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三行で撃つ

いかに美しい文章を書くか、という指南書ではない。言葉を使っていかにこの愚劣で生きるに値しない世界を生きるのか、という本だ。人生は生きるには退屈すぎる、だからこそ人は表現がなければ生きていけない。踊りも歌もなかった時代などない。それほどに世界は退屈だ。


文章とは何か。文章とはキャリアー。言葉を発する主体の、感情、判断、思想を載せて走るクロネコヤマト。

伝え方は9割とかともいうけど、それはちょっと嘘くさく思える。缶詰とか、3分でチンしたら食べられる簡単調理のトッポギか。

今まで出会った言葉とは〇〇である、構文の中で、クロネコヤマトに例えるものが一番的確に思う。というのも、速さ、温度、梱包の要素を送るべきシチュエーションにより誰しも変えているはずだ。

『法人契約』届けたい相手に正確に、速やかに届けるのが法人契約クロネコヤマト。むしろ速達バイク便。受け取り印は確実にいただく。緩衝材必須な場合あり。

『個人契約』お友達には、適切な間隔で、暇人だと思われないくらいの頻度で愉快なものを送りつける。時には可愛い梱包使う。

たまに物を裸で投げてくるやついるけど、宅配ボックス入れてくれ。


企画とは、結局、編集なのだ。すでに世に出ていることを、総覧して、何か新しい共通事項、切り口があるのではないか。共通するキーワード、「時代の気分」があるのではないか、そうした目で「切る」のが、企画なのだ。

自分の言葉は自分の過去の出会いや感覚、感情からしか出てこないと思っている。千鳥がやっているのもこれだ。みんなのあるある、が心地いいのだ。

創作の女神は、いる。時間はいつでもいい、都合のつく時間を、とにかく決めるんです〜 部屋に閉じこもり、たとえ一行も書けなくても、とにかく机に座って、何かを書こうとする。なぜか。女神に通知しているんです。

そしてここには悪魔がでるらしい。私は偽物だ、私が描くものには価値がないと。そこでうちなる悪魔と戦い切ったものだけに、女神が現れる。会社のできる先輩も言っていた。仕事は効率化し、長時間働けと。お前よりできるやつもお前より働いている。どっちが成長するか考えろ。できないなら働け。できるようになっても働けと。確かに彼はいつも同じ席に座って長時間働いている。彼は女神に通知していたのか。

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