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週末のインドカレーと映画のために、 24歳広告屋さんではたらいてます。

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三行で撃つ

いかに美しい文章を書くか、という指南書ではない。言葉を使っていかにこの愚劣で生きるに値しない世界を生きるのか、という本だ。人生は生きるには退屈すぎる、だからこそ人は表現がなければ生きていけない。踊りも歌もなかった時代などない。それほどに世界は退屈だ。 文章とは何か。文章とはキャリアー。言葉を発する主体の、感情、判断、思想を載せて走るクロネコヤマト。 伝え方は9割とかともいうけど、それはちょっと嘘くさく思える。缶詰とか、3分でチンしたら食べられる簡単調理のトッポギか。 今

    • 夜市

      チェーホフも読んだかと思うくらいの銃の使われっぷり。 もともとダークファンタジーは好き。だけど進撃の巨人だったり炭治郎の出てくるやつみたいなグロめなものが絵的にダメ。自分の頭の中で生成できるくらいのシンプルな妖怪とか、槍のさし合いくらいがちょうどいいっていう、私みたいな人にはおすすめ。 短編2本の収録の、前半が夜市のお話。夜市の設定がさまざまな世界の重なり合った世界で、学校蝙蝠なるものが開催を告げる。彼の言葉遣いは使う単語は古めかしいものの、嫌味がない。むしろそこがいい。

      • 博報堂スピーチライターが教える 5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本

        自分の言葉は自分の過去からしか出てこないと思っている。この過去が指すものは、主には自分の実体験だが、映画や本などの他者の体験の仮体験でも可能であると思っている。 過去の経験の参照だったり、触れてきた言葉のどれが今の自分を表現できるのか。つまり言葉は過去の自分の経験である場合が多い、最近何してどう思ったのか、あなたの言葉に対して、自分はどう感じるのか。どう感じるのかさえも過去作りあげてきた価値観でしかない。 どうしたら深みのある人間になれるのだろうか、自分の意見を持てるのだ

        • 伊坂幸太郎 逆ソクラテス 読書レビュー

          “それはギャンブルじゃなくて、チャレンジだ。自分の人生で、チャレンジするのは自分の権利だよ” 伊坂さんのキャラクターたちの、今回の戦う相手は、たびたびのあいつら。自分たちの権利や地位、身体的優位性を利用して弱者を痛めつけることを楽しむやつら。この闘いの構図は多いのだけれど、今回は全編にわたってそれがハッキリとしている。 伊坂幸太郎作品の中でよく言われるのは、伏線の回収だけれども、前期の作品においては、そこをエンターテイメント性として捉えていいと思う。 だけれども今回の作

        三行で撃つ

        • 博報堂スピーチライターが教える 5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本

        • 伊坂幸太郎 逆ソクラテス 読書レビュー

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          1本

        記事

          20century woman

          You cannot let her sleep here if she's not having sex with you. It’s disempowering. 「女性に育てられた男の子」のドキュメント。主人公は男の子だけれど彼を取り巻く女性たちの愛とセックスについての考え方。 驚くことに、監督は男性。ただ女性たちはこじらせてると思うかもしれないけど、いまの日本もこんな女子は多いと思う。 どこか寂しくて、一緒にいるための誰かを探して、美しくいるためになんでもするん

          20century woman

          COS x Sophie Smallhorn

          Cosの服が好き、建築みたいなバランスとどこか他と違う色味、色使い。コスの服を着ていると、お洋服コンシャスな意識というか、なんだかその日のアートとか景色とかに対する姿勢がしゃきっとする。 イギリス人アーティストのソフィー・スモールホーンは、コスの店舗のウィンドウインスタレーションを手がける。 彼女は色、ボリューム、比率のすべてはお互いを必要とするという。 お互いに必要とする要素をいちばん整った感覚、たまには遊びも用いて寄り添わせてあげる、そんな感覚でなにかつくりたい。

          COS x Sophie Smallhorn

          Netflix_Unorthodox

          “God expected too much of me,” 彼女の苦悩に胸は重くなるものの、映像の美しさと知らない世界の光景に目は釘付けで。あれほどの宗教の世界があること、普通に生きてたら物語に思えてしまうから。 シーラ・ハースの演技がすごくて、映画のメイキングでも言われたのだけど、顔が少し動くだけで表情がとても変わる。機微なんてどころじゃない。この映画は無音でもみてられる。

          Netflix_Unorthodox