います。
いつか、誰かの役に立てばいいなと、そのいつかに備えて、これからも学びたいと思います。

あまりいないかもしれないけど、もし昔の私のように、今苦しんでいる方がいらっしゃるとしたならば、内田先生のお言葉をお借りして、私も同じ言葉を届けたいです。

参考文献


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