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漢文の勉強法

 前回までは古文について書いてきましたが、今回は同じく古典の漢文について書きます。

 京大の二次試験の国語には漢文が含まれないので、京大が第一志望になってからはあまり時間を割いて勉強していませんが、センターで満点を取れるレベルは維持し、センター本番でもなんとか満点を取ることができました。

 高校生の頃、同じ古典でも古文より漢文の方が簡単な気がしていました。大学に入ってから漢文(中国語古典)の授業を受けていて気が付いたのですが、「漢文」は本来中国語なので、実は古文よりも難しいのです。『史記』や『飛龍御天歌(朝鮮の歌集)』を白文で読む授業があったのですが、「高校までの漢文とは、、」となるくらい難しかったです。あのレベルを受験生に求めるのは酷だと思います。だからこそ高校生・大学入試レベルでは、あまり難しい設問を作れないのではないかと思いました。受験漢文は基礎をしっかりおさえていることが求められ、それを確認する問題が作られるので、当時の私は簡単に感じたのだと思います。

 では、本題の勉強法についてです。

何よりもまず

文法


です。
 個人的には漢文は暗記科目と言っても過言ではないと思います。文法を覚えるなんてうんざりするかもしれませんが、高校漢文で覚える文法は英語に比べたら微々たるものです。文法書は、バンダの表紙でお馴染みの『新明説漢文』を使っており、付属の問題集があったのでそれを解いていました。
 漢字の組み合わせで意味や訳し方が決まっているので、それを覚えてしまえば、口語訳はそれに従って素直に訳していけば良いです。漢文が暗記科目というのは「漢字」と「読み方」が対応しており、口語訳は漢字の一問一答が連続したものと考えられるからです。
 文法理解のために問題を解くのも大切ですが、私は音読を何度もしていました。まずは訓点がある状態で暗記するくらいまで読み、次に訓点がない白文の状態で音読チャレンジをしていました。漢文独特のリズムや言い回しを覚えておけば書き下し文にする時にそのリズムに乗ることができます。また、択一式で出題される「傍線部の書き下し文として適切なものを選べ」のような問題にも対応することができます。さらに慣れてくると「次の白文に訓点を付して書き下せ」のような問題もスムーズに解けるようになります。
 
 
 私は、文法を定着させるために定期テストを重視していました。1回のテストで問われる文法はテスト範囲のものしかないので、少量を何度も時間をかけて定着させていくイメージです。定期テストでは、文法だけでなく読解問題もありましたが、文法問題については満点を取れるように対策していました。音読でほぼ本文を暗記していたので、テスト前日に内容を思い出しつつ、白文に自分で訓点をつけていました。


 漢文で高得点を取るためには、文法以外に漢字の意味を知っていることも必要ですが、日常でも漢字を使っているので一から覚え直すほどの苦労はないと思います。口語訳をする時に初めて見た漢字でも雰囲気で訳しても意外と点数が取れる時があるのはこういうことだと思います。私は、再読文字と副詞が苦手だったので、授業の予習の際には必ず確認していました。
 内容読解をする際には口語訳の精度が高いほど、解答しやすくなります。古文の時にも書きましたが、やはり解答を現代日本語で書くので漢文本文と解答の橋渡しとして口語訳が重要になってきます。

 さて、文法が固まり、音読もスムーズにできるようになると書き下しはだいたいできるようになってきます。そこから漢字の意味を覚えると精度の高い口語訳が作れるようになります。この時点で漢文力7割くらいはついています。記述式でもそこそこの点数が取れるようになっていると思います。
 さらに高得点を目指すのであれば内容読解が必須になってきます。口語訳ができていればある程度内容は理解できるので、次は解答作成だと思います。漢文の題材は評論というよりは小説的なものが多いので、現代文の小説の解答を作る際のイメージで良いと思います(説明というよりは叙述)。これは問題集で練習するのが一番です。
 問題集はさまざまなレベルが出版されています。基礎〜難関大学入試までかなり種類があるので自分のレベルに合ったものかその一つ上のレベルを購入すると良いと思います。
 漢文は得意な方だったので、一番上のレベルの問題集を購入していました。記述式の問題が解ければ択一式(センター試験)も問題なく対応できるからです。反対に択一式の対策だけで記述式の問題に対応するのは難しいと思います。記述式の漢文のテストがある人は記述式の問題集が必須だと思います。
 個人的には、解説や問題内容を考えると尚文出版や第一学習社の問題集がおすすめです。


 漢文対策の問題集としてもう一つおすすめなのが、「東大漢文」です。東大の過去問と聞くとそれだけで「無理かも」と思うかもしれません。確かに、数学や英語、地歴はさすがの難易度です。(文科の過去問しか見たことがないので理科系はわかりませんが、日本トップレベルの難易度だと思います。)しかし、国語に限って言えば他3科目に比べるとかなりとっつきやすいです。特に漢文は問題集より少し難しいかな、くらいです。
 私は、高2から国語だけ難関大学の過去問にチャレンジしていました。基本的には京大の過去問を解いていたのですが、漢文だけは東大のものを解いていました(京大には漢文がないので)が、意外と解けました。解答欄に何も書けないということはありませんし、添削するとある程度の要素を含めた記述ができていました。高1でも基礎があれば十分にチャレンジできると思います。
 難関大学志望の方や、漢文が得意で問題集だけではつまらないという方には「東大漢文」おすすめです。が、一番のおすすめポイントは「今、私、東大の過去問解いています」という謎のドヤ顔を1人でしてしまうところです。数学の過去問には手も足も出なかったのに漢文だけでも過去問を解いている、解答欄が埋まっているということで自分を褒めてあげたくなります。さすが東大です。

 漢文は古文ともかなりリンクしています。書き下し文だけを見ると古文のような言い回しです。古文と漢文がセットで「古典」という科目になっているのは意味があると思います。古文の成績が伸びれば漢文の成績も伸びるでしょうし、逆もまた然りです。
 古文や漢文でお悩みの方はまずは音読から始めてみてください。次第に古典が読めるようになっていきます。


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