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閉鎖病棟入院日記Re.⑧

1人での外出許可が下りて、今年に入って初めて外出した。10〜16時の間というルールで。

外出当日は雪が降っていて、気温もとても低い日だった。一面の銀世界で、道路の端には雪山が連なっていた。

久しぶりの外の世界は、まるで別世界のようだった。
今まで病棟での生活に慣れていたため、ある種の小さな社会の中で生きていた。そこから抜けて外に出たとき、私は違う世界に来たのかなと感じた。時の流れが違って、何より刺激が多かった。水が流れるように行き交う人々、ありとあらゆるところから聞こえる音楽、いろんなモノが敷き詰められている空間。私にとって、外の世界は情報量が多すぎた。

外出でしたことは大きく分けて2つある。
1つ目は、家に帰って荷物を整理すること。
入院で使わない荷物を持って帰って家に置いてきた。あとは宅配ボックスや郵便受けにある荷物も部屋に持って入った。入院している間に重要な書類や通販で頼んだ商品が届いていた。
2つ目は、本屋さんに行くこと。
入院中に読む本を探しに行った。小説コーナーを何度もぐるぐるしていたけどパッとしたものに出会えず、結局何も買わなかった。すでに病棟に持って行っている本が何冊かあるから、それを読んでしまおうと思った。今回は何も買わなかったけど、本屋さんという空間が私は好きで、しばらくぶらぶらしていた。

16時までまだ時間があったけど、特にすることもなくて、コンビニで大好きなチョコのお菓子をいくつか買って早めに病棟に帰った。
帰ってきてまず思ったのは、「安心」だ。
いつもの空間、いつもホールにいる患者さん、いつも話しかけてくれる看護師さん。ほんの6時間足らずの外出だったけど、なんだか体力を大幅に消耗した気がした。帰ってきてホッとした。

こんな感じで初の1人の外出は終わった。雪も相まって疲れすぎた。次は外泊をすることになると思う。それで大丈夫そうだったら退院も近いかな。とりあえず今回は何事もなく無事外出できてよかった。

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