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「英語学習法」より、まず言語化の感覚

日本人が英会話に苦戦している時代がいくらなんでも長すぎる。
ここ数十年で関わってきたヨーロッパ人の英語力は
若い世代ほどレベルが上がっているのをはっきり感じる。
ここ何年かでレッスンを通して出会った20代のヨーロッパ人は
本当に癖のないわかりやすい英語を話せる印象だ。
各国の語学教育の進化もあるだろうし、時代背景もあると思う。
先生の英語力が上がれば、英語のみでの授業が普通になる。
世界がますます小さくなり英語を使う機会は自然に増える。
彼らはまさにその結果だと思う。
同じ人間なのだから、同じ条件下にあれば
日本の若者も英語など余裕で習得できるはずなのだが。

英会話をマスターしたい人のほとんどが「学習法」を探している印象だが
私は「学習法」なるもので日本人の英会話力は
もう上がらないと予測している。
この問題の核は「日本人の日本語力」だろうと思う。
長年外国人の日本語に多く触れる人生を送り
一周回って日本人の日本語力に再び触れ始め
「一種のパターン」を見つけ、とても驚いた。

自分の言いたいことを
的確に表現できていない、見切り発車で話している。
言い切らず、相手の理解に頼っている。
一言で言うと「ふわふわしている」そしてプレゼン力がとても弱い。
こんな日本語はとても英語にならない。そう言う日本語だ。
日本文化の中で日本人同士であれば何も問題は無いし、
それが日本文化の形だという側面もある。

だが、これでは明確な「言語化の感覚」が無いままに
言葉を話すということが当たり前になってしまう。
外国語が母国語の能力を凌駕することはない。
実は日本語でしっかり言語化できていないのなら
英語をはじめとする外国語で言語化するのは無理ではないだろうか。

もし、英語をはじめとする外国語を「話すために」習得したいなら
学び始める前に、日本語でも話すときに明確な「言語化の感覚」があるかどうかを
自己分析した方がいい。

では、「言語化の感覚」とはどんなものか。
言語化の感覚を言語化するのは本当に難しい(笑)が、
わかりやすいチェック方法を一つ。

日常会話のステージ3から
何か話題を一つ決めて、日本語で説明してみることだ。
そして自分の説明を録音して、聞いてみる。
それが自分でも惚れ惚れするほどの
わかりやすさであれば、あなたに言語化の明確な回路は
あるはず。自分で聞いてもよくよくわからない
グダグダの説明であった場合、外国語の学習の前に
まずは日本語の言語化能力を徹底的に鍛えることを
お勧めする。

特殊な環境で育った脳でない限り、人間は普通、母国語で思考する。
外国語学習は母国語の思考に乗せていくものだ。
母国語の言語化回路がぐだぐだの場合、日常会話のステージ2以上の
会話力を外国語で身につけることはかなり厳しいと思う。
はっきりした原因の自覚のないまま、「英語学習」と言う努力を続けても
永遠に結果が出ないと言う構図の中であがき続けることになる。

stand fmでの私の番組内で来週から「言語化道場」を始める予定だ。
私の出す「お題」を「わかりやすく説明する」訓練の場になる。
日常会話のステージ3から毎週一回「お題」を出す。
参加者はコメント欄にその説明を書きこむ。
自分で考えることはもちろん、他の参加者の言語化された説明を
みるのも非常にいい練習になるだろうし、「言語化の楽しさ」を
味わっていただけるはずだ。
何より、(あ、私には言語化の回路がなかった)と気づけたら
永遠に話せるようにならない外国語学習の負のスパイラルから
脱却できる一歩を踏み出せる。



最初の半年は全公開で(メンバーシップや有料化せず)
やるつもりなので、ぜひご参加あれ。

日常会話のステージ分けの考え方については
こちらの記事をどうぞ。






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